鋏角亜門
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クモガタ類の場合、この体節は付属肢をもたず[注釈 19][3]、一部の群ではくびれて腹柄(pedicle)に特化した[3]が、その腹板が前体の範囲に食い込んだ例も見られる[36][37]。カブトガニ類の場合、この体節は前体と融合して背甲に覆われ、1対の唇様肢(chilaria)という前体の付属肢とセットに機能した付属肢をもつ[3][31]。ウミサソリ類もそれに似て、左右融合した第7体節付属肢と思われる1枚の下層板(metastoma)を有し、前体に食い込むように最終の脚の間に配置される[3]。ウミグモ類の場合は更に異様で、この体節は前体と同形の脚が生えて[3]、ハラフシカブトガニ類のウェインベルギナもこの特徴をもつかもしれない[3]。基盤的な鋏角類とされる化石節足動物(ハベリア、モリソニアなど)のこの体節も、前体の一部として機能する傾向がある[38][1]。これらの特徴を基に、第7体節の多くの性質は前体的で、むしろ前体の一部と扱うべきではないかという提唱もある[3][31]。一方、ホメオティック遺伝子発現では、この体節は前体と後体の境目的である[16][17][18][19]。
呼吸器[ソースを編集]サソリの書肺(左、中)とカブトガニ類の蓋板(右、書鰓付き)「書鰓と書肺」も参照鋏角類は全般的に多様な呼吸様式が見られる[3]。水生鋏角類であるカブトガニ類とウミサソリ類の後5対の蓋板は、後側に書鰓(しょさい、book gills)という本のページのように畳んだラメラ(lamellae、薄葉、薄板)で構成される呼吸器をもつ[3][39]。ウミサソリの場合は更に特化が進み、「kiemenplatten」という本群に特有の呼吸器は蓋板と書鰓にあわせて精密な鰓室(gill chamber)を構成し[3]、その書鰓から空気呼吸に適した構造体も発見される[39]。クモガタ類の中で蛛肺類[注釈 18]は書鰓由来と思われる書肺(しょはい、book lungs)をもち[3]、それ以外の群は多くが気管(trachea)で[注釈 20][3]、コヨリムシ、一部のダニ、およびウミグモ類は皮膚呼吸のみを通じて酸素を取り込む[40]。小型の鋏角類ほど、呼吸の様式は書肺より気管や皮膚呼吸に偏って単純化する傾向がある[32]。
書鰓と書肺は蓋板の器官であるため後体のみに備わるが、気管は分類群によって後体のみ(ザトウムシ、カニムシ、アシナガダニ)、前体のみ(クツコムシ、一部のダニ)、もしくは後体と前体両方(ヒヨケムシ)に備わるものがある[3]。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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