防衛
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国境防衛は国境において侵略する敵を待ち受けてこれを排除する防衛方式である。しかし国境線に長大な築城を施すことは実践上問題があり、また侵略開始の際に第一線の部隊にはほぼ必ず損害が出るため、国境防衛を達成することは一般的に困難である。

国土防衛は国境を越えて国土に侵略する敵を排除する防衛方式である。国土が戦場になるため、被害が発生しやすい。また国土面積や地形を活用した防御を行いやすい。

防衛と政治

防衛において、政治が打ち出す政戦略は戦争指導に決定的な影響を与える。これは、その国の政軍関係政策にもよるが、現代の民主主義国家の多くが軍隊の最高指導者が政治家となっているためである。この政治的リーダーシップが明確な方向性を打ち出すことが出来て初めて軍隊に採るべき作戦戦略を決定させ、部隊の戦闘行動に大まかな指針を与える。

また国民士気や軍事要員の士気にも政治的リーダーシップが大きく関わっており、あらゆる方面での防衛活動を整合させるのに不可欠な要素である。
防衛と地理

防衛ではその国家の地理的に置かれている環境が常に重要になってくる。

国土の形態には、まず団塊形態と伸長形態があり、国土面積が等しくても

伸長形態の方が団塊形態よりも多大な軍備を要求する。

また海洋との位置関係では、その国土と海洋の接触する方向の数から

一海洋型、

ニ海洋型、

三海洋型、

多海洋型

に大別され、陸上戦力の移動を阻み、海上戦力の移動経路となる。

大陸との位置関係ではその周囲の陸地との関係から、隣接的位置と

孤立的位置

に大別され、隣接的位置はその接触している方面の数から

一面的隣接関係、

二面的隣接関係、

多面的隣接関係

に分類される。一般的に孤立的位置が最も陸上戦力の侵攻を阻むために防衛に適していると考えられる。

また地勢からは平地国と山地国に大別され、

山地国は総じて地形による侵略の障害が豊富であるが、攻勢転移がしばしば困難になる。

また平地国は交通が便利であるために地勢が侵略を阻まない。

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 侵略の概念には国際政治学的な定義も与えられているが、軍事学的な定義としては価値中立の見地から武力を用いた先制攻撃であると定義しており、その政治目的や経緯は問わない。

出典^ 敵領土に侵攻すれば、その時点でそれは軍事学においては侵略であると考えられる。

参考文献

服部実
『防衛学概論』(原書房、1980年(昭和55年))

田岡良一 『国際法上の自衛権』(勁草書房

横田喜三郎 『自衛権』(有斐閣

筒井若水 『自衛権』(有斐閣)

小林宏晨 『自衛の論理』(泰流社)、『国防の論理』(日本工業新聞社

安田寛・西岡朗・宮澤浩一井田良・大場昭・小林宏晨 『自衛権再考』(知識社)

佐瀬昌盛 『集団的自衛権』(PHP新書

林修三中村菊男 『自衛隊と憲法の解釈』(有信堂

関連項目

安全保障

集団的自衛権

軍事学 - 防衛学

攻撃 (軍事) - 攻勢作戦

侵攻 - 侵略 - 直接侵略 - 間接侵略

ミサイル防衛

専守防衛 - ハリネズミ防衛論


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