静電気
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生活の乱れから血液中のマイナスイオンが不足している状態になっていると、自然とマイナスの電気を呼び寄せる帯電体質になりやすい[1]という言説があるが、そもそも「帯電体質」というほどの個人差はないとされる[3]

なお、帯電した物体は埃や塵を吸い寄せるため、美観を損ねるなどの影響もある。
イヤホン、ヘッドホンへの影響

イヤホンから、微弱な電気ショックが発生する可能性がある[4][5]。空気が乾燥している場所や、合成繊維などの特定の素材を身につけている状態で、ハードウェアに静電気が帯電した場合、イヤホンを通して微弱ながら電気ショックがある。
静電気による事故自然放電

通常は流れる電流も小さく生命機能に影響を与えることは少ないが、可燃性液体や気体(可燃性蒸気も含まれる)、火薬などを扱う場所で火花放電が起こると、引火による爆発や火災などの大事故になり得る。
ガソリンスタンドでの引火事故セルフ式のガソリンスタンドでは、揮発した可燃性蒸気(ヴェーパ)が突然に発火する現象が発生する場合が有る。客の乗降時の着衣等における静電気蓄積による火花等が原因とされ、注意がうながされている[6]。ガソリンスタンド従業員は帯電防止の着衣等の対策をしているためにこうした事故はおこりにくいが、一般客の場合は給油前に給油機に貼られている放電プレートに触れる事が指示されており、事故防止の対策として実施されている。日本では2005年に客が除電後に店員を捜し回り、その後、給油を再開したところ再び静電気を帯電していたため静電気放電が起きてガソリンに引火した事故が起きている[1]。かつては自動車自体が帯電し静電気の原因となっており、アースベルトにより静電気を逃がすといったことも行われていたが、現在ではタイヤが導電性の高いものになっており自動車が帯電することは見られなくなった。
集塵機での出火事故鉄粉を集塵機に吸引中に鉄粉とフィルターとの摩擦により静電気のスパークが生じて出火する事故が起きている[1]
可燃性混合気への引火事故酢酸エチルの小分け作業中に静電気放電による火花が酢酸エチル蒸気に引火し拡散燃焼する事故が起きている[1]
人工衛星人工衛星の場合は、太陽活動が活発な時期に高エネルギー電子等の影響で衛星が帯電して、放電が起きることにより、衛星が全損する例もある(1973年のDSC-II、1982年のGOES-4、1991年のMARCUS‐A、1997年のINSAT‐2Dなど)。このような被害を防止するためには、設計・組み立て段階で各機器や断熱カバーの接地を念入りに行っておく必要がある。
静電気対策
帯電防止対策

静電気対策は帯電防止対策が基本となる[1]。一般向けには静電気対策グッズ等が販売されている[1]
接地
接地設備の設置や帯電防止服の着用など[1]
帯電防止
加湿、作業物の所定時間の静置、帯電防止剤の使用など[1]
除電
除電装置(交流式、自己放電式、高周波コロナ式)の使用など[1]
防爆対策
不活性ガスの利用など[1]
製造現場における静電気対策

ICなどの半導体部品や液晶は静電気による高電圧が素子を破壊する恐れがあり、静電気によるほこりの付着も嫌う。電子機器や半導体部品や電子部品、HDD(ハードディスクドライブ)、液晶などの生産現場には静電気を発生させない対策や静電気を漏洩させる対策や、静電気を除電中和するイオナイザーをはじめ、様々な静電気対策が施されている。

また、作業員自身の静電気対策として静電気が起こりにくいような服装をしたり、リストストラップや静電気対策床と静電気対策靴を用いて体の一部を電流制限抵抗成分を介しアースに接続しておくなどの対策も行われている。一般家庭において、PCの内部を触るときなども、電子部品に触れる前に筐体の金属部分に触れるなどして静電気を逃がすのが安全である。筐体の金属部位を触った瞬間は人体の電位と電子機器の筐体の電位差が無くなるが、人体に対して何も静電気対策していない場合、筐体から手を離した次の瞬間には、人体の衣服などによる摩擦帯電等の静電気帯電が始まり、非常に危険である。電子機器の内部などを手で触れる場合は必ず人体の静電気対策としてリストストラップの着用が必須である。ホビーとして各種の電子回路などを扱う際にも静電気には留意するべきであり、アースのためのクリップ付きコードを接続するリストバンドや静電気帯電防止靴(安全靴)などが市販されている。

小麦粉の製造やカーボンブラックの製造でも粉塵爆発は静電気によるものが殆んどで往々にして大被害を起こす。
出典^ a b c d e f g h i j k l m防災調査の現場から 第11回 日立保険サービス、2020年2月13日閲覧。
^ Niels H. de V. Heathcote (December 1967). “The early meaning of electricity: Some Pseudodoxia Epidemica - I”. Annals of Science 23 (4): 261. doi:10.1080/00033796700203316. 
^ バチッと痛い静電気 帯電体質の真実や静電気の原因・対処法を専門家に聞きました - at home VOX(アットホームボックス) 2020年11月6日閲覧
^ “Apple earbuds and static electricity” (英語). Apple Support. 2021年1月26日閲覧。
^ “iPodとiPhoneのイヤフォンから静電気 Appleが注意喚起”. ITmedia NEWS (2009年5月20日). 2021年1月26日閲覧。
^米国セルフスタンドの火災 - 危険物保安技術協会ホームページ 2011年11月4日閲覧

関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、静電気に関連するカテゴリがあります。body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper{margin-top:0.3em}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ul,body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ol{margin-top:0}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper--small-font{font-size:90%}

ウィリアム・ギルバート (物理学者)

界面活性剤(市販の静電気防止剤の成分)

クーロン力(静電気力ともいう)

静電誘導

接地

帯電列

複写機

放電

放電索

摩擦帯電

誘電体

誘電分極

静電シールド

ミスト散布 - 抑止対策として

静電気学 - 静電気学会

避雷針

消雷装置

大気電流発電

帯電防止装置(英語版)

帯電防止剤 静電気防止スプレー等

帯電防止膜

帯電防止袋

導電性繊維(英語版) 静電気防止ブレスレットや静電服に使われる素材










地球電気・地球磁気(地球電磁気学
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