なお、育種における母本の選択のストラテジー、WKS82を含む様々なバラの花弁のpH、アントシアニジンの種類や含量、コピグメントとしてのフラボノイドであるフラボノールやフラボノンの存在および量、アントシアニンのアシル化の程度、WKS82以外のものにも同じ遺伝子カセットを導入した場合の花色の写真、などはこの文献に詳しくでている[15]。また、バラの内在性のジヒドロフラボノール-4-還元酵素 (DFR) をRNAiによって抑制し、アヤメのペラルゴニジン合成に特異的に関与できないDFRのcDNAをF3'5'H cDNAとともに導入し、デルフィニジン含量を増加させた結果、より青みの増したバラができたことも報告している。 「青いバラ」が誕生したといっても、花の色は色素とともに働くほかの成分の条件によっても左右されるため、現状では青紫色に近い色となっている。そのため、より青色に近づける研究が現在も進められている[要出典]。 一方でこの「青いバラ」は前述の通り、2008年にカルタヘナ法に基づく一種使用規定承認が得られ、市場での流通および一般圃場での栽培などが可能となったが、遺伝子組換え生物に対する人々の抵抗感は未だ根強いものがあり、そのあたりの調整が普及の鍵になるとされる[要出典]。
問題点
脚注^ 世界初!バイオテクノロジーで「青いバラ」の開発に成功!
^ ⇒サントリーフラワーズ「SUNTORY blue rose APPLAUSE」特設サイト内“About APPLAUSE”
^ ⇒シアニン
^ ⇒ペラルゴニン
^ ⇒フラボノイドの生合成系
^ ⇒アントシアニンの生合成系
^ ⇒F3'5'H
^ ⇒F3'5'Hの酵素反応
^ ⇒A5T
^ ⇒A5Tの反応
^ ⇒デルフィン
^ ⇒デルフィニジン 3-グルコシド 5-カフェオイルグルコシド
^ ⇒「フラボノイド生合成経路を改変したバラ (WKS82/130-9-1, OECD UI: IFD-52901-9) 生物多様性影響書の概要」
^ ⇒農林水産省告示第2788号による、品種登録出願日: 平成16年11月22日、出願番号: 第17636号、出願者: 京成バラ園芸株式会社。
^ ⇒Plant and Cell Physiology 2007 48(11):1589-1600, "Engineering of the Rose Flavonoid Biosynthetic Pathway Successfully Generated Blue-Hued Flowers Accumulating Delphinidin", Yukihisa Katsumoto, Masako Fukuchi-Mizutani, Yuko Fukui, Filippa Brugliera, Timothy A. Holton, Mirko Karan, Noriko Nakamura, Keiko Yonekura-Sakakibara, Junichi Togami, Alix Pigeaire, Guo-Qing Tao, Narender S. Nehra, Chin-Yi Lu, Barry K. Dyson, Shinzo Tsuda, Toshihiko Ashikari, Takaaki Kusumi, John G. Mason and Yoshikazu Tanaka
関連項目
サントリーフラワーズ
ムーンダスト
チューリップ - 花弁全体が青色の品種は存在せず、青いバラと同様に開発が進められている。
最相葉月 - 青いバラ開発に関するノンフィクション『青いバラ』の著者。
TIGER & BUNNY - 「ブルーローズ」という名前の人物が登場する。またサントリーフーズ商品である「ペプシネックス」がキャラクタースポンサーになっている。
ガラスの動物園
ARMS - 「ブルーウィッシュ」と名付けられた「青いバラ」が登場し、登場人物の「希望」の象徴として扱われている。
ハウステンボス歌劇団 - 歌劇団のシンボルとカラーがサントリーブルーローズとなっている。
サントリーホール - 2009年の改修後、小ホールは「ブルーローズ」と改称された。