鋏角亜門
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通常、前体は全ての体節が融合して背面は1枚の背甲(carapace、甲殻類の背甲から区別するために prosomal dorsal shield や peltidium とも呼ぶ[11][3])に覆われるが、第5と第6体節が独自に分節した例も存在する[注釈 5][3][12]。腹面中央に配置される腹板(sternum、または胸板[13]節口類の場合は endostoma)は分類群によってあったり欠けたりする[3]大顎類に見当たる触角は存在しないが、それらに類する感覚用と摂食用の相似器官をもつ例が多く挙げられる[注釈 4][10]
他の節足動物の頭胸部との違い「頭胸部」も参照

この部分は「頭胸部」(cephathorax)とも呼ばれていたが、鋏角類の前体は1つの合体節として認められ、体節制遺伝子発現的にも頭部そのものに該当する頭部融合節であり[14][15][16][17][18][19]、他の節足動物(例えば甲殻類)の頭胸部のように頭部と胸部という2つの合体節を含んだ部分ではない[9]。節足動物全般の頭部構成に関する議論、特に他の節足動物の頭部と比較する場合、鋏角類の前体は常に「頭部」扱いとされる[14][20][21]。すなわち、大顎類において顎に特化した付属肢は、鋏角類の場合ではそのほとんどがとして用いられ[22]、「頭で歩いている」とも比喩される[3]後述の対応関係および節足動物#系統関係と体節の相同性も参照)。

鋏角類の前体背面は、原則として左右に側眼(lateral eye)、中央に中眼(median eye)を有し、それぞれ祖先形質として複眼と単眼である[23][24]ウミグモの場合は側眼はなく、原則として2対中眼のみをもつ[23]。それ以外の鋏角類の中眼は通常1対[注釈 6]で、カブトガニ類ウミサソリ類の側眼はれっきとした複眼である。基盤的サソリ類と一部のワレイタムシもそれに近い側眼をもつ[23][25]が、現生のクモガタ類はそれが退化し、複眼の個眼に由来する数対以下の単眼となる[23][24][26]。なお、コヨリムシのように、全ての眼を退化消失した鋏角類もある[23][26]
前体の付属肢サソリ(左)とカブトガニ類(右)の前体付属肢


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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