長鼻目(ゾウ類)の進化傾向として、体の大型化が挙げられる。アフリカゾウの雄は4 - 6トン、マンモス属の一種では最大11トンにもなった[6]。このような大きな体を支えるために、ゾウ類の四肢骨は胴の下にまっすぐ伸び、内部は海面質の骨で満たされている[6]。
大きな体を支えるには大量のエサ(植物)を食べる必要があることから、臼歯もすり減りに対応した特殊な構造が見られる。初期のゾウでは他の哺乳類同様、6本の頬歯が一緒に生えているが、進化を進めるにつれ、「水平交換」という臼歯の交換方法を進化させた。これは各顎には大きな1本の臼歯しか生えず、その臼歯がすり減り前端が少しずつ欠けるのに伴って後ろから次の臼歯が押し出してくるというものである[6]。これにより臼歯の寿命を大変長くすることに成功した。ゾウ科ではさらに一つの臼歯の高さが高くなり、歯の寿命がより長くなっている[6]。
長い牙もゾウ類の特徴であり、上下の第二切歯が変化したものである。初期の頃はエサを集めるために使ったと思われるが、進化が進むにつれ次第にディスプレイの要素が大きくなっていったようである[6]。
また、ゾウ類は長い鼻が特徴である。長く重い2本の牙、大きな4本の臼歯、巨大な頭骨や下顎骨により、首を長くしたり膝をついて水を飲むのは無理が多いことから、鼻をホースのように使って水を吸い上げるのが最も効率的であり、その結果、長い鼻が進化したと考えられる[6]。 2024年時点の分類は以下[9][10][11][12]。
絶滅種を含めた分類
Proboscidea Illiger, 1811 長鼻目
†Plesielephantiformes
†Eritherium