市川伸一(認知心理学者、教育心理学者)は和田秀樹(精神科医)との対談において[15]東京大学理科III類の面接試験導入に決して賛成ではない、との自身の考えを明らかにしている。その理由として、「短時間の面接で、そこまで人を見抜くことはできないと思うからです」と言い、「面接対策などは、学校が「面接の心得」くらいのものを渡して一、二度練習するくらいのことで充分だと思っています。」と述べている。
それを受け、和田秀樹は面接試験導入時の医学部長の「教えたい人間だけを採りたい」という発言を「薄気味悪いほどの自信」と称しつつ、「ああいう人を見ているから余計に面接に不信感を持ってしまうのです」、「われわれ精神科医から見ると、あれだけ人物評定に自信を持っているのを見ると、むしろ選ぶ側がパラノイアなのではないかと心配するわけです。」と酷評している。
和田の発言に対し、市川は「社会心理学の内容にもからむ話」と断りつつ、「ほとんどの人は、『自分には人を見る目がある』と思い込んでいる」「ある程度知的な人は、ますますそうでしょう。「ちょっと見れば、どんな人であるか、どんな人になるか、高い確度で推測できる」と。」と述べ、面接試験の確度に疑問を呈している。
それらの対談の総括として、和田は「会社の入試面接など」も同様であろうと言いつつ、「現在崩れつつあるとはいえ、終身雇用社会の日本で、不完全な面接の犠牲になってチャンスを摘まれてしまう人がたくさんいるのは残念なことですね。」と述べ、現行の面接重視の採用試験を批判している。
面接希望者だけが言動に気をつけるのではなく、企業側も言動には十分注意しなければならない。面接担当者が面接希望者に不採用をすでに決めているということを前提として無礼な振る舞いをしてしまうことが多い(容姿のことを言う、自分たちの職業内容のことを話さず一方的に不採用を言い渡す、面接希望者に「志望の動機は何ですか?」などと振っておきながらまったく聞く姿勢を見せないなど)。まだ採用していない状況下では、面接希望者はあくまでも「お客様」であることを忘れてはいけない。面接時にあまりにも無礼に振る舞うと面接希望者は不快感を覚え、それが短期間の間に広まってしまう(最初こそは面接時に無礼な振る舞いをされたと言っていても、次第に“あそこの会社の対応が悪い”と簡略された言葉になってしまい、いつの間にか企業の評判の低下・信頼の低下につながってしまう)。
服部泰宏によれば、面接による選考は科学的に妥当性が低いとしている[16]。 上記のように面接についての懐疑的な見解もあり、「非効率」「求める人材を見落としてしまう」などの理由から、近年では面接を廃止する企業も増えている。[どこ?][要出典] 面接調査では、試験とは違い何らかの可否を決定するものではなく、個人を通して様々な情報を収集するために行われる。いわゆる「街頭アンケート」や「市民の声」などはその卑近な例であるが、面接調査では無作為に抽出した者に対する場合と、あらかじめ選抜した者に対する場合もあるが、どちらも面接相手を通して様々な事象に対するデータを収集するのが目的である。 このデータは統計的な手法で扱いやすいよう、あらかじめ定型の質問が設定されていることも多いが、例えば所定の質問に対してある方向が示されたら、その方向でさらに次の設問を用意するなど、いくつにも分岐している質問が用意される場合もある。また、詳細を得たい質問には、対話を通して相手が何を思っているかなどをより詳しく説明するよう促す場合もある。ただ、質問の仕方では回答者の答えが質問者に誘導されてしまうこともあるため、あらかじめ設問の内容はよく配慮する必要がある。
面接を廃止する企業
面接調査
脚注^ Brinkmann, Svend (2014), Teo, Thomas, ed. (英語), ⇒Interview, Springer New York, pp. 1008?1010, doi:10.1007/978-1-4614-5583-7_161
^ Weston, Daniel (2022-06). “Gatekeeping EpiSTEMic territories: Disciplinary requirements in Engineering and Natural Sciences undergraduate admissions interviews at the University of Cambridge”
この項目は、教育に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(P:教育)。