階級_(生物学)
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例えば、Kenrick とCrane (1997)における植物の分類体系では、亜界と門の間に「下界 infrakingdom」および「上門 superdivision」を、亜門と綱の間に「上区 supercohort」や「区 cohort」、「亜区 subcohort」、「下区 infracohort」および「上綱 superclass」を置いたが[16]、これは国際藻類・菌類・植物命名規約 第4.3条のもと認められる。それぞれの階級を略記 (abbreviation)したい場合、cl.(綱)、ord.(目)、fam.(科)、tr.(連)、gen.(属)、sect.(節)、ser.(列)、sp.(種)、var.(変種)、f.(品種)と表記し、補助的なランクでは、「亜種」であれば subsp. のようにそれぞれに「sub-」をつけて示す[17][18]。ただし、亜属のみ subg. であって subgen. は誤りである[17][18]

以下に規約中で示されるすべての階級を示す[12][13]。上記の通り、これ以外の階級も認められる。

国際藻類・菌類・植物命名規約における分類階級
(太字が一次ランク、普通の字体が二次ランクおよび補助的なランク)
日本語ラテン語英語
regnumkingdom
亜界subregnumsubkingdom
phylum または divisiophylum または division
亜門subphylum または subdivisiosubphylum または subdivision
classisclass
亜綱subclassissubclass
ordoorder
亜目subordosuborder
familiafamily
亜科subfamiliasubfamily
tribustribe
亜連subtribussubtribe
genusgenus
亜属subgenussubgenus
sectiosection
亜節subsectiosubsection
列seriesseries
亜列subseriessubseries
speciesspecies
亜種subspeciessubspecies
変種varietasvariety
亜変種subvarietassubvariety
品種formaform
亜品種subformasubform

国際動物命名規約

国際動物命名規約 (ICZN Code)において規制される階級は「科階級群」、「属階級群」および「種階級群」の3つのみである[19][20]科階級群(かかいきゅうぐん、: family group、: niveau famille、旧訳は「科グループ」)とは「上科,科,亜科,族,その他上科よりも低く属階級群よりも高い,必要に応じた任意の階級(たとえば亜族)に位置するタクソン」[21][22]属階級群(ぞくかいきゅうぐん、: genus group、: niveau genre、旧訳は「属グループ」)とは「属・亜属の階級にあるタクソン」の集合[23][24]種階級群(しゅかいきゅうぐん、species group、旧訳は「種グループ」)とは「種および亜種の階級にあるすべてのタクソン」を表す[25][26]

寄集群(きしゅうぐん、collective group)や属階級群を表す生痕化石タクソンは属階級群名として用いられる[23][24]

また種の前後に、種集群および亜種集群を挿入することができる(それぞれ種小名、亜種小名として扱われる)[27][28][29]集群(しゅうぐん、aggregate)とは、属内の種の集合のうち亜属以外のもの、または亜属内の種のなんらかの集合、種内の亜種のなんらかの集合を指す[30][31]。集群を丸括弧にいれた種階級群名によって表示してもよいとされ、亜属より下位で種より上位、種より下位で亜種より上位の学名を表示することができる[31][29]。種集群の指す階級は著者が示すことができ、例えば種集群名に「上種 superspecies」を、亜種集群名にexerge をというように、命名規約上定められていない階級の意味を与えることができる[32][33][34][35][29]

また、現在の規約(第4版)においては、国際藻類・菌類・植物命名規約とは違い、亜種より下位の変種(へんしゅ、: variety, : varietas)および植物の品種にあたる型(かた、: form, : forma)は、両階級とも1960年よりも後に公表されたものであれば、亜種よりも低い階級を示すと見なされるため認められず、1961年よりも前に公表されたもので亜種より下位に置かれていないならば(型の代わりに)亜種とみなされる[36][37][38][39][40][41]

これを整理すると、以下のようになる[22][24][26]。なお、科階級群には任意の階級を置くことができるため、族の上、亜科の下に上族 supertribeを置くことができるが、規約中にこの用語はないため[22]、下表では表示しない。

国際動物命名規約に認められる分類階級
群 group日本語英語
科階級群
family group
上科superfamily
科family
亜科subfamily
族tribe
亜族subtribe
属階級群
genus group
属genus
亜属subgenus
種階級群
species group
種集群aggregate of species
種species


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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