音符
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この場合、おおむね19世紀初期の作品までは、必ずしも0.75:0.25、すなわち3:1の割合に分かれず、2:1、5:1、7:1といった割合で演奏すべきものがある。また、6拍子、9拍子、12拍子、18拍子、24拍子といった複合拍子で1拍の長さを表すためにも使われる。

古い楽譜では、点そのものに元の音符の0.5倍の長さの音価があるかのように、点を元の音符の長さだけ離して書いたものがある。この場合、付点を上または下にずらすことはしない。

付点休符(ふてんきゅうふ)は付点音符と同様に、休符の右側に点を付すことによって、元の休符の1.5倍の長さを表すものであるが、実際に多用されるのは付点8分休符・付点16分休符などで、付点2分休符や付点4分休符などはあまり使われない。

付点音符・付点休符に対して、付点の付いていない音符・休符のことを単純音符・単純休符という。
複付点音符・複付点休符

複付点音符(ふくふてんおんぷ)は、符頭の右に点を2つ付すことによって元の音符の1.75倍 (1+1/2+1/4) の長さを表すものである。符頭の右に点を3つ付すことによって、1.875倍 (1+1/2+1/4+1/8) の長さを表すこともある(これを「3重付点音符」と呼ぶこともある)。同様にn個付すことによって、(2-1/2n)倍の長さを表すこともある。しかし実際には付点が3つ以上付いた音符が使われることはまれである。(ショパンの「24の前奏曲」第3番ト長調に3重付点音符の用例がある。また、リストの「パガニーニ大練習曲」第2番には4重付点音符の用例がある。)

複付点休符(ふくふてんきゅうふ)も複付点音符と同様の基準によるが、実際には滅多に使われない。

4分音符を1としたときの音価種類単純音符(休符)付点音符(休符)複付点音符(休符)3重付点音符(休符)
マクシマ32485660
ロンガ16242830
倍全8121415
全4677+1/2
2分233+1/23+3/4
4分11+1/21+3/41+7/8
8分1/23/47/815/16
16分1/43/87/1615/32
32分1/83/167/3215/64
64分1/163/327/6415/128
128分1/323/647/12815/256
256分1/643/1287/25615/512
512分1/1283/2567/51215/1024

連符(連音符)

上記システムでは、基本的な音符を、2等分、4等分、8等分、16等分....2n(nは正の整数)等分することはできるが、3等分、5、7等分、9?15等分....することはできない。また3拍子、6拍子、9拍子....などにおいて、付点音符を4等分、8等分、16等分....するときにも連符を使わなければ表記が複雑になる。そのような音価を表記するために、連符(れんぷ、連音符(れんおんぷ)とも)が用いられる。

基本的な音符を3等分するためには、3連符を用いる。原音符の2分の1の音価の音符を3つ並べ、3の数字を付す。

基本的な音符を5、7等分するためには、5、7連符を用いる。原音符の4分の1の音価の音符を5、7個並べ、5、7の数字を付す。

基本的な音符を9?15等分するためには、9?15連符を用いる。原音符の8分の1の音価の音符を9?15個並べ、9?15の数字を付す。ただし、9連符は3連符の3連符として書かれる場合、原音符の4分の1の音価の音符で書かれることになる。

以後、同様に基本的な音符を2n+1?2n+1-1(nは正の整数)等分するためには、原音符の2n分の1の音価の音符を2n+1?2n+1-1個並べ、2n+1?2n+1-1の数字を付してこれを2n+1?2n+1-1連符とする。

付点音符を等分する場合も同じく、4?5連符は原音符の3分の1の音価の音符を4?5個並べ、7?11連符は原音符の6分の1の音価の音符を並べ、13?23連符は原音符の12分の1の音価の音符を並べ....としていく。

まれに、1拍の長さを表す付点音符の3分の2の音価の音符を2つ並べて1拍を2等分する2連符が用いられることがある。例えば、付点4分音符を2等分するのに、付点8分音符2つではなく、4分音符2つを並べた2連符を使うという具合である。主にフランスで用いられた記法であるとする
楽典のテキストもある。

いずれの場合も、原則として実際の音価より長い音符の中で一番近いものを使う。また連符の中で音符に休符が混じったり、連符によって生じた単位が結合あるいは更に細分(場合によっては2重以上の連符)されたりすることもある。

複雑なケースとしては、分割前の元の音の長さが基本的な音符や付点音符1つで表せないような場合、付す数字に「:」の記号を使う場合がある。例えば、8分音符5個分の長さを6等分する場合には、表記としては8分音符を用い、付す数字の部分は「6:5」、あるいは分割前の元の音の長さを明示して「6:5♪」と表記する。

下の図で 最初の連符はその合計の音価が2分音符 2つ目以降は全て4分音符である。
その他の長さの音符

その他の長さを正確に書き表すためには、音符の場合にはタイを用いて音価を結合する。休符の場合には、単に並べるだけである。また音符・休符の長さが算術的に1つの音符・休符で表せる長さである場合も、拍子感が一見して分かるように複数の音符を用いてタイで音価を結合するまたは複数の休符を並べることがある。
音符の一覧



マクシマ音符

ロンガ音符

倍全音符

倍全音符(別形)

全音符

2分音符

4分音符

8分音符

16分音符

32分音符

64分音符

128分音符

256分音符

休符の一覧



マクシマ休符

ロンガ休符

倍全休符

全休符

2分休符

4分休符

8分休符

16分休符

32分休符

64分休符

128分休符

256分休符

音符・休符の文字コード一覧
JIS X 0213に収録されているもの

日本語の文字コードを定めたJIS X 0213に規定されている音符類の記号の、対応するコードおよび名称を示す(JIS X 0213コード順)。

記号UnicodeJIS X 0213文字参照名称
♯U+266F1-2-84♯
♯MUSIC SHARP SIGN
♭U+266D1-2-85♭


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