頭痛
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ただし、睡眠中に呼吸が無意識のうちに止まってしまうという「睡眠時無呼吸症候群」が原因となっていることもある。口呼吸する習慣のある人・肥満気味の人は要注意である。

軽症ではNSAIDs、中等症以上ではトリプタン系薬物が用いられる。エルゴタミン製剤も有効な場合がある。またカフェインも効果的[5]である。
群発頭痛(Cluster headache)詳細は「群発頭痛」を参照

発症のメカニズムについては未だ明らかにされていない点が多いが、頭部の血管の拡張が関わっているのではないかと考えられている。飛行機の着陸時に耳を何某かのもので塞いでいたら、この痛みが出たというケースもある。

群発頭痛の最大の特徴は1年から3 - 4年に数回程度、1か月から3か月に渡る「群発期」に毎日のように決まった時間に発症する場合が多い(近年は薬の副作用なのか、時間だけがずれて群発発作が起きる人が多い)。群発地震のようにある時期に固まって起きることから、群発頭痛と言われている。

日本では、偏頭痛や三叉神経痛と間違われる場合が多く、この病名を知らない医療関係者も多いと考えられる。人により発作が来る時間は様々だが、睡眠中に発作が来ると激痛で目が覚める。これにより睡眠に恐怖を感じるケースも多い。痛みは数ある頭痛の中でも群を抜き、「スプーンで目玉をエグられる程」と例えられる。また、火山がマグマを噴出す感じが「痛みを現す」状態に似ている、と例えられる。あのマグマのような群発発作は「急激」に襲って来て、こんなに痛くて何故死なないのか不思議なほどと言われる。

お産などよりも痛いとされ、心筋梗塞尿路結石、と並び生きているうちに味わえる三大痛の一つとされ、別名「自殺頭痛」とまで呼ばれている。目の後ろを通る血管が拡張して炎症を引き起こすため、目の奥の痛みを自覚するようである。また、この血管を取り巻いて、涙腺のはたらきや瞳孔の大きさをコントロールしている自律神経が刺激されて、涙・鼻水が出る、瞳孔が小さくなるといった症状を伴うともいわれる。吐き気を伴う場合もある。

現在の治療法は、イミグラン(3mg)の注射と純酸素吸入が効果的である。英国国立医療技術評価機構(NICE)のガイドラインでは、経鼻トリプタン[4]酸素[4]を勧告している。

治療薬は、トリプタン系の「イミグラン」などが使われるが、作用には個人差も大きいため、必ず医師の診察をうけること。酒石酸エルゴタミンを使用した「カフェルゴット(平成20年3月末日で販売中止)」「クリアミン(S錠・A錠)」などが使われることもある。また、酒石酸エルゴタミン系とトリプタン系の薬は併用禁止で、薬は、必ず24時間あけなければならないため服用には充分注意すること。トリプタン系(イミグランなど)の薬は、閉経後の女性、心疾患の危険因子を有する患者には慎重に投与する必要があるとされる。

群発頭痛の海外での一般的な治療法は、イミグランの自己注射だったのだが、最近まで日本では頭痛に対しての自己注射療法が認められていなかったために即効性のある効果的な治療が困難であった。しかし2008年4月より保険適用にてイミグランを自己注射して群発頭痛を治療することが可能となっている。予防薬に関しては実際にはSSRI(パキシル等)・ステロイドなどが処方されているが、保険適応とはなっていない。カルバマゼピンガバペンチンが新薬として注目されているとされる。(2011年現在)外部リンク:大阪大学医学部附属病院疼痛医療センター参照のこと。

群発頭痛は激痛のため、トリプタン系の薬(イミグランなど)の多量服用は慎重にしなければならない。とは言え「我慢の限界」を超えた痛みであることは経験者にしかわからないので、周囲から誤解を受けることもしばしばである。また、「群発期」中にアルコールを摂取してしまうと、薬の効果が薄くなり即座に激痛に襲われることもある。

プレドニンやデカドロンなどのステロイド療法もあるが、副作用のリバウンドで苦しむこともあり注意が必要である[要出典]。また、重症の場合は『慢性の群発頭痛』に至ることがある。『慢性の群発頭痛』とは、痛みの最大値を10段階で表すと、常にレベル3 - 5の痛みが「とれない」状態が続くものを言う。群発発作期と群発発作期の間も常にレベル3 - 5の痛みがあり、発作時の痛みはレベル10(max)が1 - 2時間続きその中に群発的に10段階の痛みが襲ってくる耐え難いものであると言われる。
二次性頭痛
頭部外傷による頭痛
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この節の加筆が望まれています。


脳脊髄液減少症

頭頸部血管障害による頭痛
脳血管障害により頭痛が起こることもあり、代表的なものに「脳出血」「クモ膜下出血」「髄膜炎」「硬膜動静脈瘤(こうまくどうじょうみゃくろう)」などがあげられる。これらの頭痛の特徴は、突然頭部を何か堅いもので殴られたような突発的な痛みが発生することがあげられる。いずれにしても脳血管障害の場合は命に関わる危険性が極めて高くなるので、早急な救急処置を行うことが大切である。巨細胞性動脈炎は日本では頻度は少ないが、頭痛と策状の圧痛を主症状とする頭部の比較的大きな動脈を侵す血管炎である。側頭動脈が病変の主座であることが半数であるが、残りは頭部の他の動脈の炎症である。治療が遅れると半数が失明するので、見逃してはならない。
非血管性頭蓋内疾患による頭痛
脳脊髄液圧の上昇(偽性脳腫瘍)や低下、サルコイドーシスSLEなどの非感染性炎症性疾患、髄腔内への投与に関連する頭痛、脳腫瘍などの頭蓋内腫瘍など。
物質またはその離脱に伴う頭痛
食品では、赤ワインチーズチョコレートなどのチラミン含有食品、アルコール(下の「二日酔いの頭痛」も参考)、グルタミン酸亜硝酸塩などが頭痛を起こす。人によっては、アイスクリームなどの冷たいものを食べた時に頭痛を感じる人もいる。この症状を「アイスクリーム頭痛」と呼ぶが、これは冷たいものを食べることによって喉元が冷やされた時、体は体温を維持しようと血流量を増すために血管が拡張して引き起こされる頭痛である。これを防ぐには、なるべく急激な血管の拡張が起こらないよう、冷たいものはゆっくりと食べるようにするのも1つである。職業的毒素では、一酸化炭素硝酸塩などが頭痛を起こす。他に、強い光、香水、エルゴタミン製剤からの離脱時、ステロイド、空腹なども頭痛を起こす。
感染による頭痛
脳膿瘍脳炎髄膜炎肺炎球菌感染症、インフルエンザ菌感染症、伝染性単核症風邪などあらゆる感染症は頭痛を起こしうる。
恒常性の障害による頭痛
低酸素血症、高二酸化炭素血症、低血糖透析月経経口避妊薬妊娠褐色細胞腫、失望などのストレスなどは頭痛を起こす。
頭蓋、頸部、眼、耳鼻、副鼻腔、歯、口腔などによる頭痛・顔面痛
中耳炎緑内障副鼻腔炎、眼の屈折異常、齲歯歯髄炎、変形性頚椎症など。
精神科的頭痛
不眠症うつ病双極性障害なども頭痛の原因である。
二日酔いの頭痛

アルコール飲料を飲み過ぎた場合に起こる頭痛で、二日酔いの代表的な症状としてもよく言われる。二日酔いの頭痛の原因については様々なものが複雑に絡み合っていることもあり一概に断言はできないが、主なものをあげると以下のものがある。
アセトアルデヒド
アルコール飲料を飲み過ぎると肝臓などで完全にアルコールが代謝できずにその中間生成物である
アセトアルデヒドが体内に多量に存在するようになり、血液の流れによってそれが脳に到達すると、脳内ではそれを中和するためにより酸素を多く取り入れようと血管を拡張させるため、それに伴って周囲の神経が刺激されて頭痛として感じられるというもの
脳の髄液圧低下
脳は、頭蓋骨内部の髄液の中に浮かぶ形で存在する。アルコールが体内に取り込まれると、その高い浸透圧によって体内で保持している水分が失われるが、この時に髄液中の水分も失われて低圧状態になる。これによって脳周囲の神経や筋肉が刺激を受けて頭痛として感じられるというもの(低髄液圧症候群)

なお、どのアルコール飲料をどの程度飲めば頭痛が起こるということには個人差があるようだが、同一量を飲むと想定した場合、アルコール代謝能力が低い人ほど、アルコール度数が高い飲料ほど頭痛を起こしやすいとも言える。なお赤ワインは、チラミンを含有するぶんだけ頭痛を起こしやすい。
治療と予防

基本的に頭痛の治療は薬物などによる対症療法が行われることが多いが、脳の疾患がある場合はその原因を取り除く治療も行われる。


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