防疫上の措置により14日間の隔離を覚悟で、投票のために留学先の日本から高雄へ戻った学生もいた[153]。
韓陣営は規定の最低投票率25%に達しなければ投票自体が無効になることを意識してか、支持者に投票へ行かないように呼び掛けていた[154]。また投票所については市内1,823ヶ所を予定し、大部分は公立学校だったが[注釈 5]、新型コロナの防疫を理由として市政府教育局が貸し出しを拒否するなどで5月5日時点で約500ヶ所の不足が懸念されていた[155]。しかしそうした措置を無視して投開票所を設置する学校もあり[156]、数日で確保に成功すると、政治学者の范世平(中国語版)は高雄市民を称えた[157]。しかし300ヶ所については2018年の市長選時から場所が変更されており、罷免を主導する市民団体は投票率を下げようとする市長の妨害だと非難した[158]。
5月30日に行われた罷免説明会(通常の選挙での政見放送に相当)には被罷免者も原則出席することになっていたが、欠席した[159]。 2020年6月6日、罷免投票において、高雄市有権者数の25%以上である93万9090票が罷免同意に投じられ、高雄市長を罷免されることが決定し、2020年6月12日をもって罷免された[160]また、公職人員選挙罷免法により高雄市長に再立候補することが4年間できない。日本の政治学者小笠原欣幸は「韓と国民党の自滅」と分析している[161]。 年初の総統・立法委員選で全国最高の投票率80%超を記録した橋頭区では、今回も唯一50%超を記録し、同じく北部の梓官区および大社区も47%台と全市平均より高い投票率だった。一方山間部の3区ではいずれも投票率は1桁だった[162]。 罷免成立の6日夜、高雄市議会の議長許崑源 2024年1月の第十一回中華民国立法委員選挙で比例代表名簿順位1番として立法委員に返り咲いた[166]。同年2月1日に就任し、同日に立法院長に選出された[167]。
投票結果
余波
2024年中華民国立法委員選挙・立法院長へ
発言
2019年2月、「早稲田大学が高雄に高等部の分校を設立するつもりだ」と公言していたが、同年4月、早稲田大学側は自由時報からの問い合わせに対し、「(台湾での学校設立について)現在、特に予定はありません」と否定している[74]。
2019年3月6日、工商協進会での講演で「フィリピンから英語の話せる人材を教師として招き入れてはどうか」という意見が出た際、「それはおそらく高雄市民と台湾人にとって大きな衝撃となるはずだ」、「マリアがどうして先生に?[注釈 6]」と発言した[169]。これに対し、マニラ経済文化?事所(台湾におけるフィリピンの外交機関)は「フィリピンは世界で4番目に英語が使用されている国であり、人口の92%が英語を第二語言としている」と説明した上で、「マリア」という言葉がマイナスの意味合いで使われたとして深い遺憾を表明した[170]。
2019年5月22日、米中貿易戦争における台湾の役割について問われた際、「多くの人たちは台湾が国連加盟国でないことを最悪に不利だと思っているが、私はむしろ有利だと考えている。なぜならヨーロッパのスイスも国連加盟国ではないからだ」と発言した[171]。(スイスは2002年から国連に加盟している)
2019年6月14日、民視新聞のインタビューで「台湾には『黒韓』(韓の顔に泥を塗る、恥をかかせるの意)の産業チェーンがある」、「彼らはキーボードの後ろに隠れて、金をもらって仕事をしている」と述べ、「雜碎」、「?種」などの卑罵語を用いてこれを強く批判した[172]。同年9月8日、新北市で開かれた自身の決起集会でも「他??的」、「恁?等?」といった卑罵語を用いて「黒韓」を批判した[173]。いずれの発言も一部メデイアは伏せ字や自主規制音を用いて報道している。また同年6月23日、台北市で親中メディアに反対する大規模なデモが行われた際には「『黒韓』の産業チェーンは週休2日にして土日くらいは休業したらどうか」と皮肉交じりに述べた[42]。
2019年7月、中天電視の政治評論番組にて「初めての投票は22歳のときで民進党に投票した」と発言したが、韓国瑜が22歳だった1979年当時に民進党はまだ結党されておらず(民進党は1986年に結党)、民進党支持層および白色テロ犠牲者の歓心を買うものと批判を受けた[174]。
2019年7月23日、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の大橋光夫会長と面会したのち、「(大橋会長から)訪日を要請され、受け入れを表明した」[175]と報道陣に語ったが、同月25日に交流協会側はこれを否定し、「訪日を検討しているとの話が先に韓氏からあり、それに対して大橋会長が歓迎を表明した」[176]と釈明した。 なお、訪日は同年10月の予定だったが、8月4日、市内の台風被害やデング熱への対応優先を理由に中止している[177]。
2019年8月12日、自身のFacebook上で「市長就任以来、一度も麻雀も打っていない」とつづったところ、その2日後、2月の旧正月の休暇中にバリ島のホテルで家族と麻雀を打っているとされる写真が民進党の林智鴻によって公開された[178]。15日、これについて会見で「高雄では一度も打っていない」と釈明し、「(画質から判断して)携帯電話ではなくプロ仕様のカメラで撮られたもののようだ。国家機関が監視しているのではないか」と疑問を投げかけたが、林智鴻は「撮影に使用されたのはSamsung Galaxy S9だ」と反論した[179]。なお、18日に新竹市で行った決起集会では「正月に家族と賭け事のない麻雀を打つのは積み木遊びのようなものだ」と述べた[180]。
2019年8月28日、「青少年の52%は薬物に汚染されている」と発言したが、警察機構を管轄する内政部は「警政署の統計では違法薬物服用者のうち未成年者は過去2年とも1%に満たない」と即座に反論した。これに対し、韓は「市毒防局の統計による『爪楊枝やインスタント麺に含まれる有害物を経口摂取して汚染された若者』の割合を指したものだった」と釈明した[181]。
2019年8月29日、自身のFacebook上でライブ配信した政策座談会の中で、「高度人材の海外流出が止まらず、労働力だけが台湾にやってくることが問題になっている」と見解を示した際、その現状を「鳳凰が皆飛び去った後、一群のニワトリがやってくる」と喩え、同席していた自身の国政顧問に「差別はいけません。労働力も人間です」と制止される一幕があった[182][183]。なお、同座談会では「今夜、新住民(移民)の生活を理解するために新住民の家に宿泊する予定だ」[182]と述べていたが、翌日、疲労のために宿泊を急遽キャンセルしたことを明らかにした[184]。9月4日、「ニワトリ」は「非合法な仕事に従事している移民」を指したものだったと釈明し、税関からそういった問題について陳情を受けていると述べた。これに対し、移民署は「移民労働者は税関の管轄ではない」と指摘し、さらに新住民団体の東協経貿文化交流協会が「彼らは台湾で搾取を受けた末にそういう選択をしたのであって、自ら望んだ者はいない」と声明を発表し、謝罪を求めた[185][186]。
2019年9月27日、自身のFacebook上で「私が小さい頃は多くの親が自分の子供に『コンピュータゲームをやるな』と言っていた」と述べたが、台湾でコンピュータゲームが発売されたのは1977年であり、1957年生まれの韓国瑜の幼少時代にコンピュータゲームが存在しなかったことが指摘されている[187]。
2019年10月28日、彰化市で行われた自身の応援集会で、民進党の蔡英文総統、林右昌