複数の要因、例えば放射霧と移流霧の要因を持つ霧なども発生することがある。盆地霧にも放射霧と移流霧の性質を併せ持つものがみられる[3][11]。
層雲が発達して次第に厚みを増し、雲底が地面に接して霧となることがある[14]。反対に、地表の加熱や風の強まりによって、霧が地表から離れて層雲に変化していくことがある[20]。 霧が発生している状態では大気中に浮遊する水滴が光を散乱するために、大気は白く霞んで見え、視程(見通すことのできる水平距離)が狭くなる。霧に十分に光が当たっているときは霧粒をはっきりと確認することができる[1]。視程の低下度は、霧の水滴の密度や粒径に相関がある[2]。霧に煙や塵埃が混じると、灰色や黄色みがかって見えることがある[1][2]。 通常、霧の中の相対湿度は100 %に近く、湿っぽく冷たい感触の環境である[1]。靄(もや)の場合は相対湿度は通常70 %以上になっているが100 %にはならない[1]。
水平視程と濃度による分類
水平視程が1キロメートル未満であるが、天空がかすかに見えるようなものを低い霧という[21][22]。
水平視程が1キロメートル以上であるが、人間の視線の高さより低い地面付近にのみあるものを地霧という[22][23]。こちらは気象観測上は霧の定義(水平視程1キロメートル未満)から外れる。
類似の大気現象
気温0 ℃以下のとき生じることがある、過冷却の水滴でできた霧を着氷性の霧という。物体に付着して凍結・堆積することがあり、主に樹木に樹氷や粗氷を形成する。航空機への着氷の原因となることから航空気象では気温0 ℃以下における霧をすべて着氷性の霧 (FZFG)として報告する。なお、気温-10 ℃以下になると氷晶が含まれるようになり、細氷のように大気光学現象を生じうる[24][25][26][27]。
気温約-30 ℃以下の低温で、微小な氷の結晶が浮遊し視程が低下する現象を氷霧という。主に晴れた風の弱い時に生じる[22][28]。
主に湿度75 %未満の時、乾いた微粒子が浮遊し視程が低下する現象を煙霧という[29][30]。
霧の性質