phylum の語源はギリシア語の phylai で、原義は古代ギリシアの都市国家において血縁に基づき決められた投票グループのことである。ヘッケルが Generelle Morphologie der Organismen (1866) で導入した語であるが、概念としてはキュヴィエが用いた embranchement「分岐」と同義である。division の原義は「分ける」である。 門・亜門に対する命名法は一般にあまり強く規制されていない。国際藻類・菌類・植物命名規約、国際動物命名規約、国際原核生物命名規約のいずれでも、優先権を必ずしも守る必要がなく、タイプの名前を元にして作る必要もない。国際藻類・菌類・植物命名規約では、タイプの名前を元にして命名する場合には属名を元にして語尾を統一することが規定されているが、説明的な名前の場合にはその必要はない。なお、植物学では上門・下門はほとんど使われない。国際動物命名規約や国際原核生物命名規約にはそもそも門以上の階級に対する規定はないため統一語尾は存在しないが、慣例的にほとんどは -a で終わり、とくに動物は -zoa、細菌は -bacteria、古細菌は -archaeota が多い。国際原核生物命名規約では、2015年と2018年に門に対する規定の提案が提出されており[5]、タイプ綱の語幹に語尾 -otaを付ける(綱名が -bacteria の場合は -bacteriota となる)ことが提案されている[6]。 ウイルスには現在のところ門・亜門などの階級は存在しない。 門名の語尾階級陸上植物藻類菌類細菌動物 真核生物ドメイン(Domain Eukarya)の門(phylum)一覧。 動物界(Kingdom Animalia)の門(phylum)一覧。
命名法
門-phyta-mycota
亜門-phytina-mycotina
一覧
真核生物ドメイン
動物界
明確には
分化せず内壁に多くの穴(孔)を持つカイメン、カイロウドウケツ5000以上
平板動物門(Placozoa
真正
後生
動物刺胞動物門(Cnidaria
出入口が
同じ刺胞(cnidocyte)を持つクラゲ、サンゴ約11000
有櫛動物門(Ctenophora)8列の櫛板(櫛板列)を持つクシクラゲ約100
左右
相称
動物旧口
動物冠輪
動物扁形動物門(Platyhelminthes)3胚葉扁形プラナリア、キュウチュウ、サナダムシ約25000
無腸動物門(Acoelomorpha)器官退化?無腸ナイカイムチョウウズムシ約400
菱形動物門(Rhombozoa)1つの軸細胞が繊毛細胞に囲まれているニハイチュウ75
直泳動物門(Orthonectida)生殖細胞などを繊毛が囲んでいるキリオキンクタ約20
紐形動物門(Nemertea)消化管は
出口と
入口を
持つ紐状ヒモムシ約1200
顎口動物門(Gnathostomulida)クチクラ性の固い顎ハプログナチア約100
腹毛動物門(Gastrotricha)腹部の2本の粘着腺イタチムシ、オビムシ約700
輪形動物門(Rotifera)ゴブレット(杯)型の胴体、触手冠ワムシ約2000
内肛動物門(Entoprocta)触手冠の内側にある肛門スズコケムシ約150
外肛動物門(Bryozoa)触手冠、群体、多形化チゴケムシ、コケムシ約8000
箒虫動物門(Phoronida)口の周囲の触手冠、U字型の消化管ホウキムシ11
腕足動物門(Brachiopoda)肉茎と触手冠ホオズキガイ、シャミセンガイ約300
星口動物門(Sipuncula)陥入吻ホシムシ約250
ユムシ動物門(Echiura)スプーン状の口吻ユムシ約140
毛顎動物門(Chaetognatha)クチクラ質で細長いヤムシ約100
有輪動物門(Cycliophora)袋状の胴体と、繊毛で覆われた円形の口(繊毛冠)シンビオン3以上
微顎動物門(Micrognathozoa)アコーディオン状の胴体リムノグナシア1
環形動物門(Annelida)環状の体節ミミズ、ゴカイ17000以上
軟体動物門(Mollusca)筋肉質の軟体と外套膜貝類、イカ、タコ約112000