鋼の錬金術師_(アニメ)
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そこで、幼いころから共に卓越した錬金術の才能を持っていたエドワード・エルリック(エド)と弟のアルフォンス・エルリック(アル)は、病気で亡くした母を錬金術で最大の禁忌とされる「人体錬成」によって蘇らせようと試みるが失敗し、エドはその代償として自らの左脚を、アルは自らの全身を失ってしまう。エドはとっさの判断で自らの右腕を代償にアルの魂をその場にあった全身鎧に定着させ、なんとか弟を死の淵から救い出す。しかし、エルリック兄弟が失ったものはあまりにも大きかった。

その後、「国家錬金術師」と呼ばれる国家資格を取れば高額な研究費が支給され、特殊文献の閲覧や国の研究施設の利用が可能となり、身体を取り戻す方法を見つけられるかもしれないという話がエドの耳に入る。機械鎧技師であるピナコ・ロックベルとピナコの孫で幼馴染のウィンリィ・ロックベルに「機械鎧」(オートメイル)と呼ばれる鋼の義手と義足を身に着けてもらうことを決意したエドは、1年間のリハビリを経てアルとともに国家錬金術師の試験を受ける。人体錬成を行ったことにより、手のひらを合わせただけで錬成を行えるという能力を得ていたエドは、国家錬金術師の資格を史上最年少で取得する。鋼の右腕と左脚を持つことから国家錬金術師としての二つ名「鋼」を与えられたエドは故郷を捨て、アルとともに身体を取り戻す方法を探すための長い旅へ旅立った。

旅を続けていくうち、錬金術の基本原理である等価交換の法則を無視してわずかな代価で莫大な錬成を行うことができるようになるという「賢者の石」の噂を聞いたエルリック兄弟は、この賢者の石を使って自分たちの本当の身体を取り戻そうと研究を進めていくが、やがて「賢者の石の精製には大量の人間の命が必要」という驚くべき事実にたどり着く。一旦は絶望に暮れるが、アルの身体を取り戻したいエドは「ホムンクルス」と呼ばれる者たちに導かれ、人間の命を使って賢者の石の錬成を行うことを決意する。しかし、エドは錬成の直前で「やはり人間の命を使うことはできない」とあきらめてしまう。

その後、人間の命を使わずに賢者の石を錬成する方法を探すうち、アル自体が賢者の石として錬成され、所属していた軍からも追われる立場となってしまう。エルリック兄弟の行く手には、まだいくつもの苦難が待ち受けていた。
用語

基本的に設定は原作と大きな差異は無い。ここでは原作と違う物を挙げる。その他のものは、原作の用語欄(鋼の錬金術師#用語)を参照。
錬金術
物語の世界において、発展した技術および学問。物質の構成や形を変えて別の物に作り変える技術と、それにともなう理論体系を扱う学問である。基本的には原作の設定に準じるが、錬成に必要なエネルギーが平行世界の死者の魂に変更されている(詳細は「真理の扉」を参照)。
賢者の石
幻の術増幅器で、壊れることのない完全な物質とされる物。エルリック兄弟の旅のそもそもの目的でもある。正体は生者の魂を濃縮した物質であり、完成品でも使用に応じて小さくなる。また、原作とは異なり人間の肉体も材料となる。未完成品として「紅い石」が登場し、国家錬金術師が所有する銀時計にこれが内蔵されている。

人体錬成を行った際に現れる扉で、原作での真理の扉に相当する。原作と違い、必ずしも異空間に飛ばされるわけではない。本作品の世界は、現実の世界の並行世界と設定されており、この門は物語の世界と現実の世界を結ぶ接点となっている。現実世界の死者の魂はここに吸い寄せられ、錬金術を行う際のエネルギー源となる。また、場合によってはここを通過することで世界の間を往来することもできる。ダンテが研究の果てに、肉体・精神・魂の結びつきが弱い赤ん坊を使うことで代価を払わずに開けることに成功している。
ホムンクルス
人体錬成の失敗によって人間の形を成さないまま生み出された「出来損ない」に、賢者の石の未完成品「紅い石」を食べさせることにより、人間と同じ形を持たせた者たちのこと。設定は原作とほぼ別物であり、アニメ制作当時に原作未登場だったスロウス、プライド、ラースは人物設定自体も変更されている。統括者たるダンテとの関係は基本的に「人間になりたい」という欲求を持つホムンクルスに、ダンテが「人間にする」という約束を取り交わしたうえで使役しているに過ぎない。また、ダンテがホムンクルスの誕生に関わるのは、他人が作ったホムンクルスに「紅い石」を与えるだけという場合も多い。人体錬成の結果ゆえの存在であるため、ベースとなった人間が存在する。弱点はベースとなった人間の遺骸であり、それを目前に出されるとまともに動けなくなってしまう。
軍部(アメストリス国軍)
アメストリスの軍隊。軍事国家なので事実上の政府に近い。独裁体制や組織体系などは原作とほぼ同じだが、体制自体は原作より中央集権的となっており、各地方司令部の扱いも駐屯地程度のものとなっている。また、残虐性は原作以上に重く、国家ひいては軍部に反発する民衆の姿やそれに類する描写が多い。最終話で大総統が失踪したことにより、軍部の実権が「新政府議会」に明け渡すことになった。
フラメルの十字架
イズミの師匠であるダンテから使われた錬金術師の紋章。フラメルの十字架を用いる錬金術はホムンクルスの体内の赤い石を排出させるための「封印の錬成陣」として使用された。
原作との相違点

錬成を行うために必要な錬成陣やホムンクルスが持つ
ウロボロスの紋章、国家錬金術師に与えられる銀時計のデザインなどが、原作の六芒星を基にしたものから変更されている。また、証である銀時計は錬成力の増幅ができるという設定がある。

エルリック兄弟の修行時代や国家錬金術師試験など、アニメの企画段階に原作でまだ描かれていなかった部分のストーリーについては、大きく異なるか、もしくは完全オリジナルとなっている。

登場人物

エドワード・エルリック

アルフォンス・エルリック

以上の人物については各個別項目を参照。

エド、アル以外の登場人物については鋼の錬金術師の登場人物一覧 (アニメ)を参照。
スタッフ

原作 -
荒川弘(掲載 月刊「少年ガンガンスクウェア・エニックス刊)

監督 - 水島精二

ストーリーエディター - 會川昇

キャラクターデザイン - 伊藤嘉之

メインアニメーター - 杉浦幸次、富岡隆司

プロダクションデザイン - 荒牧伸志

キメラデザイン - 石垣純哉

美術デザイン - 成田偉保

美術監督 - 橋本和幸

色彩設計 - 中山しほ子

撮影監督 - 福士享

音響監督 - 三間雅文

音楽 - 大島ミチル

音楽プロデューサー - 篠原廣人

プロデューサー - 南雅彦丸山博雄、大山良

製作 - 毎日放送アニプレックスボンズ

主題歌

下記の歴代オープニングテーマ曲とエンディングテーマ曲を網羅したアルバム『鋼の錬金術師 COMPLETE BEST』が、オリコンチャートアルバム部門で初登場で1位を獲得。これは、アニメCDのオリコン首位獲得は史上4作目であることに加え、アニメのコンピレーションアルバムとしては、史上初の1位獲得という快挙であった[14]。また、同アルバムは、第19回ゴールドディスクアニメーションオブ・ザ・イヤーを受賞している[15]


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