電動機の損失は、入力電力と出力仕事の差として定義される。
全損失
固定損
鉄損 : ヒステリシス損・渦電流損
機械損
電動機の多くは電気によって磁界の変化を作り出し、その磁界の変化によって回転力を生み出すものが一般的であるが、以下のようにこれ以外の原理・構造を持つ特殊な電動機がある。 リニアモーターとは、回転式の電動モーターの固定子に相当する一直線に長く伸びた部分の上に、回転子に相当する部分を置いて、磁界の変化によって直線運動を得るものである。リニア誘導モータ(LIM)、リニア同期モータ(LSM)、リニア直流モータ(LDM)、リニアステッピングモータ、リニア圧電モータ、リニア静電モータ等がある。 1740年代、スコットランドの修道士アンドリュー・ゴードンとアメリカの実験家ベンジャミン・フランクリンが製作した単純な静電デバイスが最初の電気モーターであった。現代の電磁モーターの前には、静電気の力で作動するモーター(静電モーター)の実験が行われていた。 1771年、ヘンリー・キャベンディッシュがその理論的原理を発見するも発表されず、1785年、クーロンが独自に発見し発表したため、クーロンの法則と呼ばれる。 実用に足るような大きさの力を発生させるためには高電圧が必要となるため、静電モーターは実用化されなかった。 1799年、アレッサンドロ・ボルタが化学電池を発明すると、持続的な電流を作り出すことが可能になった。 1820年、ハンス・クリスチャン・オルステッドは、電流が磁場を作り、磁石に力を与えることを発見した。アンドレ・マリー・アンペールは、わずか数週間で電磁相互作用による機械的な力の発生を記述したアンペールの法則を発表した。 1821年、イギリスの科学者マイケル・ファラデーが電磁気的手段で電気エネルギーを運動エネルギーに変換する実験を行った。上から導線を吊るし、水銀のプールに少し浸しておき、その上に永久磁石を置く。その導線に電流を流すと、導線の周囲に丸い磁場が発生し、磁石の周りで導線が回転する[2]。この実験は学校の物理学の授業でもよく実施されるが、毒性のある水銀の代わりに塩水を使うこともある。これは単極電動機と呼ばれる最も単純な形式の電動機である。後にこれを改良した Barlow's Wheel 1827年、ハンガリーのイェドリク・アーニョシュは電磁作用で回転する装置の実験を開始し、それを "lightning-magnetic self-rotors" と呼んでいた。彼はそれを大学での教育用に使っており、1828年には実用的な直流モーターの3大要素である固定子と電機子と整流子を備えた世界初の実用的な直流電動機の実験に成功した。その固定部分も回転部分も電磁石になっていて、永久磁石は使っていない[3][4][5][6][7][8]。この装置も実験用であり動力源として使えるものではなかった。 1832年、イギリスの科学者ウィリアム・スタージャンが、機械の動力源として使える世界初の整流子式直流電動機を発明した[9]。 1837年、アメリカでトーマス・ダヴェンポート
リニアモーター
振動モーター
超音波振動モーター
超音波モーターは振動体の変形による細かな位置変化を摩擦によって回転運動や直線運動に変える。ローレンツ力を使用する従来のモータと比較して効率が低い。圧電素子による圧電現象を利用しているものは、圧電モータと呼ばれることもある。カメラのフォーカス合わせのほか、ハイレゾリューションオーディオ向けイヤホンの超音波帯域を再生するスピーカードライバーなどに利用されている。
振動モーター
振動モーターは携帯電話などでの着信を振動で知らせる目的で開発されたものがある。小型のものでは、回転子の重心が偏って作られ回転子自身が振動を作り出す重りとなっているものがある。
歴史ファラデーの電磁実験(1821年ごろ)[1]イェドリクの "lightning-magnetic self-rotor"(1827年、Museum of Applied Arts, ブダペスト)
モーター誕生の前に
DCモーター