電気
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電荷は物質だけでなく反物質にもあり、それぞれに対応する反粒子は大きさが等しく極性が逆の電荷量を持つ[27]

電荷量を測定する手段はいくつかある。検電器は最初の電荷測定機器だが、今では授業での実験などでしか使われない。今では電子式のエレクトロメータがよく使われている[18]
電流詳細は「電流」を参照

電荷を持った粒子の移動によって、電流が発生し、その強さはアンペアを単位として計られる。どんな荷電粒子でも移動することで電流を形成できるが、電子が最も一般的である。

歴史的な慣習により、電流の流れる向きは正の電荷の流れる向きとされており、電源の正極から負極に流れるとされる。負の電荷を持つ電子は電荷担体としては最も一般的だが、電気回路での電流の流れる向きと電子の移動する向きは反対である[28]。しかし、状況によっては電流の向きと荷電粒子の移動する向きが一致する場合もあるし、荷電粒子が両方向に同時に移動することもある。様々な状況で電流の流れる方向を便宜的に定めるために、このような規定がある。電弧は目に見える電流の一種である。

物質を電流が流れる過程を電気伝導と呼び、その性質は流れる荷電粒子と物質の性質によって様々である。金属の場合は電子が流れ、電気分解においては電荷を帯びた原子が液体中を流れる。粒子自体の移動速度は極めて遅く、せいぜい毎秒数ミリメートルだが[29]、それによって形成される電場光速に近い速度で伝播する。そのため、電気信号は導線上で極めて高速に伝送される[30]

電流はいくつかの目に見える現象を引き起こし、歴史的にはそれらが電流の存在を確認する手段でもあった。水に電流を流すと分解されるという現象は1800年にウィリアム・ニコルソンアンソニー・カーライルが発見した。これがいわゆる電気分解である。そこからさらに研究が進み、1833年にマイケル・ファラデー電気分解の法則を解明した[31]電気抵抗のある物質を電流が流れるとき、局所的な発熱がある。これを研究したのがジェームズ・プレスコット・ジュールで、1840年に数学的に定式化したジュールの法則を導き出した[31]。電流に関する最も重要な発見をしたのはハンス・クリスティアン・エルステッドで、1820年に導線に電流を流したときに近くにあった方位磁針が振れることに気づいた[32]。これが電気と磁気の基本的相互作用の発見であり、そこから電磁気学が発展することになった。

工学や実用的観点では、電流を直流交流に分類することが多い。これは電流が時間と共に変化するかしないかを示した用語である。直流は電池などが発する電流であり、常に一方向に流れる電流である[33]。交流は電流の流れる向きが定期的に逆転する場合を指す。交流の電流の強さの時間変化は正弦波を描くことが多い[34]。したがって、交流が流れる導体内では電荷が一方向に進むことはなく、短い距離を行ったり来たりすることになる。交流の電流の強さをある程度以上の時間で平均するとゼロになるが、エネルギーはある方向に運搬され、次に反対方向に運搬される。交流には定常的な直流では見られない特性があり、インダクタンス静電容量に影響を受ける[35]。そういった特性は電源を入れた直後など回路の過渡現象が主題となる場合に重要となる。
電場詳細は「電場」を参照「静電気学」も参照

の概念は、マイケル・ファラデーによって導入された。電場は電荷によってその周囲の空間に形成され、その電場内に存在する他の電荷に力を及ぼす。2つの電荷の電場の振る舞いは、ちょうど2つの質量の重力場のそれと似ており、広がりは無限だが互いに及ぼしあう力は距離の2乗に反比例する[23]。ただし、電場と重力場には大きな違いが1つある。重力は常に引き付け合う力だが、電場は引き付け合う場合と反発しあう場合がある。惑星のような巨大な物体は全体としてほとんど電荷を帯びていないため、遠距離の電場は通常ゼロである。そのため宇宙規模の距離では本来弱いはずの重力が支配的になる[24]平面導体上の正電荷が作る電気力線


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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