科学史家・精神病理学者の小俣和一郎によると、国民皆保険制度の下で、薬や注射などの現物には公定の報酬が支払われたものの精神療法のような目に見えない技術に対しては非常に低い報酬しか設定されなかった。このことが日本における精神医療の質の低下を招いたとしている[2]。
後に精神障害者患者会の設立のきっかけになったケースもある(「精神病」者グループごかい)[3]。 集団精神療法からは、自己啓発セミナー、組織開発、コーチングなどが派生している[1]。こうした民間の実践は営利目的で資格もないため、集団心理療法を理解していなかったり倫理観に問題のあるファシリテーターもおり、問題も少なくない[1]。集団精神療法のTグループでは、民主主義や人権尊重、集団と個人の位置づけを組織にすることが倫理の基本となっていたが、金儲けを目的にテクニックを利用した者はそうした倫理を持っておらず、刑事事件になった例もある[1]。
派生
脚注[脚注の使い方]^ a b c d e 中原淳・中村和彦 南山大学 人間関係研究センター 公開講演会「組織開発」再考 理論的系譜と実践現場のリアルから考える
^ 精神医学の歴史 小俣和一郎 第三文明社 2005年 ISBN 9784476012521 p226
^ 精神障害者たちが自立へ団結、松山・味酒診療所の「ごかいコンツェルン」 毎日新聞 1981年2月18日
関連項目
治療共同体
外部リンク
⇒日本集団精神療法学会
表
話
力動精神医学
精神分析
アドラー派心理療法
ユング派心理療法
認知と行動
行動療法: 認知行動療法 (認知療法・弁証法的行動療法)
論理療法; 臨床行動分析 (機能分析心理療法)
人間主義
来談者中心療法
感情焦点化療法
実存療法