結晶構造に着目して、同じ結晶構造をもつ鉱物をまとめて一つのグループとする場合がある。とくに、化学組成と晶系だけでは特徴を掴みにくい珪酸塩鉱物などでは一般的に使われる分類である。
原子の配列である結晶構造はあまりに微細であるため直接知る方法はなく、X線回折やその他結晶の物理的性質などによって間接的に推定する。化学組成や晶系から大まかに推定できる場合もある。ただし、同じ結晶構造だからといって必ずしも同じ晶系に属するわけではないことに注意が必要。例えば長石グループに属する鉱物は、単斜・斜方・三斜と3つの晶系にまたがる。
鉱物グループの例
スピネルグループ
燐灰石グループ
柘榴石グループ
長石グループ
角閃石グループ
輝石グループ
沸石グループ
外形による分類「結晶面」も参照
結晶が自由に成長できる環境で成長した場合を自形
という。これに対して、他の鉱物に邪魔をされて自由に成長できなかった場合を他形という。また、自形結晶の外形だけを残して、成分が分解・置換してしまったり多形関係の別の鉱物になってしまう場合があり、このような場合を仮晶と呼ぶ。鉱物の外形(結晶形)は、鉱物種を判断する上で非常に重要な要素であり、結晶を一見しただけで鉱物種を判断できる場合もある。ある鉱物種が取りやすい形をその鉱物種の晶癖という。
板状 : 白雲母、板チタン石
柱状 : 電気石、紅柱石
錐状 : 鋭錐石
しかし、結晶の面の大きさや稜の長さなどは比較的変わりやすいことが知られているため、決定的ではない。一方、結晶面同士の成す角度(面角)は、結晶面ごとに常に一定であることが知られており、鉱物の鑑定においてはより重要な性質である。 鉱物を産出状態や用途によってまとめることがある。
産出状態による分類
造岩鉱物 - 岩石を構成している鉱物。石英、長石、雲母、角閃石、輝石、カンラン石など。
ペグマタイト鉱物 - ペグマタイトを構成している鉱物。石英、長石、雲母のほか、電気石、緑柱石、蛍石など。
接触鉱物
スカルン鉱物 - 炭酸塩岩と火成岩との接触部にできる鉱物。柘榴石、輝石、ベスブ石、珪灰石など。
鉱石鉱物 - 鉱石として採掘される有用な鉱物。黄銅鉱、方鉛鉱、閃亜鉛鉱など。なお、鉱床内で不要なものは脈石鉱物という。
ろう石鉱物 - ろう石鉱床に産するロウ感のある鉱物。葉ろう石、ダイアスポア、絹雲母、コランダム、カオリナイトなど。
粘土鉱物 - 岩石が分解してできた粘土を構成する鉱物。