銃夢
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5年後、「ナノマン樹」と呼ばれるようになった軌道エレベータの一角で発狂してからも時折正気に戻るノヴァのナノ操作によって生身の人間として再生していたところをフォギアとコヨミに発見される。OVA版ではバーサーカーボディを得ることはなく、イドが開発したサイボーグボディで戦い抜くことになる。
イド・ダイスケ
声 - 苅谷俊介クズ鉄町のサイバネティクス医師。普段は人好きのする好青年で、かなり高度な技術を持ち、住民から信頼を得ている。裏の姿であるハンターウォーリアとしては、生身の肉体ながらもロケットエンジン内蔵のハンマーを使い、犯罪者を残虐に刈り取ることを生業とし、その中に充実感や自身の実在を見出しているキリングマニア。当初は殺人被害者から回収されたサイボーグパーツ(娼婦が使っていたもので、優美な彫金が施されていた)を買い取ってガリィに与えていたため、殺人犯と勘違いされた。かつてザレム市民であったが追放された過去を持ち、額に成人したザレム市民に共通するマークを持っている。外伝『聖夜曲』では真っ当な医術を学びながらサイバネ技術をマスターした医師でなければ食っていけないクズ鉄町に馴染めずにいたが、少女・キャロルとの出会いと別れを経てサイバネ医師として一本立ちした経緯が描かれる。ガリィに対しては、自身の家族とも理想の女性像とも取れるものを投影し、その生き方に干渉していた。しかしガリィが自分の手を離れてハンターウォリアーに身を転じ、マカクとの戦いで生命の危機に陥った際は、自身も重傷を負いながらも秘蔵のボディを改造してガリィの戦闘用躯体を作り上げた。モーターボール編以後、流出したバーサーカーボディを買い戻すため訪れたノヴァ邸で、ザパンの暴走に巻き込まれ死亡。ノヴァの手で蘇生するが、その際に知った「ザレム人の秘密」の重圧に耐え切れず自らの記憶を消去した。現在はとある農場でサイバネ医師を続けている。OVA版ではかつてザレムでも1・2を争うほどの優れたサイバネ医師であったと設定されており[注 1]、またガリィに対する愛情もより父性愛的なものとして描写されている。時には患者から治療費を取らない事もある良心的な医師で、ハンターウォーリアーを行っている理由も診療所の経営を維持するためと示唆されている。原作と異なってその戦闘能力も高く、ユーゴの末路に激高してベクターのオフィスに単身乗り込んだ際には、彼と用心棒のザーリキを単独で殺害している。なお、彼のキャラクターにはセルフオマージュとしての原型が存在し、作者が1987年に同人誌で発表した短編漫画『IRON FIST』にその源流を見ることができる。なお『IRON FIST』は作者ウェブサイト『ゆきとぴあ』内で公開されており、イドの服装や武器、そしてその二面性に類似点が見出せる。
ゴンズ
声 - 岸野一彦クズ鉄町で露店食堂を営む、頭に鉄板を打ち付けた姿の元サイバネ医師(獣医)。通称・ゴンさん。傷ついたイドに代わってガリィにバーサーカーボディを繋ぐ手術を行なった。後にバーサーカーボディを手に入れたザパンが「カンザス」を襲った際に殺害される。
デッキマン
ザレムが下界のクズ鉄町や「ファクトリー」(クズ鉄町にある、ザレム市民が消費する資源や製品を供給するための工場)などの事務処理端末として各地に置いているサイボーグの一種。筒型のボディをしており、チューブを通して移動した先の各種機器と接続して業務を行う。なお正確には顔の皮と脳の言語野のみをバイオパーツとして使用しているだけで、人間としての意識は一切無く、勧誘文句は「捨て子自殺者大歓迎」。文字通り機械的にファクトリーの維持・運営に当たる。元になった人間の言語野を介して発声しているため、デッキマンごとにおかしな口癖があり、胸に書かれた識別番号以外の個性ともなっている。
ネットマン
ファクトリーの外部端末サイボーグ。ファクトリーの治安維持に当たり、普段は町辻で交番のような役割を果たしている。デッキマンと異なり自律移動が可能なほか、左腕のオプション・ユニットで武装しており、A級犯罪者(鳥類も含む)を見つけると容赦なく射殺する。
マカク編
魔角(マカク)
札付きの凶悪な賞金首。本体は巨大な頭部と
ウジのようなボディだけで、様々なサイボーグの体を次から次へと乗っ取っていく特殊な能力を持つ。知能レベルはボディによって左右されるらしい。ノヴァに改造された、ある意味被害者である。エンドルフィン依存症で、エンドルフィンあふれる脳味噌が大好物。ストリートチルドレンの頃は無力であったために人間扱いされず、ゴミのように殺されかけ、サイボーグボディを手に入れてからは強過ぎて化け物扱いされ、唯一対等な敵として目前に立ちはだかったガリィに対して、ある特別な感情を抱く。
キヌバ
クズ鉄町で開催されているコロッセオのチャンピオン。右手に仕込まれたグラインドカッターと戦術コンピューター・猪頭(ボアヘッド)によって圧倒的な能力を持ち、無敗を保っていた。しかしその性能に目をつけたマカクにボディへ潜入され、自刃を試みるも一瞬の差で破れ、機体を奪われて死亡した。
ザーリキ
コロッセオにてキヌバに挑戦していた選手。両手のチェーンソーを駆使した「サバトの蟹の舞」を繰り出すも、一瞬でキヌバに敗れている。しかし実力自体は低くないらしく、キヌバ亡き後はコロッセオのチャンピオンとなり、ベクターの用心棒も引き受けていたが、やはりガリィに一撃で敗北している。OVA版ではグリュシカ亡き後のコロッセオのチャンピオンであり、ベクターの護衛を引き受けていたが、ユーゴとチレンの末路に激高したイドによって撃破されている。
ウォルシュ
クズ鉄町のバー「カンザス」のオーナー。名前は『LO』で判明。店はハンター達のたまり場と化しており、イドやザパンもかつて常連だったが、ガリィを狙う敵襲によって2度も潰れてしまう。以後アル中となった上に下半身を失う[注 2]など悲惨な生活をしていたが、最後は無印・『LO』共に足をキャタピラに代えて再起し、3度目の「カンザス」開店を目指す。
コヨミ
「カンザス」オーナーの一人娘。登場当初は泣くことしかできない赤ん坊だったが、後に快活でしっかりした性格に育つ。実の娘ではなく捨て子だが、成長したコヨミは後に意外なところでガリィと再会する。ガリィが彼女の命を助けたことも一度や二度ではなく、縁浅からぬ関係である。やがて数奇な縁からバージャックと行動を共にするようになり、ガリィと決別。ビューイックからカメラを託され、さらに電の最期にまで立ち会ったことで、彼らの戦いを語り継ぐことを決意する。そしてビューイックとの共著という形で『馬借戦記』を出版した後は、ジャーナリストとしてガリィの伝記執筆のため彼女の足跡を辿っていく。
ザパン
声 - 戸谷公次クズ鉄町のハンターの1人。かつてバー「カンサス」でガリィに侮辱されて以来、度々やり合うもその都度恥をかかされたという因縁がある。非常に執念深い性格で、復讐のためにある卑劣な策略でガリィを苦しめるが、逆に一撃を喰らって顔面を損傷し敗れ去った。その後の「ザパン編」ではボランティア女性・サラの元に身を寄せ平穏な暮らしをしていたが、ガリィの姿を見たことでパニックに陥った彼の強化された強力なボディが悲劇を生み、事故で彼女を死なせてしまう。精神を病んで再度ガリィに復讐を仕掛けるが又も失敗、サラの父親であるハンター・マードックによって抹殺された。しかし、残った僅かな体のパーツにノヴァがバーサーカーボディを与えて復活、クズ鉄町を大恐慌に陥れた。
ユーゴ編
ユーゴ
声 -
山口勝平クズ鉄町で修理工・便利屋として生計を立てている少年。ガリィの初恋の相手。かつてザレムを目指した兄の形見としてその腕を受け継いでおり[注 3]、商才や組織力、度胸と計画力でベクターにもその能力は高く評価されていた。裏では、サイボーグを襲って脊椎強盗まで犯しながら1,000万チップを目標に大金を稼いでいる。それは憧れのザレムへと行くためであったが、ザパンによって犯罪が発覚、賞金首として手配されクライヴ・李によって致命傷を負う。死を免れない状況だったが、ガリィの機転によって命を拾い、イドによってサイバネ処置を受けて生き延びる。だが、イドから「金を積んだところでザレムには行けない」と知らされ、ガリィと共にベクターの許へ向かいそれが真実であると知ると、自棄になってファクトリーからザレムへ繋がるチューブを登ってザレムに辿り着こうとする。制止にきたガリィの必死の説得を受けて地上へ戻る事を決意するも、その直後阻止装置に掛かって高空から落下し、死亡した。
ベクター
声 - 千葉繁クズ鉄町でも随一のフィクサー。ザレムと地上の物資流通の多くを取り仕切っており、出資しているコロッセオのチャンピオンを個人的な護衛に用いるなどその富と権力は莫大。一方で後ろ暗い事にも手を染めており、合法の臓器売買から成り上がったこともあって、ユーゴを「金を集めればザレムへ行かせてやる」と騙し、慢性的に品薄なサイボーグの人工脊椎を強盗させて金を稼がせている。ただしこれは宣伝目的で吹聴していた「ザレムに行ったことがある」という嘘をユーゴが信じ込んでしまったため、諦めさせようとついた方便であり、ユーゴ自身の才覚には期待して目をかけていたりなど、決して極悪人ではない事は(この点は続編である『LO』でも)描かれている。ユーゴの死後も何とか地位を維持しており、電一味との交渉も辛うじて成立させ、さらにザレム崩壊後はケイオスと手を組んで安定化に協力した。
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