以下は特殊技術。 本映画のために総工費7,000万円で零戦1機を復元製作しており、素材には実物と同じくジュラルミンを用いている[4]。撮影終了後、この零戦は海上自衛隊岩国基地にて保存・公開されている[4]。 空戦シーンは、特技監督の川北紘一が手掛けた『大空のサムライ』と同じくラジコンを用いている[5][4]。B-29の撃墜シーンではピアノ線による操演で撮影しているが、一定方向でミニチュアを吊るのではなく、さまざまな方向から撮影してカットをつなげることにより、空中戦を描写している[4]。川北は『大空のサムライ』より一層のチャレンジを試み、B-29とドッグファイトを繰り広げた零戦の姿をちゃんと表現しようと考えた旨を語っている[5]。本作品で用いられた手法は、後に川北が手掛けた『ゴジラvsキングギドラ』(1991年)でのキングギドラとF-15Jとの空中戦シーンなどにも活用された[6]。B-29のミニチュアは、1999年時点で東宝特殊美術課の倉庫に保管されているのが確認されている[1]。 時価5,000万円で本物そっくりの零戦を復元するなど[7]、戦争体験者の郷愁を誘う内容ではあったが[7]、映画観客の90%を占める若者にソッポを向かれた[7]。観客は中年ばかりで、東宝では当初、配収10億円を目標にしていたが、予定を三週間早めて1984年9月14日で上映打ち切りを決めた[7]。不入りの『零戦燃ゆ』に対して健闘したのが東宝洋画系で同時期封切られた『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』で、本作品に匹敵する配収7億円を上げ[7]、また『ピーター・パン』と『眠れる森の美女』のディズニーの旧作二本立ても配収4億円を上げ、本作品は2億円の赤字を出した[7]。それでも東宝は「8.15シリーズはやめるつもりはない」と強気だった[7]。
特技監督 - 川北紘一
撮影 - 鶴見孝夫、江口憲一
光学撮影 - 宮西武史
美術 - 井上泰幸
照明 - 三上鴻平
操演 - 松本光司
特殊効果 - 渡辺忠昭、久米攻
助監督 - 浅田英一
製作担当者 - 柳沼延之
スチール - 中尾孝
音楽
主題歌「黎明(れいめい)」
作詞 - 阿久悠 / 作曲 - 三木たかし / 編曲 - 若草恵 / 歌 - 石原裕次郎
挿入歌「北斗七星-乙女の神話-」
作詞 - 阿久悠 / 作曲 - 三木たかし / 編曲 - 若草恵 / 歌 - 石原裕次郎
制作
作品の評価
興行成績
映像ソフト
1999年6月25日にVHSが東宝ビデオより発売された[8]。
関連商品
依光隆『画集「零戦燃ゆ」』(文藝春秋、1990年) ISBN 4-16-344870-5
柳田邦男『柳田邦男 私と「零式戦闘機」』(文藝春秋VHSビデオ、1992年)
脚注[脚注の使い方]^ a b c d 日本特撮映画図鑑 1999, pp. 108?109, 「零戦燃ゆ」
^ 「1984年邦画4社<封切配収ベスト作品>」『キネマ旬報』1985年(昭和60年)2月下旬号、キネマ旬報社、1985年、120頁。