銭形の設定については、原作とアニメで差異があるほか、アニメでも作品ごとに差異や矛盾が生じている。 原作及びアニメシリーズでは警視庁での所属部署は不明。パイロットフィルム版では警視庁刑事部捜査一課[注 82]、実写ドラマ『銭形警部』では警視庁刑事部国際捜査課所属と設定され、『LUPIN the Third』シリーズでは『峰不二子という女』ではSPECIAL POLICE(詳細不明)、『血煙の石川五ェ門』では警視庁公安部所属となっている。現在は警視庁所属だが埼玉県警察本部(当初の地元)に出向歴があり[注 83]、TVスペシャル『バイバイ・リバティー・危機一発!』では、警察官としての始まりは埼玉県警西大滝町派出所勤務からだったとされている。 『TV第1シリーズ』最終回でルパンの国外逃亡を許してしまった責任を問われ警視庁から長野県警高畑村駐在所勤務に左遷された事があるが[注 84]、この“駐在所への左遷”は「信州の山の中の駐在所へ飛ばされたという話を聞いた」とルパンが語った伝聞情報であり[注 85]、再会した銭形当人はこの件について詳しく言及しておらず、後に「派出所勤務ならまだしも、俺はまだ駐在所には勤務したことはない」とも語っている[注 86]。また、現実には警視庁と各県警をまたいだ人事は、一般的には警察庁採用者(キャリア、あるいは準キャリア)のみであるため、「現場ポストにしがみ付いているため階級も警部止まり」という描写とは矛盾するが[注 87]、これについては「上司の不正を告発したため出世の道が断たれた」とも語っている[ep 27]。 危うくクビになりかけたのをルパンに助けられたことも何度かあり、『PartIII』第2話「大いなる罠を暴け」では6トンに及ぶ金塊を使用したルパン逮捕作戦失敗の責から解雇処分をされるも、その裏でICPOのアラン長官が不二子と組み金塊の横領を行っていた事実をルパンからの忠告と助力によって暴き逮捕して復職を遂げ[注 88]、TVスペシャル『ルパン暗殺指令』では「ルパン三世の専従捜査」から解任され自棄になっていた銭形を復帰させるために、新たに命じられた「武器密売組織ショットシェルの壊滅」の任務にルパン一味が(主目的であるショットシェルの現金強奪ついでとして)総出で協力し、銭形はルパンの友情に感激している。その後、ショットシェルが壊滅し、ルパン専従捜査に復帰してからはいつもの如くルパン達を逮捕しようとするが、直後にぎっくり腰になり逃げられてしまった。 ICPOから世界各国へは銭形のルパン逮捕に全面協力を求める要請がなされており[ep 28]、「ルパンの捜査に関しては全権を委任されている」という自身の発言[ep 29]や、「世界中どの国でも(ルパン三世の逮捕に限り)捜査権を認められている」という目暮警部の言及[ep 30]がある等、ルパンに関しては国際法規的に特別な権限を持っている[注 89]。「ルパンが相手なら天下御免で出動できる」と不二子も言及しており(『カリオストロの城』より)、実際に各国の利害関係がからむ現場に「ルパンが現れた」という名目で埼玉県警の機動隊を率いて踏み込み、国家の軍隊的組織(カリオストロ公国の衛士隊)と対峙した事すらある[ep 31]。その一方で、銭形はICPOの権限に関して勘違いしている節もあり(ただし、作中のICPOの描写そのものが現実とは異なっている)、ルパンが関わっているとはいえVIPの数多くいる会場に無断で乗り込もうとして警備員につまみ出されたりする事[注 90][注 91]なども多くある。 給料の額は18万285円[ep 32]だったり、33万8363円[ep 33]だったりと、作品によってかなり異なり、『ナポレオンの辞書を奪え』で一時的に月給100万円、経費使い放題という待遇になったこともある。
警察官経歴・権限及び待遇