錬金術
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

注釈^ 『デジタル大辞泉』からの引用錬金術 … 卑金属貴金属に変えようとする化学技術。 … 科学としては誤りであったが、多くの化学的知識が蓄積され、近代化学成立の基礎資料となった[3]


『日本大百科全書(ニッポニカ)』からの引用

錬金術 … もともと錬金術の本質は、思弁的、神秘的、宗教的な色彩と、実際的、技術的な色彩とが混ざり合って、広くヨーロッパに普及した(なお、東洋では古くから中国で長命薬の発見を意図した錬丹(れんたん)術が行われていた)。 …

 初期の錬金術思想には、プラトンアリストテレス、新ピタゴラス派、グノーシス派ストア哲学、宗教、占星術俗信などが入り混じっており、また象徴主義とか寓意(ぐうい)的表現による難解さもあった。しかしその一方で、錬金術の技術面では … 実験用のさまざまな蒸留器昇華器、温浸器などが発明された。 … 12世紀までに化学薬品としては、新しく、ろ砂アンモニア鉱酸ホウ砂などを発見した … 。 …

 中世の人たちは、錬金術に潜む一種の神秘性や、卑金属を貴金属(金)にしたいという卑俗な物欲とも絡み合って、その魅力にひかれた … 。 … 17世紀のニュートンでさえ、錬金術に対して強い関心をもって真剣に考えていた … 。 …

 16世紀のいわゆる科学革命の時代になると、それまで根強く支持され続けてきた錬金術は、最盛期を過ぎて、思弁的・神秘的な色彩は消え始め、それにかわって新しい思想が注入され、化学という科学の新分野が芽生えてきた。 … 錬金術から化学へ移行する過渡期を象徴する最初の人物としては、オランダのファン・ヘルモントをあげることができる。 錬金術は「にせ」科学であった。そしてこの「にせ」科学は、初めから相反する二つの触手をもっていた。一つは科学的真理に近づこうとする触手であり、もう一つは無意識にしろ詐欺(さぎ)と握手しようとする触手である。しかし人々は長い間、この2本の触手を区別することができなかった。錬金術の誕生と死滅は、人間の無知と欲望、またその克服の反映であった[2]
^ ここで言及している文献群は、厳密には、のちに Corpus Gabirianum (ジャービル文献, : ?abir-schriften, : Corpus Jabirien)と呼ばれることになるラテン語のコーパス(これにはヨーロッパで書かれた偽書も含まれる)それ自体ではなく、その翻訳元になったアラビア語のコーパスであるが、ここでは出典の記載に沿ったものとした。
^ 当時は硫酸塩ということなど知る由もない。

出典^ a b EDP 2023b, p. 「錬金術」.
^ a b 平田 2021, p. 錬金術.
^ 松村 2021, p. 錬金術.
^ 米田 2022, p. 「ヘルメス・トリスメギストス」.
^ a b 澤井 2008, p. 23.
^ “1.2 古代ギリシャの原子論(2)解説:アリストテレス”. 理科ねっとわーく,国立教育政策研究所. 2020年2月2日閲覧。
^ クリエイティブ・スイート & 澤井 2008, p. 117
^ 吉村 2012, p. 46.
^ “3.2 ラボアジェの元素論 解説:ラボアジェの元素論”. 理科ねっとわーく,国立教育政策研究所. 2020年2月2日閲覧。
^ a b 松本浩一 (2006), 中国人の宗教・道教とは何か, PHP研究所, p. 55, ISBN 9784569657714, "西洋錬金術が現代の化学の先駆けになった" 
^ a b 小山田了三 (2001), 材料技術史概論, 東京電機大学, p. 137, ISBN 9784501618605, "錬金術が多くの実験事実を提供したことも、化学の発展に寄与した" 
^ Partridge E Staff; Partridge, Eric (1977), Origins: Etymol Dict Mod Englsh (改訂4 ed.), Routledge, pp. 484-485, ISBN 9780203421147 
^ Ferrario, Gabriele (2007), ⇒“Al-Kimiya: Notes on Arabic Alchemy”, Chemical Heritage (Chemical Heritage Foundation) 25 (3), ISSN 0736-4555, ⇒http://chemheritage.org/pubs/ch-v25n3-articles/feature_al-kimiya_p1.html 2009年7月19日閲覧。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:106 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef