技術、経済、法制などの観点から分類可能である。 鉄道は、技術的には、軌道・車両の構造、軌道の敷設面、軌間、車両の動力源などに基づいて分類できる[2]。 経営形態による分類がある。たとえば私企業による経営や、国による所有「国有」、国による経営「国営」などである。 世界の鉄道は、初期の段階においては(規模がまだ限られていたので)株式会社の形態が多かったが、やがて全国的な鉄道網の形成に伴い国有・国営の形態をとるものが多くなっていった[2]。その後多くが、分割されたり、一部を分離独立させたり、民営化するなど多様な道を進むことになった。 欧州を見てみると、イギリスの鉄道は1947年の法律によって国有化され、その後、1963年から公共企業体として運営されていたが、1994年に分割・民営化された。フランスの鉄道は、1937年の「公私混合株式会社」の発足以来、国有化の道を歩み始め、1983年からは全額政府出資の事業体として運営されていたが、1997年1月フランス国鉄 (SNCF) は、鉄道線路の建設と維持管理とを行うフランス鉄道線路事業公社 (RFF) を分離独立させ、フランス国鉄 (SNCF) 自体は鉄道輸送に専念する事業体となった。ドイツの鉄道は、1920年のドイツ国有鉄道の設立により国有化されたが、第二次世界大戦後の1951年の東西ドイツの分裂により、西ドイツは「ドイツ連邦鉄道」、東ドイツは「東ドイツ国鉄」として国有国営の事業体となった。1990年の東西ドイツ統一以降、1994年に東西両国鉄が「連邦鉄道財産機構」として統合され、その後業務別に三つの組織に分割されていった。 アメリカの鉄道は、第一次世界大戦中に一時期、国の管理下に置かれたことがあるが、基本的には民間の運営であった。しかし、自動車や航空機に比べ鉄道による旅客・貨物輸送の需要は伸びず、1971年には国が管理・運営する鉄道として都市間の旅客輸送を行うアムトラック (Amtrak)(正式名:全米鉄道旅客輸送公社National Railroad PassengerCorporation。その通称である「Americantrack」の略称がAmtrak)が、1976年には連邦政府の援助・監督下に経営される株式会社形態の貨物輸送鉄道コンレール (Conrail)(統合鉄道会社Consolidated Rail Corporationの略称)が設立された[2]。その後、アメリカでは1980 - 1990年代に規制緩和政策が推進されるとともに鉄道会社の統廃合が進み、コンレールも「ノーフォーク・サザン鉄道」と「CSX鉄道」に分割・買収される形で1999年に姿を消した。 日本の鉄道は、1906年(明治39年)に(特定地方限定の地方鉄道を除いて)国有化され、第二次世界大戦後、1949年(昭和24年)に公社(公共企業体)「日本国有鉄道」として新たに発足したが、1987年(昭和62年)4月分割・民営化が行われ、「国鉄」は「JR」となり、6つの旅客鉄道会社(JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州)と1つの貨物鉄道会社(JR貨物)の合計7つの会社として再出発した。
技術的分類
軌道・車両の構造による分類
普通鉄道と特殊鉄道に分類できる。普通鉄道は、2本のレールの上に自走する車両を運行させる一般的な鉄道である[2]。対して特殊鉄道は、普通鉄道とは異なるものをまとめて呼ぶ総称であり、たとえば普通鉄道に特別な装備を付加した歯車式鉄道(ラックレール式鉄道。アプト式、シュトループ式など)と、全然別の構造の単軌条式鉄道(モノレール)、案内軌条式鉄道(新交通システムを含む)、鋼索鉄道(ケーブルカー)などがあり[2]、さらに言うと「特殊鉄道」には(次第に「鉄道」なのかあいまいな領域になるが)索道(ロープウェー)、無軌条電車(トロリーバス)、磁気浮上式鉄道(リニアモーターカー、マグレブトレイン 等)なども含められることになる。
軌道の敷設面による分類
大まかには、「地表に敷設する鉄道」「高架鉄道」「地下鉄道(地下鉄)」の3種にわけられる。
地表に敷設する鉄道には、専用の用地に敷設する一般の鉄道と、道路上に敷設する路面電車がある。
高架鉄道は、交通の頻繁な道路や他の鉄道との平面交差を避けるために、高架構造上にレールを敷設するものである。
地下鉄道は、都市の地下のトンネル内に敷設する。
軌間(ゲージ)による分類
大まかには、「標準軌鉄道」「広軌鉄道」「狭軌鉄道」の3種にわけられる。
標準軌鉄道は、ヨーロッパ・アメリカなど世界の70 - 75 %が採用しており、日本の新幹線や一部の私鉄も採用している、1435ミリメートルゲージである[2]。
広軌鉄道は、標準軌間より広いゲージで、スペインやインドの1672ミリメートルゲージ、旧ソ連地域の1525ミリメートルゲージがある[2]。
狭軌鉄道には、ニュージーランド、南アフリカ共和国、日本の旧国鉄在来線や多くの私鉄などの1067ミリメートルゲージ、またタイ、ミャンマー、スイスの私鉄などの1000ミリメートルゲージなどがある[2]。
日本の新幹線は「標準軌」で、在来線が「狭軌」である[2]。
経済的分類
経営形態による分類