がん治療への応用も進んでおり、がん細胞への抗がん剤の導入に用いられていて、同様の手法は美容法にも応用されている。
さらに近年では不可逆的な穿孔による癌細胞の死滅を目的とする不可逆電気穿孔法が登場している。 遺伝子改変動物の作成を目的として、受精卵(zygote)へのエレクトロポレーションがおこなわれる[3]。 受精卵へのエレクトロポレーションには、自作 (例: [4])あるいは専用の板状電極を用いる。市販の電極としてはBex社のLF501シリーズ[5]がある。 エレクトロポレーションはDNAの導入による形質転換にしばしば用いられる。しかしDNA以外の物質を導入することにも用いられる。 導入対象とその利用目的は次のようになる。 エレクトロポレーションの効率は電気パルスの形状に強く影響を受ける。そのため、正確かつ多様な形状の電気パルスを発生させる、専用の電圧発生器が用いられる場合が多い。一般にこの発生器をエレクトロポレーターと呼ぶ。
受精卵へのエレクトロポレーション
導入物質
核酸
DNA
plasmid: 形質転換, 子宮内電気穿孔法
dsDNA
ssODN: ゲノム編集 (CRISPR/Cas9)[6]
RNA
mRNA: 一過性発現
sgRNA: ゲノム編集 (CRISPR/Cas9)[6]
タンパク質
Cas9: ゲノム編集 (CRISPR/Cas9)[6]
複合体
RNP
sgRNA/Cas9 RNP (CRISPR/Cas9)[7]
エレクトロポレーター
^ US20110263005
^ Kaneko, Takehito; Sakuma, Tetsushi; Yamamoto, Takashi; Mashimo, Tomoji (2014), “Simple knockout by electroporation of engineered endonucleases into intact rat embryos”, Sci Rep 4 (6382), doi:10.1038/srep06382
^ Hashimoto, Masakazu; Takemoto, Tatsuya (2015), “Electroporation enables the efficient mRNA delivery into the mouse zygotes and facilitates CRISPR/Cas9-based genome editing”, Sci Rep 5 (11315), doi:10.1038/srep11315
^ “ ⇒ゲノム編集専用電極”. 株式会社ベックス. 2017年10月5日閲覧。
^ a b c Yoshimi, Kazuto; Kunihiro, Yayoi; Kaneko, Takehito; Nagahora, Hitoshi; Voigt, Birger; Mashimo, Tomoji (2016), “ssODN-mediated knock-in with CRISPR-Cas for large genomic regions in zygotes”, Nat Commun 7 (10431), doi:10.1038/ncomms10431
^ Chen, Sean; Lee, Benjamin; Lee, Angus Yiu-Fai; Modzelewski, Andrew J.; He, Lin (2016), “Highly Efficient Mouse Genome Editing by CRISPR Ribonucleoprotein Electroporation of Zygotes*”, Journal of Biological Chemistry 291 (28): 14457-14467, doi:10.1074/jbc.M116.733154
関連項目
リポフェクション
エレクトロポレーション (美容法) - 美容法の一種
不可逆電気穿孔法 - がん治療法の一つ
外部リンク
電気穿孔法 - 脳科学辞典