電子工学
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[14]高速スイッチング動作、磁気検出への利用が可能である。[15]

表示装置の分野では1897年にブラウン 陰極線管を発明し、それを元に1907年にロージングが映像表示装置を発明した。1968年に液晶ディスプレイが、[16]1970年代初頭にプラズマディスプレイが開発された。[17][18]21世紀に入り有機ELディスプレイの開発が進められ、実用化した。

電磁的情報記録では磁気記録としてポールセンワイヤーレコーダー(1898年)が登場し、1907年には直流バイアス方式が発明され、情報記録への利用はこの頃に起源を求めることが出来る。[19]その後記録媒体が磁気テープ(1940年代前半実用化)、[20][21]ハードディスク(1956年登場[22])に移っている。磁気記録は当初は電子工学の分野とは意識されなかったが、記録容量の拡大に伴って磁区が微細化して磁性体の微視的な挙動に研究の関心が移ったことから、次第に電子工学の範疇と認識されるようになった。情報記録方式としては交流バイアス方式(1938年)、垂直磁気記録方式(1975年)が登場している。[23][24]この他情報記録デバイスとして半導体素子から発展したフラッシュメモリー(NOR型1980年、NAND型1986年発明[25])も存在する。[26][27]情報記録媒体自体は物理的なものであるが、読み出しに前述のレーザーを用いるものとしてレーザーディスク (LD)、コンパクトディスク (CD)、DVDブルーレイディスク (BD)[28]がある。
電子回路と電子機器

以下では電子工学の応用としての電子回路と電子機器について述べる。
電子機器と電子部品

電子機器はその機能を実現する機能ブロックとしての電子回路の集まりとして構成されている。電子回路は増幅回路発振回路フィルタ回路など意図した機能を果たすように構成されている。電子回路は回路素子が個別の部品として何らかの配線部品プリント基板はんだ付けするなど)で相互接続され実装される場合と、集積回路の形で複合的に実現される場合がある。個別部品としてよく見られる電子部品としては、コンデンサ抵抗器ダイオードトランジスタなどがある。電子部品はトランジスタやサイリスタなどの能動素子と、抵抗器やコンデンサなどの受動素子に分類される。個別部品と集積回路は排他的な物ではなく、機能として必要に応じて使い分けられる。同じ基板上に併存することもある。
回路の種類

電子機器・システムは次の部分に分けられる。
入力 -
電子的・機械的なセンサ(または変換器)で、温度圧力、電磁場等の物理量をシステムの外部から取得し、電流信号や電圧信号に変換する。

信号処理回路 - 組み合わされた電子素子により信号を操作し、解釈したり、変換したりする。

出力 - アクチュエータや他の素子(変換器も含む)により、電流・電圧信号をシステム外の利用者にとって有用な形態に再変換する。

テレビ受像機を例に挙げると、入力はアンテナケーブルテレビから得られた放送信号である。テレビ受像機内部の信号処理回路は、放送信号から輝度や色や音声の情報を取り出す。出力は、電気信号をブラウン管スピーカーによって映像や音声の形態に変換することによって実現される。

電子回路や装置は、アナログとデジタルに分類される。両者の橋渡しを担当するアナログ-デジタル変換回路と、デジタル-アナログ変換回路もある。
アナログ回路詳細は「アナログ回路」を参照周波数可変インバータ J100(日立)

ラジオ受信機などのアナログ電子機器の多くは、数種類の基本回路の組み合わせで構成されている。アナログ回路は連続的な範囲の電圧を使う。[29]

電子回路は1個から数千個の部品で構成されるため、これまでに考案されたアナログ回路は使用している部品の違いを考慮すれば膨大な数になる。

アナログ回路には線型回路もあるが、[30]非線型な効果を持つミキサ回路、変調回路なども多数存在する。アナログ回路の典型例として、真空管やトランジスタを使用した増幅回路演算増幅回路[31][32][33]発振回路などがある。

最近では完全にアナログだけの回路は滅多にない。アナログ回路であっても性能を改善するためにデジタル回路やマイクロプロセッサ技術を利用していることが多い。そのような回路は一般に "Mixed Signal" と呼ばれる。

アナログ回路もデジタル回路も線型な素子と非線型な素子を使っているため、区別の難しい場合もある。例えばコンパレータは連続的に変化する電圧を入力としながら、デジタル回路のような2つの電圧レベルのどちらかを出力する。
デジタル回路詳細は「デジタル回路」を参照

デジタル回路はいくつかの離散的な電圧レベルをとる電子回路である。デジタル回路はブール論理を物理的に実装した最も一般的な形態であり、すべてのデジタルコンピュータの基盤である。[34]ほとんどのデジタル回路は2つの電圧レベルをとり、"Low"(0) と "High"(1) として使用する。"Low" は0V付近ということが多く、"High" は電源電圧に依存して決まる。

コンピュータデジタルクォーツ時計プログラマブルロジックコントローラ(生産工程の制御で使用[35])などはすべてデジタル回路で構成されている。他にはデジタルシグナルプロセッサもある。[36][37][38]

基本回路としては以下が挙げられる。

論理回路

加算器

乗算器

フリップフロップ

カウンタ

レジスタ

マルチプレクサ

シュミットトリガ

高集積部品としては以下が挙げられる。

マイクロプロセッサ

マイクロコントローラ

ASIC (Application-specific integrated circuit)


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