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このようなことから、日本語の青を表す言葉の色度範囲は?青緑?青?青紫まで幅が広いほか、一部「くろ」(暗色)と重複する(『青毛の馬』など)。

片山龍峯が考察した一説として、日本語のアオは「アフ=会う・合う」、または、その連用形の「アヒ=間(隣合うの意)」と関連した語であり、アイヌ語のアフ(会)の他界観とも関連するものと捉えられている。龍峯によれば、アオとは黒と白の範囲の中間色を意味する「間(アヒ)」からきているとされ(龍峰はさらに現世と他界の中間の意についても触れている)、沖縄でも青はこの「アヒ(間)」から派生した語であるとしている。したがって、大和・アイヌ・琉球における「アオ」の語源の流れは同じところから派生したものと考察している[9]
光源色としての青

Blue (webcolor)
 16進表記#0000ff
光の三原色。左の円が青(ブルー)

青 (Blue) は光の三原色のひとつで、カラーモニターやウェブサイト上で用いられ、 (Red)・ (Green) と共に使われるためRGBと呼ばれる。この場合の青はRGB値で表すと(R, G, B) = (0, 0, 255)

で表され、ウェブブラウザでBlueと指定したときは、16進数を用いて#0000FFとして定義される(右図)。色合いとしては日本語の「青」からイメージする色合いよりもやや紫みを帯びた濃い青色(群青色)である。

ウェブカラーとしてはさらにLightBlue、MediumBlue、DarkBlueの三色が以下のように定義されている。

LightBlue (webcolor)
 16進表記#ADD8E6

MediumBlue (webcolor)
 16進表記#0000CD

DarkBlue (webcolor)
 16進表記#000080

物体色としての青
印刷技術における青

現在の印刷で使われ青はシアンと呼ばれる。プロセスカラーのシアンには最もよく使われるのは銅フタロシアニンのβ結晶であるPigment Blue 15:3で、これの分散性能を高めたものが、Pigment Blue 15:4である。どちらも、銅フタロシアニン青としては緑味である。また、光の三原色の青に色合いが似た色は、シアンマゼンタでも作ることができるし、「特色」として別の色を使う方法もある。
JIS規格における青

青(JIS慣用色名
 マンセル値10B 4/14

ブルー(JIS慣用色名
 マンセル値2.5PB 4.5/10

JISの規格では青およびブルーがそれぞれ定義されている。この両者の色は微妙に異なる色として定義されている。実際の色の違いは右の表を参照。
青の色料

は太古より使用されており、現在でも重要な色素染料顔料)である。現在より遥かに高級であった古来の絵画などで、美しい紫青色を出す顔料には半貴石ラピスラズリを原料とした顔料を用いた。これは海の彼方から運ばれてきたのでウルトラマリンと呼ばれ珍重された。その後科学が発達し合成色素、合成顔料が生産されるようになった。1704年ドイツで作られた紺青(プルシャンブルー)は暗い青色顔料であり、最初の合成顔料とされているが、現在でも生産されている。青色顔料として現在最も多用されるのは、葉緑素に似た化学構造を持つフタロシアニン青であり、銅フタロシアニンであるColour Index Generic Name、Pigment Blue15:3などが上述シアンとして使用されている。なおプルシャンブルーやフタロシアニン青より明るい青色顔料としてはコバルト青(アルミン酸コバルト)やセルリアンブルー(錫酸コバルト)、コバルトクロム青、コバルト-アルミ-珪素酸化物 (Oxide Co-Al-Si)、酸化コバルト-亜鉛-珪素(:Oxide Co-Zn-Si)、マンガン青、バナジウムジルコニウム青(トルコ青)等がある。
青色無機顔料
ウルトラマリン青 Ultramarine Blue合成ウルトラマリン青瑠璃(ラピスラズリ)

現在より遥かに高級であった古来の絵画などで、鮮烈で深い青色を出す顔料には半貴石ラピスラズリを原料とした顔料を用いた。この顔料はウルトラマリンと呼ばれ珍重された。フランス・イタリアでは海のかなたから運ばれてきた青色だったのでフランスでは「blue oltremare」と、イタリアでは「blu oltremare」と呼ばれていた。Colour Index Generic NameはPigment Blue 29である[10]
人工ウルトラマリン青 Ultramarine Blue artificial詳細は「ウルトラマリン」を参照

フレンチウルトラマリンとも言われる。極めて高彩度で、いかなる顔料でもこの色は再現できない。
天然ウルトラマリン青 Ultramarine Blue natural

ラピスラズリの原石を精製しウルトラマリン(ブルー)の絵具を作る技術は12、13世紀に発達したとされる。
瑠璃 Lapis Lazuli詳細は「ラピスラズリ」を参照

瑠璃(ラピスラズリ)は精製せずに用いられたこともあった。
岩群青 Mountain Blue藍銅鉱詳細は「藍銅鉱」を参照

アズライト (Azurite) は鉱石の藍銅鉱、つまり塩基性炭酸銅より得られる天然の青色顔料である。15世紀から17世紀中ごろにかけてヨーロッパ絵画で、最も重要な顔料であったことは疑いがない[11]。緑色の塩基性炭酸銅であるマラカイトと共存していることがよくある。他の鉱物性顔料と同様、粉砕したものをよく選別した後、水洗、挽いて粉にし、水簸(すいひ)して製品とする。細かく挽くと淡色になり着色力も弱いので、かなり荒めに引く。粗粒のアズライトは紫青色をしている。絵画におけるアズライトの変色は、ニスによる見かけ上の場合が多い。変色はこの顔料は吸水してマラカイトができることがある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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