集団免疫
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しかし、学齢期の児童に予防接種を優先的に行うことで、高齢者の感染と死亡率を減らすことができる[8][33]

百日咳の予防接種を乳幼児の周囲にいる人が受けると、その個人の健康を守るだけでなく、百日咳による合併症のリスクが最も高い、ワクチンを接種するには幼すぎる乳幼児の百日咳が減少する[35][36]。乳幼児への伝染の大部分は身近な家族から起こるため、このことは特に重要である[8][28]。加えて母親が妊娠中に百日咳の予防接種を受けることで、生後2カ月でワクチンを接種できるようになるまで、母体移行抗体により赤ちゃんに短期的な保護を与えることができる[14][37]

風疹は、妊婦が罹ると赤ちゃんに深刻な障害が起こるが、周囲の人が予防接種を受けると、その人が風疹に罹ることを防ぐと共に集団免疫が高まり、妊婦の感染を予防できる[15][38]。日本では成人男性(1962年4月 - 1979年4月に生まれ)に感染や予防接種による免疫がなく、流行が繰り返し起きている[38][10]。2018年12月より、この世代への追加接種が始まったが、新型コロナの流行もあり、接種率は伸びていない[39][40][38]

HPVワクチン定期接種は、日本では女性のみだが、免疫のない女性を守る集団免疫の効果や、男性自身の病気も防げるため、世界保健機構(WHO)やアメリカ疾病管理予防センター(CDC)は男女共に予防接種を奨励している[41][42]HPV(ヒトパピローマウイルス)は子宮頸がんや、中咽頭がん肛門がん陰茎がんの原因になり、子宮頸がんの95%、中咽頭がんの75%がHPVが原因だと言われている[43][44]。男性の子宮頸以外のHPVに関連する癌は、女性の接種率が高ければある程度減少するが、男女へのワクチン接種がより効果的である[45][46]。そのため、海外では男性も無料接種の対象にする国が増えており、日本でも男性の定期接種化を求める活動が行われている[44][47][48][49]。「ヒトパピローマウイルスワクチン」および「ワクチン忌避#HPVワクチン」も参照
病気の根絶1982年、乳熱に特徴的な姿勢をとる牛疫のウシ。牛疫は、2001年にケニアで報告されたのを最後に、2011年に「根絶」が宣言された。

ある集団において十分な期間、集団免疫が確立され維持された場合、その病気は必然的に排除され、流行は発生しなくなる[12]。世界中で病気の排除が達成され、発生数が永続的にゼロになれば、その病気は「根絶」と宣言される[13]。したがって病気の根絶は、感染症の拡大をコントロールする公衆衛生の取り組みの、最終的な影響または結果であると考えることができる[13][8]

根絶の利点には「病気の罹患率と死亡率をなくすことができる」「個人や医療提供者、政府にとって経済的な節約になる」「病気のコントロールに使われていたリソースを他の物事に充てることができるようになる」ことが挙げられる[13]。これまでに、感染と予防接種の集団免疫により根絶された病気は、牛疫天然痘の2つである[1][8][50]。現在、ポリオに対しても集団免疫による根絶の取り組みが行われているが、市民の現代医療に対する不安や不信が根絶を困難にしている[1][51]。予防接種する人が少ない場合、予防接種の義務化は撲滅活動にとって有益である可能性がある[52][53][54][55]
議論
集団免疫と個人の利益集団免疫は、 健康上の理由で予防接種を受けられな人を保護する。

予防接種には、「自分自身を守る(個人防衛)」と「周囲の人を守る(集団免疫、社会防衛)」の2つの目的がある[6][56][57][58][59]


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