陸軍中将
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また、成立・活動内容の都合上、構成員を武官(ただし士官のみ)としている公衆衛生局士官部隊[注釈 18]海洋大気庁士官部隊[注釈 19]にも同様に中将の階級が存在する。ただし、前述の「五軍」においては中将の階級は恒常的に存在・運用されており、複数人の将官が中将に任じられているのに対し、公衆衛生局士官部隊で中将の階級をもって充てることとされているのは長(司令官)である公衆衛生局長官1人だけである。また、海洋大気局士官部隊に至っては、最高位である長官(司令官)は少将(Rear Admiral upper half)の階級をもって充てられており、過去には中将に昇る者があったものの、現在では事実上廃止(In-active)された階級となっている。

同じ英語圏であるイギリスと比較すると、陸軍中将・海兵隊中将は“Lieutenant General”、海軍中将は“Vice Admiral”と呼ばれるなど共通点がある一方で、空軍中将に関してイギリス空軍では“Air Marshal”と呼称されるのに対し、アメリカ空軍では陸軍・海兵隊と同じ“Lieutenant General”と呼ばれるなど相違点もある。中将の階級が存在する七武官組織における中将位の呼称は以下の通りとなっている。

陸軍:Lieutenant General

陸軍において実質上のナンバー3である作戦企画担当陸軍参謀副長は中将があてられる。慣例的にこのポストについた中将のほとんどが大将に昇進している。


海軍:Vice Admiral

空軍:Lieutenant General

海兵隊:Lieutenant General

沿岸警備隊:Vice Admiral

公衆衛生局士官部隊:Vice Admiral

海洋大気庁士官部隊:Vice Admiral

ちなみに、1866年まで中将位は無く、少将から大将(当時の呼称はGeneral in chief)に昇任していた。アメリカ独立戦争で植民地軍を率いた総司令官であり、アメリカ合衆国建国後はその初代大統領となったジョージ・ワシントンの最高階級は大将である。

これは、当時のアメリカには、平時には少将を最高位とする規定が存在したため、ワシントンに対しては前述の通り、当時、中将位が無く、それを超える「破格の待遇」として大将の階級をもって遇したものである。しかし時代が進むにつれて、中将や大将の階級が常設され、さらには元帥がされるようになると、ワシントンを階級的には追い越してしまう軍人が続出する事態が生じた。これを憂慮したアメリカ政府と軍は、1976年にワシントンに大元帥(5つ星を超える6つ星相当)を追贈して、彼が永久的にアメリカ合衆国の歴史上最高位の将官であるとする規定を定めたのである。
現在のアメリカ軍における中将位と任務

現在のアメリカ軍では、中将クラスの将官をもって充てることとされているポストは、以下のようなものが挙げられる。他国の軍隊に比して規模が大きいアメリカ軍では、同じレベル・単位の部隊であっても、指揮官にはより上位の階級の将官をもって充てているケースが見られる。

統合軍に代表される統合任務分野では、統合参謀本部事務局長(Director of the Joint Staff)や国防長官付上級軍事補佐官(Senior Military Assistant to the Secretary of Defense)、統合参謀本部議長付補佐官(Assistant to the Chairman of the Joint Chiefs o Staff)などに代表される上級レベルの参謀・補佐官職、実働部隊における統合軍の副司令官(deputy commander)のように、大将級ポストを補佐するナンバー2の役割を担う役職に中将が充てられていることが多い。また、国防情報局(DIA)長官やミサイル防衛局(MDA)長官のように、軍と密接な関係にある国防総省部局の長官職も中将をもって充てられているケースがある。

各軍については以下のようになっている。

陸軍では、陸軍参謀本部の事務局長(Director of the Army Staff)や各陸軍参謀次長(Deputy Chief of Staff)には中将が充てられている。これは後述する海軍作戦本部や空軍参謀本部、海兵隊総司令部でも同様である。また、各統合軍隷下の陸軍部隊(クラス、例えば中央軍隷下の第3軍など)や軍団(例えば第1軍団など)クラスの部隊司令官には中将が充てられている。また、陸軍州兵局長(Director of the Army National Guard)や陸軍予備役司令官といった非現役部隊の司令官、あるいは陸軍法務部長(Judge Advocate General of the United States Army)、陸軍医務総監(Surgeon General of the United States Army)など主要な後方支援部隊の司令官も、役割の重要性増加などにより中将をもって充てられている。

イギリス

英語では、陸軍中将は"lieutenant general"である。"lieutenant"は代理者を意味するから、陸軍大将(general)の1つ下の階級として、("lieutenant"という名詞の形容詞的用法として)このようなネーミングになっているかのようにも思えるが、沿革的には、ここでいう"general"は名詞(「大将」「将軍」の意味)ではなく後置修飾としての形容詞(「総?」の意味)であった。

陸軍:Lieutenant General

海軍:Vice Admiral

空軍:Air Marshal

海兵隊:Lieutenant General

ドイツ

陸軍:Generalleutnant

海軍:Vizeadmiral

空軍:Generalleutnant

中華民国国軍

台湾の中将は少将と上将の間の階級、中将の主な役職、軍団の司令官[41]、地域司令官、防衛司令部の司令官。

中華民国陸軍中将

中華民国海軍中将

中華民国海軍陸戦隊中将

中華民国空軍中将

中国人民解放軍

中国語版中国人民解放軍中将のページも参照の事。

中国人民解放軍陸軍:中将

中国人民解放軍海軍:海軍中将

中国人民解放軍空軍:空軍中将

中国人民武装警察部隊:武警中将

中国人民解放軍における中将は、1955年から1965年にかけての階級制度下においては177人の高級将校が授与された。1988年に階級制度が復活して以降は、2012年までに689人が授与されている。(最終階級上将の将校も含む。)現役では2013年7月31日時点で(陸軍)中将が86人、海軍中将が15人、空軍中将が22人、武警中将が10人で全軍合わせて133人いる。

四総部では総参謀部副総参謀長及び助理、総政治部副主任及び主任助理、総後勤部副部長及び副政治委員、総装備部政治委員及び副部長等が充てられる。

七大軍区では軍区司令員、軍区政治委員、軍区副司令員、軍区副政治委員、軍区参謀長等が充てられるが、軍区司令員または軍区政治委員経験者は上将に昇進する例が多く、最低いずれか2年間以上務める事が上将昇進の条件となっている。軍団に相当する集団軍も、司令員は中将をもって充てる事も可能であるが、実際はほとんど少将の指定職となっている。

海軍、空軍、武装警察部隊では副司令員、副政治委員、参謀長等が共通の指定職であり、それに加えて海軍では艦隊司令員、艦隊政治委員、空軍では軍区空軍司令員、軍区空軍政治委員、武装警察部隊では政治部主任が個別の指定職となっているが、艦隊司令員や軍区空軍司令員等は軍管区副司令員との兼務職である。

なお、副のつく役職は1人だけでなく、複数の将校が充てられている役職である事が多い。



イスラエル詳細は「イスラエル国防軍の階級」および「参謀総長 (イスラエル国防軍)」を参照

イスラエル国防軍における中将相当の階級、陸海空軍共通で「ラヴ・アルーフ」(??-????,Rav Aluf)は、イスラエル国防軍における最高位の階級で(大将以上の階級はない)、陸海空全軍を通してただ一人参謀総長のみに授与される。目下のところ、陸軍空軍からの出身者のみで海軍出身の参謀総長はいないが、海軍の階級章自体は制定されている。
ポルトガル

陸軍および空軍の現行の呼称は1999年以降のものである。それ以前は大将とは階級章が3つ星か4つ星かの違いだけで、一括りにGeneralと呼称されていた。

陸軍 : Tenente-general

海軍 : Vice-almirante

空軍 : Tenente-general


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