電卓
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

関数電卓は三角関数対数など、主に科学・工学系の技術分野で必要な計算機能のある電卓[4]。関数電卓の登場によって計算尺が駆逐され、またたいていの計算では数表を繰る必要もなくなった。数学関数以外にも統計、2, 8, 16進の換算、60進計算(角度の分秒の処理及び小数表現との換算)、有理数計算などの機能を持つものが多い。通常の電卓と違い、数値が指数部を持っており、括弧の処理ができ、加減算より乗除算を優先する。表示桁以上の精度で計算し結果が丸められて表示されるため、機種によっては 1÷3×3 のように計算途中で誤差が発生する計算が表示上正しく表示される。簡易プログラム機能を有するものや、紙に書くような数式で表示されるものや、グラフ表示が可能なものもある。今日では主に教育現場で用いられているが、土木・測量向けに防水・防塵・耐衝撃構造としたものもある。近年では、前述の学習用電卓のように、余りのある除算や分数の加減乗除、約分や仮分数と帯分数の相互変換などを行える機種もある。
金融電卓金融電卓の代表例 HP 12C

1973年に登場した ⇒HP-80 が最初の金融電卓と思われる。1972年に発売された世界最初のポケットに入る関数電卓 HP-35 の派生製品と思われる。

現在、欧米ではTVM(Time Value of Money : 貨幣の時間的価値)に基づいた高度な金融電卓が主流である。HP 12c シリーズ と BA II Plus シリーズ(英語版) がその代表的存在である。

一方、日本では質問に答えるだけで計算できる金融電卓が主流である。
プログラム電卓詳細は「プログラム電卓」を参照

プログラミング可能な電卓のことである。

関数電卓を発展させたものとよく誤解されるが、世界最初の関数電卓 HP 9100A(1968年)はプログラミング可能であった。つまり、プログラミング可能な関数電卓の方が普通の関数電卓よりも先に誕生している。

それ以前、1963年の オリベッティ・プログラマ101 は事務用電卓であり、四則演算、平方根、絶対値、小数部の取り出し程度のことしかできなかった。しかし、プログラミングが可能であった。

金融電卓のうち上位機種には、ある程度のプログラミングが可能なものもある。

プログラム関数電卓からさらにコンピュータ寄りに進化したものが、ポケットコンピュータである。
グラフ電卓詳細は「グラフ電卓」を参照グラフ電卓の例 TI-84 Plus。この機種は数式処理システムを搭載していない。

関数電卓やプログラム電卓に数式処理やグラフ処理能力を加えたのがグラフ電卓である。関数電卓を電卓として更に進化させたものといえる。関数電卓・プログラム電卓の基本機能に加え、数式処理やグラフ描写などを行える(グラフ描写しか行えない機種も存在する)。数式処理システムにより因数分解や微積分などの数式を直接計算でき(他の電卓は数値的にしか処理できない。グラフ電卓では数値的にも解析的にも取り扱える)、プログラム機能では数式処理に用いる組み込み関数を用いて高度なプログラムを簡単に組み込める。入力もGUIから入力できるので初心者でも比較的簡単に扱え、CUI風の入力でも計算できるのでコマンドを暗記した上級者は更に簡単に扱える。しかも任意の精度で計算できる(計算精度を設定可能)。このため科学技術分野などの高度な数学的計算を行うことに優れている。多くの機種はPCに接続してプログラムやデータの通信が可能で、計測器からのデータ入力、カラー表示、外部メモリ(SDメモリーカードなど)、表示画面のビデオ出力やOHP投影、プリンタ出力などにも対応している機種もある。さらには近年、オペレーティングシステムを持つ電卓も販売されている。日本ではシャープ、カシオが製品を販売していたがシャープは撤退、カシオは海外向け製品を国内販売している程度である。おもにアメリカのテキサス・インスツルメンツなどが開発している。数式処理システムも参照のこと。
専門職別

カシオでは薬剤師看護師栄養士と、専門職ごとに異なった機能を有する機種を開発・販売している[5]
構成
形状

電卓は長方形の形状をしていることが多く、縦長が基本だが、事務用の一部や折りたたみタイプ・カードタイプのものには横長のものも存在する。表示部に傾きが付いていることが多く、傾き角度を変えることができるものもある。

電卓はサイズの違いによりそれぞれ名称が付いているが、メーカーによって名称が異なる。

デスクタイプ・デスクトップタイプ - 概ね縦210mm、横150mm以上。

セミデスクトップタイプ - 概ね縦200mm、横135mm程度。

ジャストタイプ・ナイスサイズ - 概ね縦180mm、横110mm程度。

ミニジャストタイプ・ミニナイスサイズ - 概ね縦145mm、横105mm程度。

手帳タイプ・ハンディタイプ・ミニミニナイスサイズ - 概ね縦120mm、横70mm程度。このサイズから 00 キーはなくなり、また + キーも他のキーと同じ大きさになる事が多い。特に手帳型ケースの付属する機種を手帳タイプという。

折りたたみ手帳タイプ - 概ね縦110mm、横90mm程度(開いたときの大きさ)。

カードタイプ - 概ね縦90mm、横60mm程度。特に
クレジットカード大で、厚さが1mm前後のものをクレジットカードタイプともいう。

極端に小さいものでは、縦50mm程度で小判型のキーホルダーとなっている製品などもある。
操作部

ごく初期には、従来の加算機(機械式計算機#バロースの加算機を参照)などに合わせ、数字の桁ごとに10個の数字キーを並べたものもあったが、電卓以前のリレー式であるカシオ14-Aが既にテンキー式であることからわかるように技術的にはそのようにする理由はほとんどなく、もっぱらほぼ全てテンキー式である。

キー配列はセミデスクトップタイプ以上では横に6列、ジャストタイプ以下では横に5列としたものが多く、縦はどの大きさでも6段か5段としたものが多い。

また、基本的には同じメーカーのものであれば、操作性が大きく変わることは少ない。これは、機種により大きく変わるとユーザーが再度操作を覚えなおさなければならないためである。
テンキー

一般的にテンキーの配列にはいわゆる「プッシュホン配列」(左上から順に1、2、3)と「計算機配列」(中段のみがプッシュホンと同じで最上段最下段が入れ替わっている)があるが、電卓はもっぱら「計算機配列」である。
演算子キー

四則演算の演算子キーの他、% などの演算キーがあるものもある。加算器方式の場合は = と +・- が独立しておらず、+= と -= キーがある。
その他の機能キー

クリア

オールクリア: メモリ以外の全ての計算中の数値やモードをクリア

置数クリア: 入力中の数値のみをクリア


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:71 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef