2010年9月には、ギレルモ・デル・トロがエグゼクティブ・プロデューサーとして参加した[18]。『ホビット』から降りたデル・トロは、スタッフに誘われて、半分アニメーション、半分絵コンテの映画の初期上映を見たが、それを気に入ったデル・トロは、「何とか制作に関わってもらえないか」と頼んだという[13]。デル・トロについて、ミラーは「数か月に1度、あるいは何か新しいものができたときに、彼に来てもらうようにした。アイデアを出し合う相手が必要なときは、いつでも彼がいてくれたし、取り組んでいる問題があるときは、緊急用の赤い電話でギレルモに、あるキャラクターやシーンについてどうしたらいいかアドバイスを求めたりしたものだ。まるで、自分たちの映画学校のようだった」と述べている。ミラーは、デル・トロが特にハンプティのキャラクターデザインに関わったと述べ「ギレルモはハンプティ・ダンプティの夢のような質感が好きだった。彼は、それをさらに推し進め、レオナルド・ダ・ヴィンチのような人物にしようと提案した」と語った[17]。ハンプティを、空飛ぶ機械などの仕掛けを作る「独創的な変人」にしたのは、デル・トロのアイデアだった[19]。デル・トロはエンディングを書き直し、キャラクターを救済し、プスとの関係を深めるという、ファミリー映画としては型破りな結末にした[20]。また、巨人の城のファンタジー要素や、「スペインとメキシコの融合」をコンセプトとした町の建築物のデザインに協力した[19]。
制作中、魔法の豆や雲の上の城の元となったイギリスの童話『ジャックと豆の木』の巨人を登場させるかどうか、長い間悩んだ。巨人の世界はすでに把握していたため、巨人そのものに挑戦したのである。おとぎ話に登場する巨人のように忠実に描きたかったが、いくらストーリーに組み込んでも、彼の存在は予測可能なものになってしまったのだ。結局、童話的な期待を裏切るために、巨人は画面の外で殺されることになった[13]。
アントニオ・バンデラスは、『シュレックシリーズ』の長ぐつをはいたネコ役で続投した。ミラーによると、スタッフは制作中の早い段階でザック・ガリフィアナキス、ビリー・ボブ・ソーントン、エイミー・セダリス、サルマ・ハエックを起用したいと考えたという。ハンプティ・ダンプティは、ガリフィアナキスが初めて声優を務めた作品であるため、映画制作者からアドリブを許された。ボブ・ソーントンも同様に、ジャックの声を担当することで、自分の得意分野以外の役柄に挑戦することを楽しんでいた。ジル役のセダリスは、以前から一緒に仕事をしていたこともあり、台本に書かれている台詞のほとんどを即興で演じた[13]。共同脚本のデヴィッド・H・ステインバーグは、「シュレックとはまったく重なっていない。それは、オリジナルのプスのストーリーを語るためでもあるが、『シュレック4』がキャラクターをどうするかわからなかったため、矛盾するストーリーを書くわけにはいかなかったからでもある」と語った[21]。『シュレック フォーエバー』では、シュレックが『シュレック』というタイトルの本をついに閉じ、『長ぐつをはいたネコ』というタイトルの本の横にしまうシーンで、本作の存在が予告されていた。
本作は、ドリームワークス・アニメーションの作品としては初めて、インドで一部制作された作品となった。テレビの特番やDVDの特典映像などを主に手がけていたテクニカラー傘下のバンガロールスタジオが、半年かけて映画の3大シーンをアニメ化したのだ。アウトソーシングには、アメリカに比べて人件費が40%安くなるという経済的なメリットもあったが、インドにアウトソーシングした最大の理由は、年間3本もの映画を制作するスタジオのため、人手が足りないということだった[22]。 『長ぐつをはいたネコ』 X-MEN:ファースト・ジェネレーション
音楽
ヘンリー・ジャックマン の 映画音楽
リリース2011年10月24日
ジャンル映画音楽
時間65分51秒
レーベルソニー・クラシカル
ヘンリー・ジャックマン アルバム 年表
(2011年)長ぐつをはいたネコ
(2011年)ニセものバズがやって来た