銭形幸一
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他のルパン一味の面々も銭形に親しみを持っており[注 29]、次元は「(銭形は)憎めない奴なんだ」と評したり[ep 8]、五ェ門と不二子は「ルパンが銭形を殺した」というデマを鵜呑みにした際に[ep 9]「お主を見損なったぞ」「あなたとはもうこれっきりよ!」とルパンを罵り絶縁を切り出す等、ルパンと同じく銭形のことを憎からず思っている言動が見られ、彼の危機にはルパン共々損得勘定抜きで行動することが多い。

次元は銭形をからかったりすることが多く[注 30]、わざと目の前に現れて誘き出したり[ep 10]、茶化すような一言を投げかける[ep 11]こともあるが、ルパンが「銭形を助けよう」と主張した際には「人が良すぎる」と呆れ返ったり天邪鬼な態度を見せつつも賛同している[注 31][注 32]。『TV第2シリーズ』第152話「次元と帽子と拳銃と」では、圧倒的不利な状況にも拘らず「例え殺されると分かっていても勝負に臨む」と男の美学を貫く次元に銭形は「今日ほど感動したことがない」と甚く心打たれ、「いいか、ルパン。今回は次元の男らしさに免じて貴様を見逃してやる。頑張れよ、次元!陰ながら俺も応援しているからな!!」と熱く語り、呆気に取られるルパン達を尻目に「ゆけゆけ飛雄馬」(アニメ『巨人の星』の主題歌)を歌いながら去っていった。

五ェ門に対しては生真面目な性格を考慮して対応することが多く、斬鉄剣を盗まれ自殺騒動を起こしていた五ェ門を逮捕した際にはわざわざ日本食を用意してやったり[ep 12]、『ナポレオンの辞書を奪え』では仁侠映画を鑑賞していた五ェ門を敢えて捕らえたりせず、隣に座ってルパンの居所を尋ねている。TVスペシャル『ルパン暗殺指令』で五ェ門がキースに殺害されたと思い込んでいた際には「ワシがもっと早くルパン達を逮捕してさえいれば、五ェ門は死なずにすんだ筈です」と教会で懺悔しており、その後に一命を取り留めていた五ェ門と再会した時にはうれし泣きしている。

不二子のことは次元や五ェ門と同じく信用ならないと警戒しているが、ルパンの情報提供やルパン逮捕の協力をする代わりに見逃してやる条件でたびたび手を組んでおり[注 33]、『TV第2シリーズ』第110話では拷問を用いた取り調べをされる姿を見かねて助け出したり、第41話では不眠症になった彼女の夜遊びに付き合わされたり[注 34]もしている。また、「不二子がいれば、近くに必ずルパンもいる」「不二子をマークしていれば、必ずルパンに接触する」[注 35]とルパンを探す指標にしており、「峰不二子あるところ、ルパン三世ありだ!」と断言している[ep 13][注 36]

初代ルパン役の山田康雄は「ルパン三世という作品のベースはルパンと銭形の関係だ」と考えており、「超一流の泥棒と超一流の警部が追いつ追われつつするうちに、相手の才能を認めあった上で芽生えた奇妙な友情、これなくしてルパン三世は成立しないのです」と語っている[3]。これについて初代銭形役の納谷悟朗は、山田の没後に「すごく嬉しかったよ」と回想している[4]
実力

上層部からは失敗続きのためかあまり良い評価をされておらず[注 37]、『1$マネーウォーズ』で一度出した辞表を撤回しようとした際には「もういらない」「役立たず」とまで言われており、ICPOは銭形がいつまで経ってもルパンを逮捕できないことに業を煮やし、ルパン抹殺という強行手段に打って出たことも何度かある(だが、結局は失敗に終わっている)。挙句の果てに『グッバイ・パートナー』では「実はルパンと共謀している」というデマを流され、共謀罪の容疑で逮捕までされている。

しかしそれは「ルパン一味の実力が相対的に見て余りに高過ぎる」ためであって、PART5第23話で八咫烏五郎はルパン三世専任捜査官である銭形の立場を「絶対に売れない商品を押し付けられた営業マン(実現不可能な仕事をやらされている)」と例え、世間の銭形に対する評価は間違っていると抗弁している。つまり、銭形は決して無能という訳ではなく、むしろその腕は確かなものなのである。事実、『TV第1シリーズ』のOPナレーションではルパンから「警視庁の敏腕刑事」「俺の最も苦手なとっつぁんだ」と説明されており、『TV第1シリーズ』第4話「脱獄のチャンスは一度」ではルパンを完璧な罠にかけて逮捕し[注 38]、『TV第2シリーズ』第37話「ジンギスカンの埋蔵金」ではジンギスカンに変装して立ち去ろうとしたルパンに対して「そっちはルパン用の特別製の扉」と別の扉へ誘導することでルパンを扉の中(実は護送車の中)に捕らえ[注 39]、第57話「コンピューターかルパンか」では後述の生け捕り術や射撃を駆使して五ェ門、次元、ルパンを次々と圧倒的な強さで負かし[注 40]、『炎の記憶?TOKYO CRISIS?』では作中の冒頭・中盤・結末の三度に亘ってルパンを罠に嵌めたりもしている。

もしルパン一味の面々が単独で勝負すれば誰も銭形には敵わないとされ[注 41]、「ルパンのことは何もかも知り尽くしているからな、殺す気で来るとなると手強い相手だぜ」(お互いに殺し合おうとは思っていない為、心底本気を出した状態ではない)と次元も述べており[ep 14]、前述の『TV第2シリーズ』第57話及び第97話「ルパン一世の秘宝を探せ」ではルパン、次元、五ェ門の3人に本気を出して1対1で対決し立て続けに勝利し、『PartIII』第37話「父っつぁん大いに怒る」でルパンに殺害された哀れな少女・アンの仇を討とうとした際には容易く五ェ門を退け、ルパンとの生死を賭けた決闘(ICPOにはルパン射殺許可を申請していた)で互角の攻防を繰り広げている[注 42]

時には事件の真の黒幕を逮捕したり[注 43]、犯罪組織やテロ組織を壊滅するという功績が数多くあり[注 44]、特に劇場版『カリオストロの城』ではカリオストロ公国によるゴート札(中世以来ヨーロッパの動乱に必ず関わり、世界経済に影響を与えている偽札)の製造を摘発する為に不二子と協力して衛星中継で全世界に公表する[注 45]、『ワルサーP38』ではルパンから提供された情報を基に[注 46]世界各国の首脳が密かに公認する暗殺組織タランチュラの本拠地に報道機関を多数引き連れて乗り込む[注 47]等、「ICPOが及び腰になる程の巨悪の実態を白日の下に晒す」という偉業さえも成し遂げている。その実力を買われ、ルパン逮捕以外にも美術品や現金・金塊の輸送[注 48]、要人警護の任務に就くこともあり、TVスペシャル『the Last Job』では後任の捜査官がルパンと全く勝負にならなかったこと等から一部のICPOの捜査官や上層部の幹部達からはルパンを追い続けてきた故の経験と実力を買われている描写があり、『くたばれ!ノストラダムス』ではICPO代表としてダグラスに招聘されている。


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