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山火事火山噴火飛行機の航跡、工場の排熱などを起源に発生する雲がある[29][30][31]


雲をつくる
雲をつくる実験

小規模なものであれば、雲を製造することは容易であり、理科実験や身近にできる科学実験として、広く行われている。

密閉可能な容器の中を少し濡らし、線香などの凝結(固)核を充満させて密閉し、ポンプなどで気圧を下げると、減圧冷却によって中の温度が露点を下回って凝結(固)をはじめ、雲ができる。

熱湯から立ち上る「湯気」、ドライアイスから流れ落ちるような白い冷気、冬の寒い日に白くなる吐いた息、工場や排気などから出る白い蒸気なども、人工的に作ることができる雲だといえる。

また、普通の雲に比べて粒が大きい、霧吹きで作る水滴でも、風をうまくコントロールして空中に浮かべることができれば、雲だといえる。
「雲の種まき」

ただ、人工降雨は容易ではない。現状では、ヨウ化銀などの凝結(固)核を大量に散布することで雲の素をつくる「雲の種まき」が実用化の限度となっている。しかも、「雲の種まき」においても空気中の水蒸気が過飽和あるいはそれに近い状態になければ雲はできにくく、条件も限られる。
種類主な雲種・変種の模式図(英語)

雲には多くの俗称があるが、学術分野では統一した分類と呼称がある。世界気象機関が発行する国際雲図帳に基づいて、雲は10の基本形(類、十種雲形)に分類され、さらに雲によっては数十の種・変種・副変種に分類できる[32][33]

この項目では基本形について解説する。種・変種・副変種や特殊な雲について詳しくは雲形を参照のこと。

現在の雲の分類は、ルーク・ハワードが4つに分類しラテン語名を付けたのが原型で1803年に論文が発表されている。同時期に博物学者ジャン=バティスト・ラマルクも分類を行ったが広まらなかった。その後ヒルデブランドソン(英語版)、ラルフ・アバークロンビーはタイプ写真による雲形図を作成、世界中で共通の分類が行えることを確認して分類を提案した。更に国際気象会議による議論を経て、十種雲形を定めた『国際雲図帳』の発行(1896年)に至る[34][35][36][37]
基本の雲

雲の基本形(類、十種雲形)[23][34][35][36][38][33]高度類
学術名, 略号主な俗称
特徴
上層雲巻雲 けんうん
Cirrus, Ciすじ雲 はね雲 しらす雲 ※以前は絹雲と称した
白色 すじ状、毛状
巻積雲 けんせきうん
Cirrocumulus, Ccうろこ雲 いわし雲 さば雲
白色 うろこ状に分布 視直径1度以下の小さな雲片の集団 陰影がない
巻層雲 けんそううん
Cirrostratus, Csうす雲
白色 ベール状 陰影がある が生じうる
中層雲高積雲 こうせきうん
Altocumulus, Acひつじ雲 むら雲 まだら雲 (うろこ雲)
白色で影が灰色 まだら状に分布 視直径1度 - 5度のやや小さな雲片の集団 陰影がある
高層雲 こうそううん
Altostratus, Asおぼろ雲
灰色 太陽を覆いぼんやりと霞む
乱層雲 らんそううん
Nimbostratus, Ns雨雲 雪雲
灰色、暗灰色 連続したを伴う
下層雲層積雲 そうせきうん
Stratocumulus, Scうね雲 かさばり雲 くもり雲
白色や灰色 団塊状、ロール状 視直径5度以上の塊
層雲 そううん
Stratus, St霧雲
白色、灰色 ぼやけた霧状
積雲 せきうん
Cumulus, Cu綿雲 積み雲 入道雲
白色で濃い陰影をもつ 下面が水平 上面がドーム形 対流により上空へ発達する
積乱雲 せきらんうん
Cumulonimbus, Cb雲 入道雲 かなとこ雲
白色で濃い陰影をもつ 上空へ大きく発達したもの 下面が水平 上面がドーム形またはつぶれ横に広がる 強い雨やを伴う

なお、乱層雲は上層や下層にもつながっていることがある。高層雲は上層にもつながっていることがある。発達した積雲や積乱雲は雲頂が中層や上層に達する[38]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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