長崎本線
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しかし、経営分離区間の沿線自治体(鹿島市江北町)の同意が得られなかったため着工の目処が立たず、他の整備新幹線に遅れをとっていた。そのためJR九州と佐賀・長崎両県は経営分離をせずに、両県が線路などの施設を保有し、新幹線開業後20年間はJR九州が運行を行う上下分離方式を採用することで合意し、着工が認可された。これにより2008年に武雄温泉駅 - 諫早駅間が、2012年には諫早駅 - 長崎駅間が着工された。

博多駅 - 新鳥栖駅では九州新幹線鹿児島ルートを使用し、新鳥栖駅 - 武雄温泉駅間について在来線を活用、武雄温泉駅 - 長崎駅間では新幹線規格の新線建設といった整備計画で、線路幅(軌間)の異なる新幹線と在来線を直通できる開発中の車両FGT(フリーゲージトレイン)を導入する予定であった。しかし、2014年にFGTの試作車両の鹿児島ルート及び鹿児島本線での走行試験中に重大な問題が発覚し、開発が長期に渡りストップした。これにより、仮にFGTが実用化されても、2022年度の開業までに運行に必要な数の車両の生産が間に合わないことが判明した。新幹線建設は計画通り進んでおり、完成した設備を年単位で放置できないこと、新幹線沿線自治体では2022年度の開業に合わせて大規模再開発が行われており開業の遅れは許されない状況であり、開業の前倒しを計画していただけに大きな問題となった。結果、2015年12月に2022年度開業のあり方として国やJR九州、長崎・佐賀両県の間で次の合意がなされた。

開業時期は現計画通り2022年度

フル規格で整備中の長崎駅 - 武雄温泉駅間については新幹線車両での運行、武雄温泉駅 - 博多駅間は在来線特急車両での運行とし、FGT営業用車両の生産完了(2025年度予定)まではリレー方式(2004年の九州新幹線鹿児島ルート暫定開業と同じ方式)とする。一部の列車においてFGT先行導入車両での運転を行う。

リレー方式での開業に伴い武雄温泉駅を新幹線と在来線が対面乗り換えできる構造に改造。

リレー方式への変更に伴う武雄温泉駅改造にかかる佐賀・長崎両県の負担を、肥前山口駅(現在の江北駅) - 諫早駅間の有償譲渡から無償譲渡に変更することで相殺。

肥前山口駅(現在の江北駅) - 諫早駅間は開業後23年間は引き続きJR九州による運行、運行本数は現状水準を維持、開業後3年間は肥前鹿島駅 - 博多駅間で特急列車を上下計14本維持する。

新鳥栖駅及び武雄温泉駅の新幹線在来線連絡アプローチについてはFGTの実用化判断が行われてからの着工とする。

その後2016年12月に2年ぶりにFGT走行試験を再開するも、再度問題が発覚し、暫定開業時の先行導入車両の製造は間に合わない見通しとなった。運行主体のJR九州は2017年7月、一般の新幹線の2倍以上のコストがかかるFGTでの西九州ルート運営は困難としてFGT導入断念を決定した。これにより与党検討委員会は在来線活用予定であった武雄温泉駅 - 新鳥栖駅間の西九州ルートの整備をミニ新幹線方式または全線フル規格新幹線方式での整備を軸に調査を開始した。2018年度中に西九州ルートの整備方針が決定する予定とされていたが、長崎駅 - 武雄温泉駅間が開業した2022年9月23日時点でも関係各所の意見統一がなされていない状況となっている。
路線データ

管轄・路線距離(
営業キロ):

九州旅客鉄道(第一種鉄道事業者):

鳥栖駅 - 江北駅間 39.6 km

諫早駅 - 喜々津駅 - 市布駅 - 浦上駅 - 長崎駅間 24.9 km

喜々津駅 - 長与駅 - 浦上駅間 23.5 km


九州旅客鉄道(第二種鉄道事業者)、佐賀・長崎鉄道管理センター第三種鉄道事業者):

江北駅 - 諫早駅間 60.8 km


日本貨物鉄道(第二種鉄道事業者):

鳥栖駅 - 鍋島駅間 28.0 km



軌間:1067 mm

駅数:42(起終点駅・臨時駅含む)

長崎本線所属駅に限定した場合、鹿児島本線所属の鳥栖駅[7] が除外され、41駅となる。なお、JR九州の有価証券報告書には、2018年3月31日時点で40駅と記載されており[8]、臨時駅であるバルーンさが駅も計上していない。


信号場数:3

複線区間:

鳥栖駅 - 江北駅間

諫早駅 - 喜々津駅間

浦上駅 - 長崎駅間


電化区間:鳥栖駅 - 肥前浜駅間(交流20,000 V・60 Hz)

閉塞方式:自動閉塞式

保安装置:ATS-SKATS-DK(全線)

運転指令所:博多総合指令センター

最高速度:130 km/h[2]

鳥栖駅 - 肥前大浦駅間がJR九州本社鉄道事業本部土井崎信号場 - 長崎駅間と長与駅経由の旧線が同社長崎支社の管轄となっており、佐賀県と長崎県の県境付近(肥前大浦駅 - 土井崎信号場間)に本社と支社の境界がある。
運行形態

停車場・施設・接続路線
凡例


0.0JH01 鳥栖駅 鹿児島本線


2.9JH02 新鳥栖駅 九州新幹線


4.2JH03 肥前麓駅


8.5JH04 中原駅


13.1JH05 吉野ケ里公園駅


15.7JH06 神埼駅


20.2JH07 伊賀屋駅


佐賀線


25.0JH08 佐賀駅


28.0鍋島駅


29.8(バルーンさが駅


嘉瀬川


31.4久保田駅


唐津線


34.2牛津駅


牛津川


39.6江北駅


佐世保線


六角川


44.7肥前白石駅


49.4肥前竜王駅


塩田川


54.6肥前鹿島駅


57.6肥前浜駅


交流20000V・60Hz


交流20000V・60Hz -2022/09/22
非電化 2022/09/23-


七浦トンネル 180m


61.5肥前七浦駅


黒木トンネル 90m


63.6肥前飯田駅


67.7多良駅




72.3里信号場


75.6肥前大浦駅


今里トンネル 254m


佐賀県長崎県


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