銭形幸一
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ルパンに発砲したり、「死刑にする」という発言も稀にあるが、あくまでも銭形は「ルパン逮捕(=生け捕り)」が目的であるため殺害することはなく[注 26][注 27]、作中ではルパンの死を誰よりも(仲間である次元大介ら以上に)悲しむ場面が多くある。

『TV第1シリーズ』最終回でルパン達がアジトごと自爆した(と思わせて脱出した)際には「ルパンよお…俺はどうすりゃいいんだ、ルパァ?ン…」と泣き崩れている。

ルパン三世 ルパンVS複製人間』では、カットされたオープニングにてルパンの死刑後、寺男になっている銭形の姿がある。別な刑事にルパンがすり替えられたことを告げられ、本編冒頭の夜道を車で急ぐシーンに繋がる。

『風魔一族の陰謀』ではルパンが爆死したと思い、「ルパンのいないこの世に未練は無い」と退職した上に出家して飛騨の山寺で住職となりルパンの菩提を弔っていたが、「ルパンは死んでいない」と風見刑事に告げられて復帰。その後に偶然ルパンと遭遇し、一瞬喜びの涙を浮かべるも「…ル、ルパン、貴様を逮捕する!」と怒号を飛ばし、いつもと変わらぬ大捕り物を展開する。

『TV第2シリーズ』第32話「ルパンは二度死ぬ」では、ピューマに殺され棺の中に納められたルパン(実はピューマを欺くために仮死剤を服用していた)のことを初めは死んだふりと思っていたが、遂には「貴様はワシの生きがいだった、いや、最愛の友だったんだ!」と号泣し、悲嘆で荒れ狂って暴れた末に留置所に放り込まれ、同様の経緯で投獄されていた次元と五ェ門に対し「貴様達はそれでもルパンの相棒と言えるのか! どうしてルパンを死なせたんだ!! 二人して何をしてたんだ!!」と詰め寄り、その後もルパンの葬式では人目を憚る事なく泣きじゃくっていた。

『TV第2シリーズ』第80話「最後の差し入れはカップラーメン」ではルパンに死刑が執行される前に「怒らないから、何でも言え」と最後の望みを聞いてやるが、それが「カップラーメンが欲しい」だったために激怒してルパンを締め上げている(しかし願いを聞いてやり、カップラーメンが届いた時には運ぶ看守に「伸びると不味くなる。早く持って行ってやれ」と命令している)。その後、自ら志願して死刑執行のレバーを苦悩しながらも引くが、ルパンが風船でできた偽物とすり替わっていたことがわかると「やりおったな、ルパンめ!」と笑みを浮かべ、喜色満面でルパン逮捕に向かった。

TVスペシャル『1$マネーウォーズ』でルパンが死亡したと思った際には「ルパァ?ン、なぜ逝っちまったんだよ?!」と号泣し、埋葬しようとする次元と五ェ門に「またいつもみたいに、俺をだます作戦か何かなんだろ!?」と泣きすがったり、意気消沈した挙句に辞表を出そうとしていたが[注 28]、生きていたルパンが目の前に現れて去った後には「生きててよかった! 本っ当によかったよ?!!」とうれし泣きしている。

一方で「ルパンが簡単に死ぬはずがない」と確信もしており、『ルパンVS複製人間』『アルカトラズコネクション』では、ルパンの遺体を目の前にしても死を信じなかったこともある(前者では死亡したのはマモーによって造られたクローンであり、その後に執念で“本物”のルパンを探し出した。後者では死んだふりだとあっさり見破るも、テリー・クラウンを欺くためにルパンが打った芝居に協力している)。

他のルパン一味の面々も銭形に親しみを持っており[注 29]、次元は「(銭形は)憎めない奴なんだ」と評したり[ep 8]、五ェ門と不二子は「ルパンが銭形を殺した」というデマを鵜呑みにした際に[ep 9]「お主を見損なったぞ」「あなたとはもうこれっきりよ!」とルパンを罵り絶縁を切り出す等、ルパンと同じく銭形のことを憎からず思っている言動が見られ、彼の危機にはルパン共々損得勘定抜きで行動することが多い。

次元は銭形をからかったりすることが多く[注 30]、わざと目の前に現れて誘き出したり[ep 10]、茶化すような一言を投げかける[ep 11]こともあるが、ルパンが「銭形を助けよう」と主張した際には「人が良すぎる」と呆れ返ったり天邪鬼な態度を見せつつも賛同している[注 31][注 32]。『TV第2シリーズ』第152話「次元と帽子と拳銃と」では、圧倒的不利な状況にも拘らず「例え殺されると分かっていても勝負に臨む」と男の美学を貫く次元に銭形は「今日ほど感動したことがない」と甚く心打たれ、「いいか、ルパン。今回は次元の男らしさに免じて貴様を見逃してやる。頑張れよ、次元!陰ながら俺も応援しているからな!!」と熱く語り、呆気に取られるルパン達を尻目に「ゆけゆけ飛雄馬」(アニメ『巨人の星』の主題歌)を歌いながら去っていった。

五ェ門に対しては生真面目な性格を考慮して対応することが多く、斬鉄剣を盗まれ自殺騒動を起こしていた五ェ門を逮捕した際にはわざわざ日本食を用意してやったり[ep 12]、『ナポレオンの辞書を奪え』では仁侠映画を鑑賞していた五ェ門を敢えて捕らえたりせず、隣に座ってルパンの居所を尋ねている。TVスペシャル『ルパン暗殺指令』で五ェ門がキースに殺害されたと思い込んでいた際には「ワシがもっと早くルパン達を逮捕してさえいれば、五ェ門は死なずにすんだ筈です」と教会で懺悔しており、その後に一命を取り留めていた五ェ門と再会した時にはうれし泣きしている。

不二子のことは次元や五ェ門と同じく信用ならないと警戒しているが、ルパンの情報提供やルパン逮捕の協力をする代わりに見逃してやる条件でたびたび手を組んでおり[注 33]、『TV第2シリーズ』第110話では拷問を用いた取り調べをされる姿を見かねて助け出したり、第41話では不眠症になった彼女の夜遊びに付き合わされたり[注 34]もしている。また、「不二子がいれば、近くに必ずルパンもいる」「不二子をマークしていれば、必ずルパンに接触する」[注 35]とルパンを探す指標にしており、「峰不二子あるところ、ルパン三世ありだ!」と断言している[ep 13][注 36]

初代ルパン役の山田康雄は「ルパン三世という作品のベースはルパンと銭形の関係だ」と考えており、「超一流の泥棒と超一流の警部が追いつ追われつつするうちに、相手の才能を認めあった上で芽生えた奇妙な友情、これなくしてルパン三世は成立しないのです」と語っている[3]。これについて初代銭形役の納谷悟朗は、山田の没後に「すごく嬉しかったよ」と回想している[4]
実力

上層部からは失敗続きのためかあまり良い評価をされておらず[注 37]、『1$マネーウォーズ』で一度出した辞表を撤回しようとした際には「もういらない」「役立たず」とまで言われており、ICPOは銭形がいつまで経ってもルパンを逮捕できないことに業を煮やし、ルパン抹殺という強行手段に打って出たことも何度かある(だが、結局は失敗に終わっている)。挙句の果てに『グッバイ・パートナー』では「実はルパンと共謀している」というデマを流され、共謀罪の容疑で逮捕までされている。

しかしそれは「ルパン一味の実力が相対的に見て余りに高過ぎる」ためであって、PART5第23話で八咫烏五郎はルパン三世専任捜査官である銭形の立場を「絶対に売れない商品を押し付けられた営業マン(実現不可能な仕事をやらされている)」と例え、世間の銭形に対する評価は間違っていると抗弁している。つまり、銭形は決して無能という訳ではなく、むしろその腕は確かなものなのである。事実、『TV第1シリーズ』のOPナレーションではルパンから「警視庁の敏腕刑事」「俺の最も苦手なとっつぁんだ」と説明されており、『TV第1シリーズ』第4話「脱獄のチャンスは一度」ではルパンを完璧な罠にかけて逮捕し[注 38]、『TV第2シリーズ』第37話「ジンギスカンの埋蔵金」ではジンギスカンに変装して立ち去ろうとしたルパンに対して「そっちはルパン用の特別製の扉」と別の扉へ誘導することでルパンを扉の中(実は護送車の中)に捕らえ[注 39]、第57話「コンピューターかルパンか」では後述の生け捕り術や射撃を駆使して五ェ門、次元、ルパンを次々と圧倒的な強さで負かし[注 40]、『炎の記憶?TOKYO CRISIS?』では作中の冒頭・中盤・結末の三度に亘ってルパンを罠に嵌めたりもしている。


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