隠密剣士
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柳生新陰流を極めた剣士。両親の顔は覚えておらず、9歳から呑海和尚に養育された。堅苦しい生活を嫌って浪人としての暮らしを選び、秋草新太郎と名乗っている。幕府老中・松平定信からの要請もあり、まだ少年期の異母弟・家斉の治める世の平和を安定させるべく、公儀隠密として北は蝦夷から南は九州まで、全国を旅しながら天下泰平の世を戦乱の渦に巻き込もうと企む甲賀風摩根来衆などの忍者集団と対決する。それらと戦う理由については、徳川家のためという訳ではなく、「私が守るのは将軍家でもなければ徳川の権力でもない。この世の中に生きる民百姓の安らぎを守るため[16]」と発言している。正確な年齢は描かれていないが、第1部で公儀隠密として蝦夷地で指名手配された際の情報から24、5歳と思われる[17]。第4部『忍法闇法師』で孤児となった馬場周作を一時的に預かって手習いなどを教え、父親代わりとなって養育した。
霧の遁兵衛(きりのとんべえ、演:牧冬吉
第3部『忍法伊賀十忍』から最終の第10部『変幻忍法帖』に登場。江戸幕府に仕える公儀隠密の伊賀同心伊賀忍者)200人のひとりで、伊賀同心三ノ組の組頭代わりを務める。秋草を『秋草様』と呼び、秋草が敵の罠に陥った際に本来の自分の任務を放り出して救出に駈けつける時もあるなど、様々な場面で秋草を手助けする。生まれは伊賀国の喰代(ほうじろ)で、師匠は伊賀忍者の上忍・名張半太夫。得意の忍術は霧のような濃い白煙で敵の視界を塞ぐ霧遁の術。周作少年を「周作坊」と呼び、忍者に興味津々の周作に忍者講釈をするなどして可愛がっている。刀を逆手に持つ構えは演じる牧の提案によるもの[18]
馬場周作(演:大森俊介)
第2部『忍法甲賀衆』で初登場し、以降は第4部から第6部、第8部から第10部にかけて登場。甲州の山奥育ちの少年。武田家に仕えた名将・馬場信房子孫である馬場信勝の息子で、年齢は10歳前後。父・信勝が甲賀忍者に拉致された事件をきっかけに秋草と知り合う。第4部で父を病で亡くし、一時的に秋草に引き取られた。活発で機知に富み、秋草や遁兵衛の窮地を救うこともしばしば。秋草と遁兵衛をそれぞれ「おじちゃん」「遁兵衛さん」と呼び、秋草を父のように、遁兵衛を兄のように慕っている。普段は秋草の屋敷(その後は秋草と共に西念寺に移る)で生活しているが、秋草の周囲に危険が及びそうな時は松平定信の下屋敷や光信女が住職を務める小田原尼寺に預けられる。最終的には第10部でその光信女と朧のいる尼寺に引き取られた。演じた大森俊介は第1部の第3話で蝦夷地に住む開拓民の息子で周作という同名の少年役でも出演している。映画『隠密剣士』ではスケジュールの関係で竹内満が演じ、2作目の映画『続隠密剣士』では大森俊介が演じた。
松平定信(演:第1部と第2部は美川洋一郎、第3部・第4部・第10部は大宮敏、第8部と第9部、映画版は加賀邦男
天明7年(1787年)から少年期の将軍家斉のもとで老中首座と将軍輔佐役を務める。第1部では幕府の財政建て直しのため、豊富な資源が眠るといわれた松前藩の領地である蝦夷地の探索を秋草に依頼。第2部では甲州の山の中にあるとされる武田信玄の残した隠し金山の正体不明な管理者と背後の黒幕の探索を依頼。第3部では将軍職を狙う尾張藩の陰謀を阻止するために京坂巡視の旅へ出たが、定信の暗殺を尾張藩より命じられた忍者集団・伊賀十忍に東海道で命を狙われた。家斉の異母兄である秋草の方が立場が上なので秋草を「信千代様」又は「信千代君(のぶちよぎみ)」と呼び、秋草からは「定信」と呼ばれている。
呑海(どんかい、演:宇佐美淳
第2部、第3部、映画版に登場。服部半蔵で知られた服部氏菩提寺である西念寺の住職で、少年時代の秋草を養育した。松平定信とも親しく、定信に力を貸してやって欲しいと秋草に頼んだ。秋草を「若」と呼び、秋草からは「じい」と呼ばれている。
光信女(こうしんにょ、演:三影千絵)
第5部、第6部、第10部最終話に登場する小田原の尼僧。約190年前(1603年)に風摩一族の隠れ家を密告して風摩が滅亡するきっかけを作った向坂甚内の子孫にあたる相州屋伝造の義理の妹。第5部では北条早雲の残したとされる黄金百万枚の隠し場所を示す「火竜の鏡」を所持していたことから風摩一族に狙われる。第10部で周作少年を引き取った。
甲賀竜四郎(こうが りゅうしろう、演:友田輝)
第2部『忍法甲賀衆』に登場。甲賀忍者の始祖である『甲賀三郎』の子孫で、忍者集団・甲賀十三人衆の頭領。尾張徳川家からの指示で幕府を転覆させる軍資金を得るため配下の忍者に甲州の人々を拉致させて甲武信ヶ岳の隠し金山で採掘作業をさせていた。金山の謎を解くため甲州街道を進んでいた秋草を抹殺するべく配下の忍者を次々と送り込んだ。得意技は大きなに乗って空から地上の敵へ爆弾を降らせる『忍法まんじ凧』。かつて一人の忍者がを落として大軍も背走させたという戦国時代の忍者全盛期を、尾張藩を利用して復活させようという野望を持っており、『隠密剣士』に登場する敵側の忍者は、平和な時代には無用である忍者が活躍できる戦乱の世の中にすることが最終目標という点でほぼ共通している。
百々地源九郎(ももち げんくろう、演:勝木敏之
第3部『忍法伊賀十忍』に登場。伊賀国の名張の里にある卍谷で鍛錬を積む忍者集団・伊賀十忍の頭領で、約190年前(1605年)に幕府に反乱を起こして逃亡した伊賀同心・百々地三之丞の子孫。霧の遁兵衛に「神速不変。日本一の忍びの者と聞き伝わる恐るべき術者」と評される上忍。将軍職を狙う尾張徳川家から松平定信の暗殺を命じられ、京坂巡視の旅へ出た定信の命を狙って東海道で秋草と戦う。源九郎は、定信の暗殺後に幕府が弱体化し、天下を治める器量のない尾張大納言が将軍職を狙えば、天下を狙う野望を持った日本各地の諸大名が立ち上がって天下泰平の時代が終わると読んでおり、最終的には幕府も倒して忍者が最大限に能力を発揮して栄華を誇った元亀天正の時のような戦国時代へ世の中を戻そうという野望を持っている。
甲賀白雲斉(こうが はくうんさい、演:小林重四郎
第4部『忍法闇法師』に登場する甲賀忍者集団・闇法師の頭領。「伊賀の百々地、甲賀の白雲斉」と評されるほどの上忍。尾張藩を陰から動かす黒幕・闇の御隠居に仕える。尾張徳川家から将軍を出すため、全国の譜代大名に家斉の将軍退位をせまる連判状に署名させようと闇の御隠居と共に中山道を進み、秋草に恨みを持つ『伊賀十忍』の生き残りである水口幻斉を客分として『闇法師』へ迎え入れ、中山道を追ってくる秋草の命を狙わせた。
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