[Wikipedia|▼Menu]
風呂やコップに入れた暖かい飲み物の湯気も原理は同じ。極地で秋から冬によく生じ、海氷の周りの海面や、表面が氷結する前の川や湖にみられる[3][11]。冬の日本海上でもこの成因をもつ湯気のような霧(気嵐(けあらし))が生じる[11][17]
前線霧
前線、主に空気が暖かい温暖前線付近で降雨に伴い発生する。雨が降り湿度が上がったところに温度の比較的高い雨が落ちてくると、雨粒から蒸発したさらに湿度が上がり、霧が生じる。雨粒が気温より温度が高いときに生じやすいと考えられる[3][11][14][18]
上昇霧
盆地に発生した霧(2010年 篠山盆地)山の斜面に沿って、湿った空気が上昇し冷やされて発生する。遠くから見ると山に掛かった雲に見えるが、雲に覆われた山の地表では霧となる。粒子は雲粒に近い大きさにもなり、層雲に似た性質をもつ。滑昇霧ともいう[4][3][11][14][19]

複数の要因、例えば放射霧と移流霧の要因を持つ霧なども発生することがある。盆地霧にも放射霧と移流霧の性質を併せ持つものがみられる[3][11]

層雲が発達して次第に厚みを増し、雲底が地面に接して霧となることがある[14]。反対に、地表の加熱や風の強まりによって、霧が地表から離れて層雲に変化していくことがある[20]
水平視程と濃度による分類

水平視程が1
キロメートル未満であるが、天空がかすかに見えるようなものを低い霧という[21][22]

水平視程が1キロメートル以上であるが、人間の視線の高さより低い地面付近にのみあるものを地霧という[22][23]。こちらは気象観測上は霧の定義(水平視程1キロメートル未満)から外れる。

類似の大気現象

気温0 ℃以下のとき生じることがある、過冷却の水滴でできた霧を
着氷性の霧という。物体に付着して凍結・堆積することがあり、主に樹木に樹氷粗氷を形成する。航空機への着氷の原因となることから航空気象では気温0 ℃以下における霧をすべて着氷性の霧 (FZFG)として報告する。なお、気温-10 ℃以下になると氷晶が含まれるようになり、細氷のように大気光学現象を生じうる[24][25][26][27]

気温約-30 ℃以下の低温で、微小な氷の結晶が浮遊し視程が低下する現象を氷霧という。主に晴れた風の弱い時に生じる[22][28]

主に湿度75 %未満の時、乾いた微粒子が浮遊し視程が低下する現象を煙霧という[29][30]

霧の性質

霧が発生している状態では大気中に浮遊する水滴が散乱するために、大気は白く霞んで見え、視程(見通すことのできる水平距離)が狭くなる。霧に十分に光が当たっているときは霧粒をはっきりと確認することができる[1]。視程の低下度は、霧の水滴の密度や粒径に相関がある[2]。霧にが混じると、灰色や黄色みがかって見えることがある[1][2]

通常、霧の中の相対湿度は100 %に近く、湿っぽく冷たい感触の環境である[1]。靄(もや)の場合は相対湿度は通常70 %以上になっているが100 %にはならない[1]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:76 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef