現場優先体質(管理部門からの管理の軽視・無視)、コンペ至上主義(コンペで勝つことを最優先し、そのために他を犠牲にする)であると指摘されている[21]。
電通は、もともと通信社も抱えてはいたがそれを同盟通信社に譲渡、そして同盟通信社の広告事業を吸収して広告専業になった会社である。労働時間を考慮せず日夜ニュースを追いかける通信社(報道機関)的な悪い体質がDNAとして残り、労働時間などに関して残業規制を含めた会社からの細かい管理を現場が嫌い無視する気質が企業風土となった。逆に通信社ではなくなったため、行政からの監督もほとんど入らなくなってしまった[21]。 4代目社長・吉田秀雄により1951年に作られた電通社員の行動規範[22]。 1991年の男性社員の過労死(電通事件)の発生後、新入社員研修の教本などからは除外されたが、その後も社員手帳には記載が続けられ、特に第5則が電通の労働体質の背景になっているとされた[23]。2015年12月に発生した新人女性社員の過労自殺を受け、2016年度限りで削除[24][25]。 鬼十則と同じく4代目社長・吉田秀雄により1953年に作られたが、1987年に社員手帳から記述が除外[26]。
鬼十則
仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……。
周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。
責任三カ条
命令・復命・連絡・報告は、その結果を確認しその効果を把握するまではこれをなした者の責任である。その限度内に於ける責任は断じて回避出来ない。
一を聞いて十を知り、これを行う叡智と才能がないならば、一を聞いて一を完全に行う注意力と責任感を持たねばならぬ。一を聞いて十を誤る如き者は百害あって一利ない。正に組織活動の癌である。削除せらるべきである。