霊媒
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コックリさんのようなもの)がきわめてポピュラーに行われるようになり[2]、やがて物体が浮揚するのを見せる者も出てきて、既存宗教の枠組みには入りきらない、超自然的な存在への好奇心が人々の心をとらえるようになったのであり[2]、こうした物理的心霊現象に対する科学的探究心が超心理学へとつながっていくことになった[2]

超心理学的な枠組みでの研究は1920年以降になってからさかんに行われるようになったわけであるが、超心理学では通常「霊媒」と言うと、19世紀中ごろに米国で興った近代スピリチュアリズム運動以降の能力者のことを指している[3]

霊媒の能力に接する会をseanceとかsittingと言い、日本語では交霊会と言う[3](降霊会という字を当てることもある)。

交霊会における人々の、霊界と交信したいという気持ちはきわめてまじめで真剣なものだった[2]。大切なを失ったり、最愛のを亡くした人などが、そうした死者とコミュニケーションをとろうとしたのである[2]。やがて二度にもわたって世界大戦が起き、非常に多数の人が亡くなるという悲惨なことが起きると、人々はふたたび熱心に交霊会を行うようになった。というのは、これらの大戦では大切な家族の臨終に立ち会うこともできないまま死別し、辛い思いを味わった人があまりにも多かったのである[2]

キリスト教の伝統が根強い欧米においては、超自然的な霊界との通信というのは、spirit healing(心霊治療)の現代版とも言えるNew Thoughtニュー・ソートやメンタル・サイエンスへとつながり、唯物論的な世界観に対する不満を表明している[2]

かつての心理的霊媒の著名人物としては、レオノーラ・パイパーアイリーン・ギャレットなどがいる。パイパーについては心理学者のウィリアム・ジェームズが、またギャレットについては生理学者のカレル[要曖昧さ回避]などが実験的研究を行った[3]

現代において著名な霊媒としては、エスター・ヒックス(Esther Hicks)、シルヴィア・ブラウン(Sylvia Brown)、ジョン・エドワード(John Edward)、ジェイムズ・ヴァン・プラーグ(James Van Praagh)といった名前が挙げられる。
脚注^ a b c d e f g h i j k l m 佐々木宏幹「【霊媒】」『世界大百科事典』 30巻、平凡社、1988年。 
^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 上田賢治「【霊媒】」『宗教学辞典』東京大学出版会、1973年。 
^ a b c d e f g h 笠原敏雄「【霊媒】」『世界大百科事典』 30巻、平凡社、1988年。 

参考文献

上田賢治「【霊媒】」『宗教学辞典』東京大学出版会、1973年。 

佐々木宏幹「【霊媒】」『世界大百科事典』 30巻、平凡社、1988年。 

笠原敏雄「【霊媒】」『世界大百科事典』 30巻、平凡社、1988年。 

関連項目

霊能力

降霊術

霊言

巫女

イタコ

審神者

祈祷師

シャーマン

占い師

ドルイド

エクソシスト

サイ科学


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