電線類地中化
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平成25年度末の各県別では、最も進んでいるのが東京都で約4.6%、次に兵庫県の約2.7%、遅れているのが青森県、香川県の約0.5%、茨城県の約0.4%である。これは国土交通省が各道路管理者より聞き取りをしたもので、全道路(高速自動車国道及び高速道路会社管理道路を除く)のうち、電柱、電線類のない延長の割合である[9]

トンネルを作ったが5年以上も電柱が撤去されていないままの災害時緊急輸送道路が、8都府県の47か所あることが、2014年の会計検査院の調べで判明した[10]

地中化の利点.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}地中化以前の三条通り地中化後川越一番街の川越氷川祭(2010年10月16日撮影)電柱を地中化した通り(銀座6丁目付近)

通りの景観が改善される。

奈良県奈良市三条通りでは景観形成の向上・快適な通行空間の確保などを目的とし電線類地中化が進められた[11][12]


歴史的・伝統的な町並みがよみがえることで、地域経済が活性化される。

埼玉県川越市川越一番街では、電柱・電線によって隠れていた蔵造りのまちなみがよみがえり、それまで年間150万人であった観光客数が400万人に増加している[13]

三重県伊勢市おはらい町では、電柱・電線によって破壊されていた伊勢の伝統的な木造建築の町並みをよみがえらせた。この結果、1992年に約35万人まで落ち込んでいた通りの往来者は、1994年に200万人に急増し、2008年には400万人を超えるようになった[13]


住宅地としての資産価値(地価)やブランド価値が向上する。都市部における新規造成を伴う宅地開発においては、予め電線地中化を行うことが主流となってきている。

株式会社ジオリゾームと不動産鑑定士の共同研究によると、電線類地中化は宅地価格に対して、約7%プラス影響を与えると報告されている[14]

兵庫県芦屋市六麓荘町では、開発の当初からガス、水道のみならず電気、電話を地下に埋設するという構想の下に住宅地の造成が進められた結果、芦屋市でも最も高級な住宅地として知られている[13]

奈良県奈良市近鉄あやめ池住宅地では、「あやめ池」の地域価値を向上するために、一部エリアで共同溝を設けて電線等を地下に配置している[15]

JR津田沼駅南口土地区画整理事業では、35haの土地区画整理を行い、その地区全体の電線類を無電柱化している[16]


台風や地震といった災害時に電柱が倒れたり、垂れ下がった電線類が消防車などの緊急用車両の通行の邪魔をする危険がなくなり防災性が向上する[17]。また、地中の設備には耐水性がある為、水害に対する防災力も高まる[18]

地中化された電線は、架空線に比べ大幅に地震で破損しにくくなる。そのため災害時の情報通信回線の被害が軽減し、ネットワークの安全性・信頼性が向上する。

阪神・淡路大震災では震度7の地域で、電柱の停電率は10.3%であったが、地中線は4.7%であり、電柱に対する地中線の被害率は45.6%と低かった[17]


電柱類が道幅を狭める事がなくなるので、ベビーカーや車いすが通りやすくなり、バリアフリー化の一環として無電柱化が行われる[17]

電柱に衝突した場合、死亡に至る確率が10倍に増えると言われている。

電線復旧作業時は歩道の蓋を開けて地下に入り作業を行うことが出来る為、簡略化される[18]

地中化の欠点、課題

目視によって傷んだ電線類を断線前に発見できなくなるため、破損・断線箇所が特定しにくくなる。そのために復旧が遅れることもある
[19]

関西電力三宮営業所に勤務していた松村幹雄は、阪神・淡路大震災の際には「地中線は断線の調査や修理に倍以上の時間がかかった」と証言している[20]

初期費用(増設費用)が電柱方式に比べて高い。地中での整備費は1キロメートル当たり4億から5億円と電柱方式の約20倍(電気事業連合会[20]もの予算を必要とする。

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