雲の粒子の成分はほとんど水であり[6]、微量ながら水以外の成分、例えば土壌成分や火山噴出物、塵埃などからなる微粒子(エアロゾル)が混ざっているほか[7]、空気の成分(窒素、酸素、二酸化炭素など)が溶解して雲となっている。
地球上のほとんどの雲は対流圏内で発生し、高さごとに特徴をもつ。[1]一方、極地や高緯度地方の高度20 - 30km(成層圏)では、水のほか硫酸塩や硝酸塩から成る真珠母雲(極成層圏雲)が発生する[8]。他方、高緯度地方の高度約80km(中間圏)で見られる夜光雲(極中間圏雲)は主に水からなるという報告がある[9]。 1つ1つの雲粒(水滴や氷晶)の大きさは、半径にして0.001mm - 0.01mm(1μm - 10μm)程度のものが多くを占める。このオーダーでは落下速度は約1cm/秒だが、大気中ではこれを上回る上昇気流がありふれて存在するので落下することはほとんどなく、いわば「空に浮かんだ」状態となる。雲の中での雲粒の数(密度)は、1m3あたり1000万 - 数百億程度である[10]。 詳しくは降水過程参照。また、雨粒の成長の計算はメイスンの方程式(Mason equation
形状
氷晶は、六角柱、六角板、針状、樹枝状などの独特な結晶を形成する。氷晶がくっついて重なり成長したものが雪の粒子(雪片)である[11]。 たいていの場合、雲は白色や灰色に見えることが多い。白色に見えるのは雲粒が白色の太陽光を散乱するからだが、雲粒の大きさの粒子は可視光線領域のいずれの波長の光(色)も同じように散乱するミー散乱が起こっているので無彩色の白色となる。そして、厚みのある雲は灰色、特に雲の底の部分は黒色に近い暗い色に見えるが、これは濃度の高い雲粒により雲内で何度も太陽光が散乱・吸収された結果、雲を透過する光が弱まるためである。なお、雲からの光の反射率は雲水量が増え厚くなるとともに増加するが、ある程度で飽和のような状態となりそれ以上明るくはならなくなる。また、雲に入射する太陽光の色が赤みがかった色に変わる日の出や日の入り前後の時間は、雲の色も赤みがかかる[12][13]。 また、雲粒を通して太陽光が回折、屈折、散乱などを起こすことで生じる大気光学現象はたくさんの種類がある。氷晶にみられるのが暈(ハロ)、環天頂アーク、環水平アーク、幻日など。水滴にみられるのが彩雲、光冠など[15]。雨粒と異なり雲粒では色付いた虹はみられないが、雲粒が大きなとき白い虹(白虹)がみられる[13]。 上昇気流が強い場合は、上昇や落下を繰り返すうち、雨粒や雪の結晶同士が衝突してさらに大きな粒となって落下する。これが雨・ひょう・雪。また、上昇や落下を繰り返すと霰や雹などの大きな氷粒になり、氷粒同士の衝突で静電気が発生し、それが蓄積されて雷の原因になる。
光学的特徴
電気的性質
雲の形成
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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