音楽
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ヨーロッパでは古くは王侯貴族や教会などが音楽家を保護し、そのなかで数々の名曲が生み出されていたが、18世紀頃よりヨーロッパにおいては市民の経済力が向上し、不特定多数の聴衆に向けての演奏会が盛んに行われるようになった[18]。この傾向はフランス革命(1789年)以後、上記の特権階級の消滅や市民階級の経済力向上(貴族に代わるブルジョワ市民の台頭)に従ってさらに加速していった[19]

また、16世紀には活版印刷の発明によって楽譜も出版されるようになった。印刷楽譜はそれまでの書写によるものより量産性・正確性・価格のすべてにおいて優れたものであり、音楽、とくに同一の曲の普及に大きな役割を果たした[20]。楽譜出版は、19世紀には商業モデルとして確立し、音楽産業の走りとなった[21]

19世紀末までは自分で演奏を行う場合以外は音楽を楽しむには基本的に音楽家が必要であったが、1877年にトーマス・エジソン蓄音機を発明し、次いで1887年エミール・ベルリナーがこれを円盤形に改良し、ここからレコードが登場すると、音楽そのものの個人所有が可能となり、これにより各個人が家庭で音楽を楽しむことも可能となった[22]

次いで、1920年代ラジオ放送が開始されマスメディアが音声を伝えることも可能になるとすぐに音楽番組が開始され、不特定多数の人々に一律の音楽を届けることが可能となり、音楽の大衆文化化が進んだ。そしてその基盤の上に、音楽の制作や流通、広告を生業とするレコード会社が出現し、大規模な音楽産業が成立することとなった。その後、テレビなどの新しいメディアの登場と普及、カセットテープや1980年代のコンパクトディスクの登場など新しい媒体の出現、1979年に発売されたウォークマンのような携帯音楽プレーヤーの登場などで音楽愛好者はさらに増加し、音楽産業は隆盛の一途をたどった。

音楽産業隆盛の流れは、1990年代後半にインターネットが普及し初めてから変化しはじめた。インターネットを介した音楽供給はそれまでのように音楽を保存した物理的な媒体をもはや必要とせず、物として音楽を所有する需要は減少の一途をたどった。一方で、音楽祭演奏会はこの時期を通じて開催され続けており、ライブなどはむしろ隆盛を迎えているなど、音楽産業を巡る環境は変化し続けている[22]
要素
音の要素
音には、基本
周波数(音の高さ、音高)、含まれる周波数(音色和音など)、大きさ(音量)、周期性(リズム)、音源の方向などの要素がある。
西洋音楽における三要素の概念

上記の要素に関連して、いわゆる西洋音楽の世界では、一般に音楽はリズムメロディーハーモニーの三要素からなる、と考えられている。だが実際の楽曲では、それぞれが密接に結びついているので一つだけを明確に取り出せるわけではない。また、音楽であるために三要素が絶対必要という意味ではない。たとえば西洋音楽以外ではハーモニーは存在しないか希薄であることが多いし、逆に一部の要素が西洋音楽の常識ではありえないほど高度な進化を遂げた音楽も存在する。このようにこれら三要素の考え方は決して完全とは言えないが、音楽を理解したり習得しようとする時に実際に用いられ、効果をあげている。
西洋音楽において和声が確立した音楽におけるメロディ
メロディ(旋律)は特に和音の構成によってなされており、和音は周波数のおよそ整数比率によって発生する。
音の発生方法
を発生する方法には口笛、手拍子、楽器などがある。西洋の伝統的な分類法においては楽器は息を吹き込む管楽器[注 2]、弦を振動させることで音を出す弦楽器[注 3]、そして楽器そのものを打ったり振ったりして音を出す打楽器太鼓など)の3つに分類される。楽器は地域的な特色が強く出るものであり、西洋音楽の普及によって西洋起源の楽器が世界中に広まっていった後も、世界各地にはその土地ならではの特徴的な楽器が多く存在し、同じ楽器でも使用する素材が異なることも珍しくない[23]
音楽行為

音楽行為に関しては、現代では一般的に「作曲」「演奏」「鑑賞」が基本として考えられている。作曲とは、作曲者の心に感じた事を音によって表現することである。演奏とは、再現芸術ともよばれ、作曲された音楽を実際に音として表現する行為であり、原曲を変え(=編曲)つつ演奏したり、声楽曲を器楽曲に変える(編曲)等した上で演奏する行為も演奏行為とされる。(#演奏)。鑑賞とは、音楽を聴いてそれを味わったり、価値を見極めたりすることである。
作曲詳細は「作曲」を参照

作曲とは、曲を作ること、あるいは音楽の次第を考案することである。具体的には、楽譜を作成することもあれば、即興演奏という方法で楽譜制作は抜いて、作曲をすると同時に演奏をしていくこともある。また、作曲者は楽譜を作るにあたって、様々な音を形で表したもの(いわゆる音符や記号など)を五線譜に従い、その音を置くことによって、リズムのある「音楽」に仕上がる。
演奏詳細は「演奏」を参照

演奏とは、実際に音を出すこと、つまり音楽を奏でることであり、楽器を奏することだけでなく、広義にはを歌うことも含まれる。演奏には即興演奏もあれば、譜面に従った演奏もある。中でもジャズでは即興演奏が多用される一方で、クラシック音楽では通常は譜面の音符の通りに演奏されている。真に機械だけによる演奏は自動演奏と呼ばれている。
鑑賞

音楽鑑賞とは、ひとが行った演奏を自分の耳で聴き、それを味わうことである。また音楽作品を聴いてそれの「品定め」することを指す場合もある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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