鋏角亜門
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

ウミグモ類の場合は更に異様で、この体節は前体と同形の脚が生えて[3]ハラフシカブトガニ類ウェインベルギナもこの特徴をもつかもしれない[3]基盤的な鋏角類とされる化石節足動物ハベリアモリソニアなど)のこの体節も、前体の一部として機能する傾向がある[38][1]。これらの特徴を基に、第7体節の多くの性質は前体的で、むしろ前体の一部と扱うべきではないかという提唱もある[3][31]。一方、ホメオティック遺伝子発現では、この体節は前体と後体の境目的である[16][17][18][19]
呼吸器サソリの書肺(左、中)とカブトガニ類の蓋板(右、書鰓付き)「書鰓と書肺」も参照

鋏角類は全般的に多様な呼吸様式が見られる[3]。水生鋏角類であるカブトガニ類ウミサソリ類の後5対の蓋板は、後側に書鰓(しょさい、book gills)という本のページのように畳んだラメラ(lamellae、薄葉、薄板)で構成される呼吸器をもつ[3][39]。ウミサソリの場合は更に特化が進み、「kiemenplatten」という本群に特有の呼吸器は蓋板と書鰓にあわせて精密な鰓室(gill chamber)を構成し[3]、その書鰓から空気呼吸に適した構造体も発見される[39]クモガタ類の中で蛛肺類[注釈 18]は書鰓由来と思われる書肺(しょはい、book lungs)をもち[3]、それ以外の群は多くが気管(trachea)で[注釈 20][3]コヨリムシ、一部のダニ、およびウミグモ類は皮膚呼吸のみを通じて酸素を取り込む[40]。小型の鋏角類ほど、呼吸の様式は書肺より気管や皮膚呼吸に偏って単純化する傾向がある[32]

書鰓と書肺は蓋板の器官であるため後体のみに備わるが、気管は分類群によって後体のみ(ザトウムシカニムシ、アシナガダニ)、前体のみ(クツコムシ、一部のダニ)、もしくは後体と前体両方(ヒヨケムシ)に備わるものがある[3]。書肺と気管の開口部は気門(spiracle)といい、一部の例外[注釈 21]を除いてこれは常に体の腹面で対になって開口する[3]
生殖器ササラダニの生殖孔(G、右上)

ウミサソリ類の1属ユーリプテルス生殖肢

クモの生殖孔

クモのオスの触肢器

サソリモドキ(A, B)とウデムシ(C, D)の生殖肢


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:257 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef