露口茂
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『太陽にほえろ!』で露口の主演もしくは主演と同等の扱いなのは87話分あり、竜雷太に次いで多く[56]、『太陽にほえろ!』出演者の中で唯一2話分のスペシャル版で主演を務めた[57]

自身初の写真集である『露口茂in太陽にほえろ!』の出版にあたっても、露口が完全主義者であり、相当のこだわりを見せた[58]

『太陽にほえろ!』出演時、露口に来るファンレターの数は、新人刑事に次ぐ[59]、あるいはそれをしのぐほど多いこともあり、中年層のみならず、若い女性からのファンレターも非常に多かった[12]。いつも冷静でボスを助け、派手な動きはないが、行動を起こせば決断が速く、的確で、ほかの刑事たちの中心となる。その考える顔つきは刑事というより、大学教授みたいな大人のムードがあるのが、中年婦人にもてる理由と言われた[59]

露口、そして石原裕次郎が共に高校時代バスケットボールをしていたことから、露口は石原と一緒にバスケットボールを取り入れたエピソードをやりたいと語っていた[7]

1984年には番組を楽しみながらマイペースでやっているが、同時に番組に対しても、俳優としてもさまざまな葛藤があることも語り[12]、1985年渡辺徹が演じるラガー刑事が降板の際、渡辺に、そろそろ自分も降板したいと語っていた[60]

自身最後の出演となった「さらば! 山村刑事」の回では、『太陽にほえろ!』の最後のカットは通常、主人公のボス(石原裕次郎)のカットで番組が終わるが、自身の番組からの卒業でもあるので、どうしても自分のカットで終わって欲しいと、同エピソードの監督を務めることが決まっていた高瀬昌弘、プロデューサーの梅浦洋一らに何度も求めたが、ルールは変えられないと却下された[61]。撮影の際ロケバスに乗り込んできた高瀬に露口が右手を差し出し握手を求めたので、高瀬が「あの件ならダメですよ。」と言うと、露口は「もう諦めました、予定通りボスのカットで終わってください。」と答え2人は握手をした。しかし後日高瀬の判断により、ビルからボスが見下ろした山村刑事のカットが差し込まれ、最後のシーンとなった[61]。またこの殉職シーンのロケ中、高瀬が露口のスタンドインで立っていると露口がバスから降りて高瀬のもとへやって来たので「ライティングに時間が掛かるので、ロケバスの中で待っていてください。」と露口に言うと、「太陽最後の日であると考えると、震えてしまうので、スタンドインは自らやりたいと。」と自らライティングに参加したというエピソードも、高瀬が明かしている[61]。高瀬はかたくなに自身の全ての演技にこだわる露口の姿が心地よく、強く心を引かれ、好きであったと、自身の著書に記した[61]

人物

自身のプライベートを極度に大切にしているため、親しい間柄の人間にもプライベートなことは決して語らず、『太陽にほえろ!』のスタッフや関係者でも、既婚であると知る者は少なかった
[4]

俳優はあくまでも役を演じている自分を見てもらうことが重要という考えで、プライベートなことを余り語ろうとはしなかった[62]。また壁にぶつかる事が俳優として重要であると話していた[62]

仕事に対しては準備稿の段階から台本を受け取り役に臨んだり[4]、監督とディスカッションするなど、妥協を許さず、ストイックだが、普段はひょうきんで、冗談を言ったり、鼻歌を歌うこともある、また演技に行きづまる若手にはさりげなくアドバイスをすることもあった[4][63]

たくさんのCMのオファーがあったが、シャイであることを理由に固辞し続けていた[64]。また、マスコミがあまり好きではなく、写真も嫌いで、インタビューをあまり受けなかった[4][62]。CM、テレビ番組の司会なども器用にこなす同じ事務所所属の山口崇の器用さを羨ましいと言っていたという[4]

松田優作は『太陽にほえろ!』に出演していた時、石原裕次郎以外の共演者に手を挙げてしまうことがあったが、露口の事は演技に真摯に取り組む姿などから「素晴らしい人」であると思い、決して手を出さなかったという[65]。また露口は後年、松田が開催したライブにゲストとして顔を出したことがあった。

勝野洋はインタビューで露口の芝居の間の取り方が上手いので、間の取り方を真似ていたと語っている[66]。またいつも露口の芝居を注意深く観察していたと話し、芝居が細かく、声もそれほど出さないが、それでいて存在感があったと話していた[67]。ストイックに役に臨む露口を見て、俳優とはこういうものなのか、と思ったとも語っている。また木之元亮も同様に、「撮影がはじまると余計なことは一切言わず、自分の役に持っていこうとする」露口の態度を見て、役者のあり方についてこういうものかと語っている[68]。ゴルフを一緒に楽しんだ小野寺昭も、「仕事にかける意欲、仕事を見つめる目など、とにかくひとつひとつ真面目に取り組んでいた。」と述べている[69]

宮内淳は、「芝居はふつう目でやると言われているが、口もとでやるもの。」という露口の言葉と、後輩に対してもいい加減な態度は許さず、セリフだけでなく撮影所での態度や礼儀作法などすべてに細かく注意して役を考え抜いた露口の態度に影響を受けた[69]

ボスを演じた石原裕次郎は、露口を「”太陽”になくてはならない男」と評している[69]

ファンに対しても実に誠実で、『太陽にほえろ!』浜松ロケの際は風邪気味で体調不良にもかかわらず夜中にどうしても露口に会いたいと訪ねて来たファンにも面会をした[18]。また三田村邦彦は、撮影所に渡辺徹のファンが押しかけて撮影に支障が出た時に、露口が「渡辺のところに来たファンなのだから、他の人が言うのではなく、渡辺自身の言葉で誠心誠意、「いま撮影中なので協力お願いします。
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