青の洞門
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地元住民は「福沢諭吉が土地を買わなかったら青の洞門は残っていなかったかもしれない」と語る[3]

1906年(明治39年)から1907年(明治40年)にかけて陸軍日出生台演習場への輸送路整備のために大改修が行われ、車両が通過できるよう拡幅された。この工事の結果、完成当初の原型はかなり失われたが、明かり採り窓等の一部に手掘りのノミの跡が残っている[2]
恩讐の彼方に洞門のそばにある菊池寛の石碑

1919年(大正8年)に発表された菊池寛の『恩讐の彼方に』は、禅海和尚の逸話を元にして書かれたものである。ただし、この小説では、隧道は樋田の刳貫(ひだのこかん)と称され、「青の洞門」という名称は用いられていない。また、主人公の僧の名は了海とされている[4]
名称

「青の洞門」の「青」とは地区名であり(現在でも「青」バス停が存在)、「(青にある)洞門」という意味の呼び方がそのまま固有名詞化されたもので、完成当時は樋田の刳抜(ひだのくりぬき、用字のみ刳貫とも)と呼ばれていた。江戸時代末期から大正時代にかけて次第に「樋田のトンネル」「青の洞門」などと呼ばれるようになったとされる。1906年(明治39年)の観光案内書『耶馬渓案内記: 天下第一の名勝』では「山陰鑿道(さんいんさくどう)又洞門と呼ぶ」と紹介[5]し、洞門を以降で略語として用いている。同書で青地区については「(あを) 又生(あをふ)と云ふ」「頼翁再遊の帰途即臘月十二日含公と共に一宿せし地(記文 阿保村(あほむら))なれども今其宿舎詳ならず」[6]と、頼山陽が訪問したときの故事を紹介している。1913年(大正2年)の観光案内書『耶馬渓案内記』では伝承を紹介するなかで「之より桟道を樋田の刳貫(ひだのくりぬき)と称し交通頗る便となった」と記し[7]、「耶馬渓洞門 Aonodo-mon at Yabakei.」と書かれたトンネル入口の写真を紹介している[8]1914年(大正3年)の『山水随縁記』には「進んて耶馬渓の入口たるの洞門に至れは、今尚ほ有名なる樋田の隧道を見む。」とある[9]。「青の洞門」が用いられた初期の他例としては、1923年(大正12年)の『尋常小学国語読本 巻十二』や、1942年(昭和17年)の大分県の史跡指定などがある[2]

青の洞門・自動車が通る部分

下流側の手掘りトンネル・奥の窓は最初に作られた明り取り用の窓といわれている

禅海和尚が掘った青の洞門(一部)は徒歩でのみ通行可能

青の洞門

工事中の青の洞門

青の洞門

河川公園にある禅海の像

アクセス

JR中津駅南口より、大交北部バス「耶馬溪(旬菜館)」または「守実温泉」または「豊後森」行き乗車で約25分。「青の洞門」下車すぐ。

なお、各路線とも「青の洞門」から「青の洞門駐車場」間で洞門内を通過する。

大交北部バス「中津駅前(青の洞門方面)」時刻表

大交北部バス「青の洞門(中津駅方面)」時刻表

車では東九州道中津インターチェンジ(IC)から約20分。北九州・福岡方面からはETC搭載車であれば上毛スマートインターチェンジも近い。洞門周辺には無料駐車場がある。

中津インターチェンジより中津日田道路 羅漢寺インターチェンジ約10分。



脚注^ 朝日新聞朝刊福岡2019年10月18日時点 ノミと鎚 刻む労苦30年 青の洞門
^ a b c青の洞門 中津市
^ 朝日新聞朝刊福岡2019年10月18日 ノミと鎚 刻む労苦30年 青の洞門
^菊池寛 恩讐の彼方に 青空文庫
^ 小川古吉 (1906年). “耶馬渓案内記 : 天下第一の名勝”. 2015年8月22日閲覧。
^ 小川古吉 (1906年). “耶馬渓案内記 : 天下第一の名勝 p.36”. 2015年8月22日閲覧。
^ 廣津藤作 (1906年). “耶馬渓案内記 p.79”. 2015年8月22日閲覧。
^ 廣津藤作 (1913年). “耶馬渓案内記”. 2015年8月22日閲覧。
^ 蘇峰学人 (1914年). “山水随縁記”. 2015年8月22日閲覧。

関連項目

大分交通耶馬渓線

大分放送 - アナログ放送の局名告知映像に使用していた。

麻雀のローカル役#青ノ洞門 - 青の洞門に見立てた麻雀のローカル役。

外部リンク.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、青の洞門に関連するカテゴリがあります。


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