陸上競技
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トルソー(ここでは頭、首、腕、手及び足を含まない部分を示す)のいずれかがフィニッシュラインのスタートラインに近い端を含む垂直面に到達した時点で走者のフィニッシュとされる[30]。なお、トルソーと首の境界は胸部上部の凹部と第7頸椎の突起部を結んだ線であり腕との境界肩胛骨の外端である[30]

写真判定装置を用いる場合、10000メートル以下の競技では、1000分の1秒以下を100分の1秒に繰り上げる。10000メートルよりも長い競技では、100分の1秒以下を10分の1秒に繰り上げる。また、一部でも競技場外で行われるレースにおいては、10分の1秒以下を秒に繰り上げる。

手動計時の場合は、トラック種目の場合は100分の1秒以下を10分の1秒に繰り上げ、一部でも競技場外で行われるレースにおいては、10分の1秒以下を秒に繰り上げる。また、3個の時計のうち2個が一致する場合はそのタイムが記録となり、全て異なる場合は真ん中のタイムが記録となる。尚、時計が2つのときは遅いほうのタイムを記録とする。そのため、同じ着順の計時を複数名で担当する。

距離の単位について(トラック競技)


基本的に競技場内で行われる競技はメートル、公道へ出る競技はキロメートルで表される。

距離の計測について(フィールド競技)


センチメートル未満を切り捨て、メートル単位で記録する。

風速の測定について

風速は、各種目下記の秒数計測し、100分の1メートル以下を10分の1メートルに切り上げる。

60メートル スタートから5秒間

100メートル スタートから10秒間

200メートル 先頭の選手が直線に入ってから10秒間

100メートルハードル スタートから13秒間

110メートルハードル スタートから13秒間

走幅跳 踏み切り板から40メートル離れ、助走路のそばにあるマーク通過から5秒間で、競技者の助走が40メートル未満なら助走開始時から5秒間。

三段跳 踏み切り板から35メートル離れ、助走路のそばにあるマーク通過から5秒間で、競技者の助走が35メートル未満なら助走開始時から5秒間。

測定器はトラック競技の場合は1レーン側のトラックから2メートル以内のフィニッシュラインから50メートルところに設置し、フィールド競技の場合は踏み切り板から20メートルのところで、助走路から2メートル以内のところに設置する。また高さは、トラック、フィールド共に1.22メートルのところで測定する。
競技時の服装について競技時の服装の例

服装は濡れても透けないもの。

前と後ろにナンバーカード(旧呼称:ゼッケン)をつける[注 2]

普通、数字で1桁から4桁。ロードレースでは5桁も。

小規模の開催では選手側が用意する。

ある程度の大会(予選会や標準記録があり参加者が限られるもの)では開催名やスポンサー名の入ったナンバーカードが配られることがある。

最近は競技会、種目によって(セパレートレーンの短距離走やフィールド種目などで)はナンバーカードをつけないことがある。


トラック競技は写真判定のためにレーンナンバーを示す腰ナンバーカードをつける(リレー種目はアンカーのみのことが多い)。

ちなみに、最近の腰ナンバーカードは直ぐに取り外しできるよう(レーンが決まるのはレース直前であるから)シール状になっていることが多い。このシールは特にスパッツの生地には全く馴染まないため競技開始直後に剥がれることが多く、オリンピックや世界選手権の決勝レースにおいてもスタートと同時に選手が白いナンバーカードを「落とす」光景が見られる。そのため、水濠で足が濡れることでよりシールが剥がれやすくなってしまう3000メートル障害では太ももなどの地肌に直接ナンバーシールを貼る選手もいる。


主な失格について

トラック競技で、一度でも
不正スタートの責任を有する競技者。ただし混成競技(国内ルールでは道路競走、駅伝競走を加える)では、1回の不正スタートの後、2回目以降に不正スタートをした競技者。

1回目の不正スタートが即失格となるこのルールは、2010年1月よりWA主催大会で適用されている。日本国内でも2010年度から3年間は試行的に適用され、2013年度以降は日本陸上競技連盟主催・共催の全大会(小学生を除く)で適用されている。地区大会は各陸上競技協会の判断によるが、新ルールの適用が推奨される。フライング判定装置の設置が原則となるが、装置がない場合は目視とビデオ映像で判定する。日本学生陸上競技連合も日本学生陸上競技個人選手権大会と日本学生陸上競技対校選手権大会の両大会で新ルールが適用されている。2011年世界陸上の男子100メートル決勝で、世界記録保持者のウサイン・ボルトが不正スタートで一発失格となったことからこの新ルールが注目された[31]

2003年から導入された各レースで1度フライングがあった後は2度目以降が誰でも失格になるルールは、1回目のフライングが失格にならない事を逆手に取り、駆け引きのため故意にフライング出来る事が問題視されていた[32]

全国小学生陸上競技交流大会では、同一競技者が2回不正スタートを行った場合に失格となる。


他の走者の進路を故意に塞ぐ等、他の競技者の妨害をすること。

オープンレーンのトラック競技において、走者が競技中に他の走者以外の者と接触すること(部外者の手助けを受けたとみなされるため。競技中の走者同士であれば手助けをしても構わない)。

オープンレーンのトラック競技において、指定のレーンよりも内側に侵入すること。

セパレートレーンのトラック競技において、競技中に自身のレーンを逸脱すること。

リレー走で、バトンの受け渡しをテークオーバーゾーン外で行うこと。

リレー走で、バトンパスを成立させていないとき(受け取る走者に触れる前に落としたバトンを受ける走者が拾う、投げ渡す等)。

ハードル走で、ハードルをはみ出して低い位置で跳んだり、ハードルを故意に倒すなど。

指定時刻までに招集(競技開始前の点呼)に応じないとき。

禁止された薬物等を使用すること。

性別を偽って競技に出場すること。

その他、定められた失格行為に至ること。

国際競技会における走種目のスタート合図について

スターターは
英語フランス語・開催地の言語のいずれかで合図を行う。

400m以下の場合、スターターはまず「位置について(On your marks)」と言って選手をスタート位置につかせる。その後、スターターは「用意(Set)」と言って選手にクラウチングスタートの姿勢を取らせ、スターターピストルを撃つ。

400mを超える場合、スターターは「位置について(On your marks)」と言って選手をスタート位置につかせ、選手がスタンディングスタートの姿勢になっているのを確認してからスターターピストルを撃つ。


2006年度の競技規則改正により、下記の競技会においてはスターターによる合図を英語に統一することになった。

世界陸上競技選手権大会オリンピックおよびワールドアスレティックスコンチネンタルカップ

世界選手権は2007年の大阪大会、オリンピックは2008年の北京大会から適用される。


WAが独占統轄権をもつ陸上競技選手権大会

上記以外の国際競技会については、従来どおり開催する国や地域の言語、英語またはフランス語で合図する。


公認種目、公認記録の扱い

公認種目はWA等が公認した種目で、その種目において世界で最高の記録が出ると、WAによって
世界記録として認められる。この認定権はIAAFが保持している[33]。また、公認種目以外の種目では「世界最高記録」として扱われる。公認種目では、公認記録(世界記録、各国記録、各種大会記録)として100メートル、200メートル、100メートルハードル、110メートルハードルと走幅跳三段跳の場合は追い風2.0m以内であれば公認記録となる。追い風2.0mを超えると各種大会の順位付けの記録は付くが、公認記録としては認められず「追い風参考記録」にとどめられる[31]

混成競技では、風速を計測する種目の平均風速が追い風2.0m以内であれば混成競技の記録として公認され、そうでなければ「追い風参考記録」となる(2010ルール改正)。

WAの競技規則に沿った競技会での記録でないと、公認記録とならない[34]

国際競技連盟

1912年の創設以来、ワールドアスレティックス(WA)が陸上競技の国際競技連盟となっている。創設当初は「国際アマチュア陸上競技連盟」(IAAF、International Amateur Athletic Federation)という名称であったが[35]、1970年代後半にスポーツがアマチュアリズムからプロフェッショナリズムへと移行したことを反映して[6]、2001年にはアマチュアの名称を削除し、「国際陸上競技連盟」(International Association of Athletics Federations、略称は同じくIAAF)に変更された[36]。さらに2019年11月に再度名称を変更し、現名称となった[37]

WAには215の加盟国と地域があり、六大州それぞれに統括する競技連盟が存在する[38]。6つの大陸連盟は、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、オセアニア、北アメリカ、南アメリカである。WAの本部は1993年以降モナコにおかれている[36]


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