関東大震災
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その一方で、大阪市は東京・横浜からの移住者も加わって人口が急増し、一時的に大阪市が東京市を抜き国内でもっとも人口の多い市となった[注釈 13]名古屋市京都市神戸市福岡市も関東からの移住者によって人口が一時的に急増した。この状況は1932年(昭和7年)に東京市が近隣町村を大規模編入するまで続いた。
歴史認識問題岡田紅陽撮影による吉原遊女犠牲者の写真。2013年(平成25年)に韓国記録写真研究家のチョン・ソンギルが、関東大震災時における朝鮮人虐殺の犠牲者であるとの解説とともにこの写真を公開した[124]が、岡田紅陽写真美術館は不明な情報とした[125]

関東大震災時における朝鮮人殺害事件は、現在、歴史認識問題ともなっている。

横浜市立中学校の副読本の内容について、当該の副読本の出版社は2011年(平成23年)に、関東大震災の折にデマが原因で朝鮮人が殺害されたことについて、従来「自警団の中に朝鮮人を殺害する行為に走るものがいた」との内容だったのを、「軍隊や警察、自警団などは朝鮮人に対する迫害と虐殺を行った。横浜でも各地で自警団が組織され、朝鮮人や中国人が虐殺される事件が起きた」とする内容に改定した[126][127]。市議会ではこの変更が問題となり、横浜市教育委員会は「横浜でも軍隊や警察による虐殺があったと誤解を受ける」として、当時の指導課長を2012年9月に戒告処分としたほか、当時の指導主事らも文書訓戒とした[127]

2013年(平成25年)2月3日、韓国記録写真研究家のチョン・ソンギルが岡田紅陽が東京府の委嘱を受け撮影し、震災の89日後に発売した『大正大震災大火災惨状写真集』と私家版のアルバム所収の「吉原公園魔ノ池附近」と記された吉原遊女犠牲者の写真[注釈 14][注釈 15]を、関東大震災における朝鮮人虐殺時の写真として公開し、韓国の聯合ニュースで報道された[129][124][注釈 16]
文化

震災は文化面でも様々な影響を与えた。

谷崎潤一郎プラトン社の面々など関東の文化人が関西に大勢移住して阪神間モダニズムに影響を与えるなど大大阪時代に拍車をかけた。

食文化においては、震災によって職を失った東京の天ぷら職人が日本各地に移住したことで江戸前天ぷらが広まった。反面、関西の割烹料亭が東京へ進出するなど、震災をきっかけに関東と関西で料理人の行き来が起こって関西風のおでん種が関東に伝わった[130]。また関東は客は席に座ってから店が注文を取るやり方が主流だったが、関西で主流の客に相対するカウンター文化が広まった。

囲碁界では明治維新以降、近代的な専門棋士が集まった方円社と家元制度を維持する本因坊家が併存していたが、震災を機に団結機運が高まり1924年日本棋院が設立された。
関東大震災に関するフィクション一覧

帝都物語荒俣宏) - 帝都・東京の滅亡を目論む魔人、加藤保憲が大地を巡る龍脈を操作して関東大震災を起こした。

復活の地小川一水ハヤカワ文庫、全三巻) - SF小説。架空の惑星の大都市を襲った巨大地震とその後の復興を描く。後藤新平と帝都復興院をモデルにした人物・機関が登場する。

地震憲兵火事巡査(山崎今朝弥) - 地震雷火事親父をもじって関東大震災直後に最も恐ろしいと思ったものを並べ、当時の世論を地震流言火事暴徒と論じた。

大虐殺 - 1960年の日本映画。新東宝。関東大震災後の亀戸事件や甘粕事件、朝鮮人虐殺事件が描かれるギロチン社を題材とした作品。後に『暴圧 ?関東大震災と軍部?』のタイトルでVHSが販売されるも現在は廃盤。2021年6月に公開時と同じ『大虐殺』のタイトルでDVD化された。

実録飛車角 狼どもの仁義 - 1974年の日本映画。関東大震災から1年後の横浜が舞台。

道?白磁の人? - 2012年の日本映画。植民地朝鮮にいる主人公の浅川巧が日本にいた妻の弟から関東大震災とその直後の朝鮮人虐殺事件について聞くシーンがある。

金子文子と朴烈(パクヨル) - 2017年の韓国映画。主人公の朴烈金子文子が遭遇した関東大震災とその直後の朝鮮人虐殺事件が描かれている。

菊とギロチン - 2018年の日本映画。関東大震災後の大正時代末期が舞台。朝鮮人虐殺を生き延びた朝鮮出身の遊女も登場する。

福田村事件 - 2023年の日本映画。関東大震災後の福田村事件を描く。また事件に至るまでの朝鮮人・社会主義者に対する流言が言及されており、亀戸事件や別件の朝鮮人犠牲者も描写されている。

連続テレビ小説

おはなはん(1966年放映) - 大震災により一家と親戚付き合いをしていた細倉を亡くす。

おしん(1983年放映) - 大震災によって事業財産を全て失うことになり、夫の故郷の佐賀県に家族共々身を寄せることになる。

凛凛と(1990年度前期放映) - 同年9月1日放送分に大震災のエピソードとなった。

あぐり(1997年度前期放映) - 岡山であぐりの「おめでた」が明らかになった頃に、大震災が起こる(夫のエイスケは東京で大震災に見舞われ消息不明になるが、森潤の計らいであぐりと再会した)。

ごちそうさん(2013年度後期放映) - 主人公・西門め以子()の「おめでた」が明らかになり様子を見に行けないため、め以子の夫の大阪市職員・西門悠太郎(東出昌大)が救援のため上京する。その後め以子の親友・室井桜子がめ以子の高等女学校の恩師・宮本先生が火事に巻き込まれて亡くなったことを知らせる。

花子とアン(2014年度前期放映) - 大震災により大森に居を構える村岡宅が半壊。近所の被災者に炊き出しを行い、被災した子供たちには童話の読み聞かせをする場面が描かれている。また親戚付き合いをしていた郁弥(夫の弟)を亡くす。

わろてんか(2017年度後期放映) - 大震災の描写は描かれていないが、東京にいる、藤吉の芸人仲間のキースの安否を確かめるため、主人公・北村てんの従兄・風太が被災地の派遣のため上京する。

らんまん(2023年度前期放映) - 大震災によって槙野邸が倒壊し、妻の勤め先である渋谷に家族共々身を寄せることになる。


天皇の料理番杉森久英)- 同著者の小説を原作としたテレビドラマ。

2015年版 - 6月28日放送分の第10話の劇中で関東大震災が起こり、皇居前広場に避難した人々に炊き出しを行う。


大河ドラマ

いだてん?東京オリムピック噺?(2019年) - 第23話「大地」で関東大震災が発生、地震発生時の美濃部孝蔵(後の古今亭志ん生 (5代目)森山未來)・りん(夏帆)夫妻の様子、孝蔵の語りによる焼け野原になっていく東京の描写、焼け野原になった浅草で増野シマ(杉咲花)を探す金栗四三中村勘九郎)の姿、金栗に「日本人か?」と詰め寄る自警団などが描かれている。

青天を衝け (2021年) - 最終回の第41話、中盤以降に関東大震災が起き、渋沢栄一吉沢亮)が内外の実業家に寄付を呼びかけ、救援の最前線に立つ場面が描かれている。


不思議な少年山下和美) - 6巻 ムメキクと周平

はいからさんが通る大和和紀) - 物語のクライマックスで関東大震災が起こる。2018年公開の劇場アニメ後編でも描写されている。

RIM(アレクサンダー・ベッシャー) - 西暦2026年に起こった関東大震災で行方不明になったソニーモリタアキオ会長を東京大学バークレイ校の教授が探すSF小説。

風立ちぬ (宮崎駿の漫画)風立ちぬ (2013年の映画)宮崎駿) - 物語序盤で主人公が関東大震災に遭遇し、ヒロインと最初に出会う。


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