その後、小さなグロス会社で制作進行を務めるが、入って間もなく免停処分を受けてしまったため、仕事を辞めるか演出になるかの2択という状況になり、演出を務めるようになった[6][7]。
2000年に『HAND MAID メイ』のシリーズ全体の制作担当や制作進行を務め、第11話「あきらめません」では演出助手として監督の木村真一郎と共に演出を手がけた。その後も『G-onらいだーす』『こすぷれCOMPLEX』などの木村の監督作品に参加し、同じく木村が監督の『まぶらほ』『まほらば ?Heartful days』では監督補佐を務めた。また『まぶらほ』は木村が『ぽぽたん』と掛け持ちで監督をしていたため、多忙な木村に代わり27歳の若さで監督業と第1話「きちゃった…」の絵コンテと演出を経験した。
2006年に『ハチミツとクローバーII』で初監督。2007年には、サンライズ創立35周年記念作品というビッグプロジェクトであった『アイドルマスター XENOGLOSSIA』で監督を務めた。2008年に監督した『とらドラ!』で脚光を浴び、2009年には『とある科学の超電磁砲』の監督を務めた。
2011年に自身初となる完全オリジナルアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の監督を務め、芸術選奨新人賞メディア芸術部門を受賞した。この作品では『とらドラ!』で組んだ脚本家の岡田麿里、作画・キャラクターデザインの田中将賀が再びメインスタッフとして集まり(岡田の意向による)、本作以後「超平和バスターズ」の共同名義で複数の作品を手がける[8][9]。
業界入りしてから現在に到るまで一貫してフリーランスで活動している。 アニメスタッフとしての「龍雪」の筆名は、参加作品のテロップで誤植された際に「字面がきれいだから」という理由でそのまま使い続けているという[1]。 アニメーター出身ではないが絵が上手く、『とらドラ!』のキャラクターデザインと総作画監督を務めた田中将賀は、「(『とらドラ!』でキャラの表情が豊かなのは)監督のコンテの画のおかげ」「キャラがこういう心情だからこういう表情をする、というのがコンテから分かりやすく伝わってきた」と語っている[10]。また、田中が企画した『とらドラ!』のスタッフ同人誌にイラストを寄稿している[11]。監督作である『心が叫びたがってるんだ。』や『空の青さを知る人よ』では原画としても名前がクレジットされている。 影響を受けたアニメ監督に富野由悠季を挙げており、「作品内で生々しく人間を描く所が、自分の作風の根っこになっている」と語っている[7]。 「超平和バスターズ」のメンバーである岡田麿里・田中将賀と親交が深く、「『あの花』の合宿と称して旅行に行き、3人で川の字になって寝るくらいの仲」だという。岡田は2017年に刊行した自伝の中で、『心が叫びたがってるんだ。』の制作のときには、「下手に仲良くなっていたせいで最低限の礼儀や遠慮がなくな」り、意見が対立して「暴言が飛び交」ったと記している[12]。 同世代のアニメ監督である荒木哲郎は、長井が駆け出しの演出家だった頃にはすでに監督補佐として活躍しており、「同い年なのに常に僕の一歩先を行く存在で、めちゃめちゃ意識している」「監督作品を観るとヘコむので、自分の作品をやっている時は観るのをやめている」と語っている[7]。一方の荒木も「マッド(ハウス)である時期、長井さんが後ろの席にいたんですよ。その頃、俺はギャグものしかやったことないのに、先に長井さんがリアルものの『ちょびっツ』を手がけていたので、同世代で一歩先に行った人という認識があったんですよね。」と語っており、若手時代からお互いに意識しあっている[13]。
人物
作品
テレビアニメ
1998年
デビルマンレディー [-1999年、24話制作進行 (長井龍幸名義)]
2000年
HAND MAID メイ [制作担当 1話制作進行 11話演出助手 (全て長井龍幸名義)]
2001年
星界の戦旗II [1.2.3.5.6.7.8.9.10話演出助手 (全て長井龍幸名義)]
2002年
ちょびっツ [2話演出 15話絵コンテ (全て長井龍幸名義)]
ギャラクシーエンジェルA(第3期) [9話絵コンテ(長井竜幸名義)]
G-onらいだーす [6話絵コンテ・演出]
Witch Hunter ROBIN [2.7.12.17.21話演出]
まほろまてぃっく ?もっと美しいもの? [12話演出]
2003年
L/R -Licensed by Royal- [5.10.13話演出(13話は川崎逸朗と共同)]