浄土真宗では、修正会(在家の場合は、1月1日 - 3日)の荘厳として、12月31日の朝の勤行のあと、夕の勤行(歳末昏時)までに、打敷と共に荘厳として尊前に鏡餅を備える[11]。
正式な作法は、本尊前・祖師前は須弥壇上(もしくは前卓上)に三重(五重)の鏡餅を一対備える。その他の尊前には二重の鏡餅を一対備える。また、「三方」ではなく、「折敷」(おしき)に白紙(杉原紙)を敷いて飾る。鏡餅の上に橙をのせる。
一般家庭の御内仏では、本尊前の須弥壇上(もしくは前卓上)に三重の鏡餅を一対備える。もし仏壇が小さい場合は、燃香用の卓などの上に一対備える。
備える日は、12月31日朝の勤行後から夕の勤行前である。控える日は、1月4日朝の勤行後に打敷などの荘厳とともに控える[12]。
浄土真宗では、日の吉凶を選ばないという教義[13]があり、上記のように大安などの「暦注」や、「語呂合わせによる日の良し悪し」を選ばずに飾る。控えた後は、汁粉などにして食べる。
お年玉詳細は「お年玉」を参照
鏡餅は、かつては「お年玉」だった。いまではポチ袋に入れた現金だが、昔は歳神様に捧げた供物を、家長が子供たちに分け与えていた。このひとつが餅であった。その昔、「歳魂」(としだま)と呼ばれていたことからも、霊が宿っていることが窺える。歳神様が運んできた運気と力が降りた鏡餅を、家長が子供たちに与え、家族みんなで先祖を「食う」ということがお年玉の原点である。現代のように現金になったのは江戸時代からだといわれてる[14]。
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脚注[脚注の使い方]^ ⇒日本鏡餅組合
^ 源氏物語 『初音』の巻より
^ ⇒御鏡-九州大学デジタルアーカイブ。
^ ⇒餅搗‐歳暮‐歳時部‐古事類苑‐国際日本文化研究センター。
^ 日次紀事-世界百科事典第二版の解説。