長ぐつをはいたネコ_(2011年の映画)
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本作は、『シュレック2』が公開された2004年から制作が進められており[12]、『シュレック2』でストーリー責任者を務めたクリス・ミラー(英語版)は、長ぐつをはいたネコ(英語版)というキャラクターへの愛着と、作中での冒険を考えると、魅力的なストーリーの可能性があることから、スピンオフ作品の制作を強く希望していた[13]。当初は『Puss in Boots: The Story of an Ogre Killer』というタイトルで、2008年にオリジナルビデオ映画として公開される予定だった[14][15]。2006年10月までに、市場環境と、プスはもっと価値があるというドリームワークス・アニメーションの認識により、劇場公開として再制定された[16][17]。ミラーは『シュレック3』を監督した後、すぐに本作の監督に起用された[13]

2010年9月には、ギレルモ・デル・トロがエグゼクティブ・プロデューサーとして参加した[18]。『ホビット』から降りたデル・トロは、スタッフに誘われて、半分アニメーション、半分絵コンテの映画の初期上映を見たが、それを気に入ったデル・トロは、「何とか制作に関わってもらえないか」と頼んだという[13]。デル・トロについて、ミラーは「数か月に1度、あるいは何か新しいものができたときに、彼に来てもらうようにした。アイデアを出し合う相手が必要なときは、いつでも彼がいてくれたし、取り組んでいる問題があるときは、緊急用の赤い電話でギレルモに、あるキャラクターやシーンについてどうしたらいいかアドバイスを求めたりしたものだ。まるで、自分たちの映画学校のようだった」と述べている。ミラーは、デル・トロが特にハンプティのキャラクターデザインに関わったと述べ「ギレルモはハンプティ・ダンプティの夢のような質感が好きだった。彼は、それをさらに推し進め、レオナルド・ダ・ヴィンチのような人物にしようと提案した」と語った[17]。ハンプティを、空飛ぶ機械などの仕掛けを作る「独創的な変人」にしたのは、デル・トロのアイデアだった[19]。デル・トロはエンディングを書き直し、キャラクターを救済し、プスとの関係を深めるという、ファミリー映画としては型破りな結末にした[20]。また、巨人の城のファンタジー要素や、「スペインとメキシコの融合」をコンセプトとした町の建築物のデザインに協力した[19]

制作中、魔法の豆や雲の上の城の元となったイギリスの童話ジャックと豆の木』の巨人を登場させるかどうか、長い間悩んだ。巨人の世界はすでに把握していたため、巨人そのものに挑戦したのである。おとぎ話に登場する巨人のように忠実に描きたかったが、いくらストーリーに組み込んでも、彼の存在は予測可能なものになってしまったのだ。結局、童話的な期待を裏切るために、巨人は画面の外で殺されることになった[13]

アントニオ・バンデラスは、『シュレックシリーズ』の長ぐつをはいたネコ役で続投した。ミラーによると、スタッフは制作中の早い段階でザック・ガリフィアナキスビリー・ボブ・ソーントンエイミー・セダリスサルマ・ハエックを起用したいと考えたという。ハンプティ・ダンプティは、ガリフィアナキスが初めて声優を務めた作品であるため、映画制作者からアドリブを許された。ボブ・ソーントンも同様に、ジャックの声を担当することで、自分の得意分野以外の役柄に挑戦することを楽しんでいた。ジル役のセダリスは、以前から一緒に仕事をしていたこともあり、台本に書かれている台詞のほとんどを即興で演じた[13]。共同脚本のデヴィッド・H・ステインバーグは、「シュレックとはまったく重なっていない。それは、オリジナルのプスのストーリーを語るためでもあるが、『シュレック4』がキャラクターをどうするかわからなかったため、矛盾するストーリーを書くわけにはいかなかったからでもある」と語った[21]。『シュレック フォーエバー』では、シュレックが『シュレック』というタイトルの本をついに閉じ、『長ぐつをはいたネコ』というタイトルの本の横にしまうシーンで、本作の存在が予告されていた。

本作は、ドリームワークス・アニメーションの作品としては初めて、インドで一部制作された作品となった。テレビの特番やDVDの特典映像などを主に手がけていたテクニカラー傘下のバンガロールスタジオが、半年かけて映画の3大シーンをアニメ化したのだ。アウトソーシングには、アメリカに比べて人件費が40%安くなるという経済的なメリットもあったが、インドにアウトソーシングした最大の理由は、年間3本もの映画を制作するスタジオのため、人手が足りないということだった[22]
音楽

『長ぐつをはいたネコ』
ヘンリー・ジャックマン映画音楽
リリース2011年10月24日
ジャンル映画音楽


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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