音高
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また音高と同時に、ヒトは音に対して循環性を感じる(いわゆるオクターヴ感覚)[8]。これはトーンクロマあるいはトーンクラスと呼ばれる[9](音高と合わせ音楽的ピッチあるいは旋律的ピッチとも[10])。
音高の知覚

音の丁度可知差異 (jnd; Just noticeable difference) は約5セント(半音の5/100)である。しかし、この値は音域によって異なり、音を同時に鳴らした場合にはより精密となる。人が感じる音高は音の大きさ音域そして音色に影響されるといわれる。周波数成分が複数ある音(自然界や楽器の音は全てそうである)から、人間がどのようにして音高を捉えているのかは、はっきりとは分かっていない。人間におけるその他の刺激と同様に、音高の知覚についても、ヴェーバー‐フェヒナーの法則によって説明することができる。可聴域の下限に近い音は高め、上限に近い音は低めに聴こえる。一般に大きい音ほど(僅かだが)高めに聴こえ、低音域では音の振幅が大きくなるほど、音高は低く知覚される。また、倍音の多い(強い)音ほど高めに聴こえる。.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}.mw-parser-output .listen .side-box-text{line-height:1.1em}.mw-parser-output .listen-plain{border:none;background:transparent}.mw-parser-output .listen-embedded{width:100%;margin:0;border-width:1px 0 0 0;background:transparent}.mw-parser-output .listen-header{padding:2px}.mw-parser-output .listen-embedded .listen-header{padding:2px 0}.mw-parser-output .listen-file-header{padding:4px 0}.mw-parser-output .listen .description{padding-top:2px}.mw-parser-output .listen .mw-tmh-player{max-width:100%}@media(max-width:719px){.mw-parser-output .listen{clear:both}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .listen:not(.listen-noimage){width:320px}.mw-parser-output .listen-left{overflow:visible;float:left}.mw-parser-output .listen-center{float:none;margin-left:auto;margin-right:auto}}シェパード・トーン(シェパード音階)の例Shepard scale diatonic Cこの例ではハ長調の上昇音階として演奏。この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。シェパード=リセのグリッサンドの例A descending Shepard?Risset glissandoシェパード・トーンを音階ではなくグリッサンドに拡張したもの。この例では下降形で演奏。この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。

他の人間の感覚と同様に、聴覚にも錯覚錯聴)が存在し、それにより、音高の相対的な知覚が惑わされる場合がある。これには、「三全音パラドックス(英語版)」などいくつかの例があるが、最も特筆すべきなのは「無限音階(シェパード・トーン)」である。これは、連続の、あるいは不連続の特別な音のスケールが、無限に上昇または下降し続けるように知覚される現象である。
基準ピッチ

中央の1点ハ音(ド・C4・c')の上の1点イ音(ラ・A4・a')は、1939年にロンドンで行われた国際会議で440 Hzとされた(通常 "A = 440 Hz" か "A440" と記される)。しかしベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団では A = 444?445 Hzが基準とされている[11]。日本では、戦後の1948年に9年遅れでA = 440 Hzを導入したが、以前は、1859年のパリでの会議、1885年のウィーンでの会議で定められたA = 435 Hzを標準としていた。現在の日本ではオーケストラや演奏会用のピアノは A = 442?443 Hzとなる場合が多い。歴史的な演奏ピッチについては「古楽器#古楽器の調律」を参照
トーンクロマ

上述のようにヒトは音に対して循環性を感じ、この心理的特性はトーンクロマあるいはトーンクラスと呼ばれる。トーンクロマは音波の物理的性質である調波構造(倍音)と深い関係をもつ。例えば100Hzの音と200Hzの音は、異なる音高を持ちつつ同じトーンクラスに属する音として知覚される[12]

ヒトの可聴周波数は20~20kHzである一方、トーンクロマは30~4,000Hz(約7オクターブ)という限られた範囲でのみ成立する[13]。音楽的にもこの範囲に音域を限定した楽器が多い(c.f. 88鍵のピアノの音域外の音)。

トーンクロマの実在は絶対音感に関する実験から実証されている。被験者へ音を提示し、そのオクターブとトーンクラス(例: 2オクターブ目のド)を回答させる。トーンクラスが実在しない場合は1次元のピッチ(ハイト)のみで判定が行われるため、誤答は各トーンクラスに散在するはずである。しかしいわゆる絶対音感を持つ被験者では誤答のほとんどが1オクターブ上か下の同じトーンクラスに集まる事が知られている(オクターブエラー)[14][15]。これはオクターブ単位で繰り返す感覚、すなわちトーンクラスが存在することを示唆する(存在≠生得的、に注意されたし)。
オクターブ感覚

オクターブ感覚は1オクターブの上下に対して感じる、元の音に戻る感覚である[16]。すなわちヒトがトーンクロマに対して感じる感覚である。
脚注[脚注の使い方]^ "音の高さ,ピッチ 聴覚にかかわる音の属性の一つで,低から高に至る尺度上に配列される。" JIS Z 8106:2000
^ "ピッチは音の高さに対応する心理量であり" 森勢 (2011). 2-2 基本周波数推定. 電子情報通信学会『知識の森』.
^ "高さの心理量として,比率尺度であるメル(mel)があり" 二階堂 (1980). 音の物理量と心理量. 計測と制御 Vol.19, No.3.
^ "メル 音の高さの単位。正面から提示された,周波数1000Hz, 音圧レベル40dBの純音の高さを1000メルとする。" JIS Z 8106:2000
^ "被験者が1000メルのn倍の高さと判断する音の高さがn×1000メルである。


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