2010年3月14日のダイヤ改正以降はさらに発着駅を増やし、宝塚本線や今津線からの直通列車が運転されることになり[3]、同年春より運転されていた。2011年5月14日のダイヤ改正以後は大阪市営地下鉄堺筋線(現在のOsaka Metro堺筋線)からの直通列車も設定された。
各年ごとの詳細は以下の通り。 2008年11月、阪急自身による嵐山誘客キャンペーンの一環として臨時列車が設定された。運転日は11月17日から21日までの5日間(すべて平日)で、1日1往復の運転であった[4][5]。 使用された車両は西宮車庫所属の7000系6両編成で、ヘッドマークは急行の運行標識板に似た赤丸に「臨時」の赤文字と黒文字で右に「嵐山」、左に「西宮北口」のマークで、側面にはステッカーが貼付された。種別幕は「臨時」、方向幕は白地の表示であった。車内の停車駅案内図も、この臨時列車のための専用の停車駅案内図が用意された。 運転区間は西宮北口駅 - 梅田駅 - 嵐山駅間で、神戸本線西宮北口駅 - 十三駅間と嵐山線内は各駅に停車し、京都本線内(梅田駅 - 桂駅間)はノンストップ運転となった。往復共に十三駅での客扱いは神戸本線ホームで行い、また列車を方向転換させるために梅田駅6号線にも乗り入れたが運転停車とし、客扱いは行わなかった。嵐山駅到着後は夕方に折り返すまで、そのまま同駅に留置された。 なお、この臨時列車については通勤特急ほかすべての列車が停車している高槻市駅は通過となっており、これ以降現在までこの手の臨時列車については高槻市駅は通過である。なお、営業列車の高槻市駅通過は1997年のダイヤ改正以来である。 2009年春、嵐山誘客キャンペーンの一環として、神戸本線・神戸高速線・宝塚本線・千里線・堺筋線および、京都本線河原町駅(現在の京都河原町駅) - 嵐山駅間で臨時列車が運転された[6][7][8]。前年度の運転が好評だったため2009年は運転区間を拡大して設定された。神戸本線・宝塚本線からの直通列車は平日のみの運転で、日によって異なる発着駅で設定されていた。 堺筋線と嵐山線を直通する列車は初めて設定された。京都本線河原町方面と嵐山線を直通する列車は1965年頃に普通列車で運転されて以来となる[9]。神戸本線・宝塚本線と直通する列車は2008年の運転と同様に、往復共に列車を方向転換させるために梅田駅にも客扱いなし(運転停車)で乗り入れた。神宝線から京都線に乗り入れた車両は、2008年11月と同じく、西宮車庫所属の7000系6両編成が使用された。運転本数は神戸・宝塚方面からはそれぞれ1往復で、河原町駅発着は嵐山行き10本・河原町行き12本の運転であった。 秋からは土曜・休日にも神戸本線・宝塚本線からの臨時列車が設定された[10]。秋は春とは異なり宝塚本線経由の設定が廃止され、今津線経由宝塚駅発着列車が設定された。この神戸本線・今津線からの列車のスイッチバックはこれまでの梅田駅6号線ではなく、一時期使用を中止していた十三駅9号線(駅南側にある、神戸本線と宝塚本線の間の引き込み線)を使用して行なっていた。これ以降、神宝線と京都本線を直通する列車は全て十三駅でスイッチバックしている。神宝線から京都線に乗り入れた車両は、同年春と同じく、西宮車庫所属の7000系6両編成が使用された。 一方、天下茶屋駅発着については、堺筋線と千里線・京都本線が直通運転を開始して40周年となったことを記念して大阪市交通局(現在の大阪市高速電気軌道〈Osaka Metro〉)の車両が使用され、66系が6両に減車(8両編成のうち、3 - 4号車引き抜き)された上で、初めて嵐山駅に乗り入れた[11][12]。 4月29日・5月1日 - 5日・8日・9日に梅田駅・河原町駅・高速神戸駅・宝塚駅(今津線経由)からそれぞれ嵐山駅までの直通列車が運転された。2009年秋と異なり、停車駅に淡路駅が追加されている。また、正式に列車種別が設定され、梅田駅・河原町駅 - 嵐山駅間の列車は快速特急、高速神戸駅・宝塚駅(今津線経由) - 嵐山駅間の列車は直通特急であった。 神戸本線との直通列車は、十三駅でスイッチバックするため、梅田駅には乗り入れない。また、神戸本線・京都本線の両ホームで客扱い(嵐山行きは2号線→5号線、嵐山発は6号線→1号線の順)を行う。 これに加えて、宝塚本線からは特急「日生エクスプレス」梅田行き臨時列車を運転の上、十三駅で嵐山線直通列車と接続するダイヤとなった。 2011年5月14日にダイヤ改正が行われ、以下のような追加・変更が行われた[16]。 嵐山駅 - 河原町駅間の快速特急は、1運用で神戸線の車両(「あたご」の編成)を使用する。 梅田駅 - 嵐山駅間の快速特急で使用されていた6300系「京とれいん」はこのダイヤ改正から梅田駅 - 河原町駅間の快速特急での定期運用開始に伴い、直通列車の運用から外れた。 2015年春には梅田駅 - 嵐山駅間の快速特急にラッピング列車「古都」、同年秋には高速神戸駅 - 嵐山駅間の直通特急にもラッピング列車(2016年に「爽風(かぜ)」と愛称決定[18])が充当されるようになり[19]、2016年にはそれぞれの列車愛称もラッピング列車の愛称と同じ「古都」「爽風」になった[20][21]。
2008年
停車駅
西宮北口駅 - 武庫之荘駅 - 塚口駅 - 園田駅 - 神崎川駅 - 十三駅(神戸本線ホーム) - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅
2009年7000系嵐山行き臨時列車
(2009年4月15日 崇禅寺駅にて)
停車駅
宝塚本線発着川西能勢口駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅(4月13日 - 15日)豊中駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅(4月14日・15日)神戸本線発着高速神戸駅 - 三宮駅(現在の神戸三宮駅) - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅(4月20日・21日)西宮北口駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅(4月22日 - 24日)河原町駅発着河原町駅 - 烏丸駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅堺筋線発着天下茶屋駅 - (堺筋線内は各駅に停車) - 天神橋筋六丁目駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅(5月16日・17日・23日・24日)
停車駅
神戸本線発着高速神戸駅 - 花隈駅 - 三宮駅 - 六甲駅 - 岡本駅 - 夙川駅 - 西宮北口駅 - 塚口駅 - 十三駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅今津線発着宝塚駅 - 宝塚南口駅 - 逆瀬川駅 - 小林駅 - 仁川駅 - 甲東園駅 - 門戸厄神駅 - 塚口駅 - 十三駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅
2010年以降
停車駅
梅田駅 - 嵐山駅間の快速特急:梅田駅 - 十三駅 - 淡路駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅1往復にすでに定期運用を撤退していた6300系を6両編成に減車して使用した[13]。2011年3月8日からは一部列車に6300系改造の観光車両「京とれいん」を使用して、2011年5月14日の土休日ダイヤ改正実施まで暫定運行していた[14][15]。
河原町駅 - 嵐山駅間の快速特急:河原町駅 - 烏丸駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅
高速神戸駅 - 嵐山駅間の直通特急:高速神戸駅 - 花隈駅 - 三宮駅 - 六甲駅 - 岡本駅 - 夙川駅 - 西宮北口駅 - 塚口駅 - 十三駅 - 淡路駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅
宝塚駅 - 嵐山駅間の直通特急:宝塚駅 - 宝塚南口駅 - 逆瀬川駅 - 小林駅 - 仁川駅 - 甲東園駅 - 門戸厄神駅 - 塚口駅 - 十三駅 - 淡路駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾駅 - 嵐山駅
2011年5月14日以降6両に減車された大阪市交66系による地下鉄堺筋線からの直通特急
(2011年5月15日 水無瀬駅にて)高速神戸駅に停車中の直通特急「あたご」
(2011年11月23日)
新たに堺筋線天下茶屋駅からも直通特急として運行を開始した。堺筋線からの直通運転は2009年の秋以来である。
停車駅
天下茶屋駅 - 日本橋駅 - 天神橋筋六丁目駅 - 淡路駅 - 桂駅 - 上桂駅 - 松尾大社駅 - 嵐山駅
2011年春の運用車両は6両編成に減車した大阪市交66系、2011年秋以降は阪急車で、交通局およびOsaka Metro車での直特運用はなし。
神戸・宝塚方面からの直通特急と梅田駅・河原町駅からの快速特急には今回から各系統に列車愛称が与えられ、特製のヘッドマークも付けられる。それぞれの愛称は以下の通りである[17]。
快速特急 梅田駅 - 嵐山駅間:「さがの」(「嵯峨野」に由来)
快速特急 河原町駅 - 嵐山駅間:「おぐら」(「小倉山」に由来)
直通特急 高速神戸駅 - 嵐山駅間:「あたご」(「愛宕山」に由来)
直通特急 宝塚駅 - (今津線経由) - 嵐山駅間:「とげつ」(「渡月橋」に由来)
直通特急 天下茶屋駅 - 嵐山駅間:「ほづ」(「保津川」に由来。2011年秋の運転から名称がつけられた)